東京アニメアワードフェスティバル2015(以下、TAAF2015)の授賞式が3月22日(日)にTOHOシネマズ 日本橋にて行われ、TAAF2015「アニメ オブ ザ イヤー部門」と「コンペティション部門」のグランプリ作品が発表された。
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■ 「アニメ オブ ザ イヤー部門」

劇場映画部門
グランプリ『アナと雪の女王』
優秀賞  『STAND BY ME ドラえもん』
テレビ部門
グランプリ『ピンポン THE ANIMATION』
優秀賞  『妖怪ウォッチ』

TAAF2015の「アニメ オブ ザ イヤー部門」は、この1年間(2013年11月1日~2014年10月31日)に、日本国内で上映・放送された全商業作品を対象に、日本動画協会会員、そしてアニメに携わり第一線で活躍するアニメプロデューサー陣、総勢約100名の専門的な視点によって投票を行い、厳正に選考されたもの。なお、3月22日(日)にTOHOシネマズ 日本橋にて行われた授賞式時の、受賞作品代表者のコメントは以下の通り。
劇場映画部門グランプリ『アナと雪の女王』より、宣伝プロデューサー廣村氏は「1年間に上映される、そうそうたる劇場アニメーションの中で選んでいただいたことに、スタッフを代表して御礼申し上げます。制作に6年、一人ひとりのスタッフの愛を隅々まで注ぎ込んできた作品が、多くの人に愛していただいたこと、今でも愛していただいていることで、続編もつくることができたと感慨深い。」と話した。
また、テレビ部門グランプリ『ピンポンTHE ANIMATION』湯浅監督は、「松本さんの素晴らしい原作があって、それだけではなくて、スタッフも凄く頑張っているのが見えていました。この賞を頂いたおかげで、また観てくれている人が増えたり、関わったスタッフの仕事が増えたりしたら有難いと思います、次回作にも期待してほしい」と、コメントした。

■ 「コンペティション部門」

「コンペティション部門」は、2013年1月1日以降に完成したアニメーション作品で、プロ・アマ問わず応募のあった、日本国内で未興行のアニメーション作品を対象としている。60分以上の作品は長編アニメーション部門、30分未満は短編アニメーション部門となる。本年は長編部門で21作品、短編部門は60ヵ国以上の国と地域から1206の作品の応募があった。

長編アニメーション部門
グランプリ『Song of the Sea』(原題)、監督 トム・ムーア氏
優秀賞  『MUNE』(原題)、監督 アレクサンドル・ヘボヤン氏、ブノワ・フィリッポン氏
※グランプリの『Song of the Sea』(原題)には、東京都知事賞も授与された
短編アニメーション部門
グランプリ『Mi ne mozem zhit bez kosmosa』(原題)、英題『We can't live without cosmos.』、監督 コンスタンティン・ブロンジェット氏
優秀賞  『Bang bang!』(原題)、監督 デジュリアン・ピサロ氏
     『Beach Flags』(原題)、監督 サラ・サイダン氏
審査員特別賞 『My Stuffed Granny』(原題)、監督 エフィー・パッパ氏
※グランプリの『Mi ne mozem zhit bez kosmosa」には、東京都知事賞も授与された

※一般の観客が選んだ観客賞には日本人監督がアイヌの人々と一緒に制作した『七五郎沢の狐』 監督 すぎはらちゅん氏(上映時間 13分45秒)が選ばれた

授賞式では、長編アニメーション部門の『Song of the Sea』(原題)がグランプリとなった決め手を、最終審査員の一人を務めた東映アニメーション 企画営業本部 企画開発スーパーバイザーの関 弘美氏がコメントした。「アイルランド(ケルト)の神話をモチーフテーマにしながらも、家族再生・再構築という、現代でも広い世代に通じるテーマが非常に良い形でシナリオになり、アートディレクションや音楽とのマッチングにも成功しているという、大変素晴らしいバランスの映画だというのが審査員全員の見解です。そして、この作品はシナリオの前編と後編では、テンポが変わるのですが"デリケートな兄弟愛や人間関係の描き方が素晴らしい"という意見と"後半のクライマックス、アクションシーンが見どころだった"という意見で、2つに分かれております。この作品を観客の皆様がどう思うかが非常に楽しみなところです。私ごとではございますが、久しぶりに素直に泣ける映画でした」。
短編アニメーション部門のグランプリの『Mi ne mozem zhit bez kosmosa』(原題)に対するコメントは、最終審査員の一人を務めたアニメーション作家・アニメーション協会会長の古川タク氏がコメント。「スタイリッシュな画面作りと大人のセンス・オブ・ユーモアを散りばめたこの作品は実は映画制作の類稀なる力量をも見せてくれる。どのカット一つを取ってみても素晴らしい。キャラクターひとりひとりがシンプルな表現の中に各々の個性に満ち溢れている。笑いながら、ハラハラしながら一気にエンディングまで楽しませてくれる。見終わって、なんとも暖かい気分にさせてくれるアニメーション」と評した。

■ 関連 URL

・「東京アニメアワードフェスティバル2015」
 http://animefestival.jp/ja