ボーンデジタルは、セミナー「Computer Animation Open Course - Rig and Tools(リグ アンド ツールズ)-」を7月2日(土)に開催する。

華やかな3DCGの作品の中に、必ず求められる縁の下の力持ち的な存在がある。今回は、その中でも特に作品のクオリティに直結するRigging(リギング)にフォーカスしたセミナーを開催する。非常に高い技術力を誇る錚々(そうそう)たるクリエイターが招かれ、リグを語り尽くす一日となるだろう。また、4つのセッションに加え、最後にリガ―パネルディスカッションも用意されている。一歩先行くRigging技術を本気で身に付けたい人にとっては必見のセミナーだ。

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■セミナー概要

【日時】
7月2日(土)

【セミナー時間】
14:00〜18:00

【講演者との懇親会】
19:00〜21:00

【会場】
都内セミナールーム(受講証に記載)

【参加費用】
無料

【講義レベル】
リグ中級以上

【今回のセミナーで使用するソフトウェア】
MAYA

【受付期間】
5月23日(月)〜6月24日(金)
※6月24日(金)は18:00までの受付

【申し込みサイト】
本セミナーは抽選となる。先着順ではない。

■講演内容 ※順不同

【佐々木隆典(ささき りゅうすけ)】
株式会社スクウェア・エニックス:リードテクニカルアーティスト
建築やエンジニアリング分野のCG制作業務などを経た後、1996年に株式会社スクウェア・エニックスに入社。『Final Fantasy』シリーズなどでツール開発や3DCGムービー制作を担当。2002年にコナミに入社。Enthusiaでプログラマー、『Metal Gear Solid 4』でキャラクタリグ開発担当。2007年に株式会社スクウェア・エニックスに入社。技術部門で、DCCツール関連の社内サポート、プラグイン開発、キャラクタリグ開発などを担当。

・講演タイトル
「スケールを使ったリグのはなし ~DCCツールのしくみからエンジンへの出力まで〜」

・講演内容
関節のスケールを用いた伸縮や拡大縮小は、カートゥーンやアニメの誇張表現はもちろんのこと、リアル系であってもモンスターやメカなどで使う場面があるかと思われる。ところがスケールを使ったリギングは使わない場合に比べて難しい傾向があるようだ。リグやツール、あるいはゲームランタイムのアニメーションシステムでスケールを考慮するかどうかは、リギングの難易度やツールやランタイムの複雑度に大きく影響するのではないかと考える。本セッションでは、Mayaでのリギングを中心にSoftimageやFBXも例に挙げながら、スケールの問題を正しく理解し問題解決に役立てるための少しだけ技術的な知識を、自身の経験を元に語られる。

【赤木達也(あかぎ たつや)】
マーザ・アニメーションプラネット株式会社:キャラクター チームマネージャー
前身のVE研時代より同社でのプロジェクトにリガーとして携わる。2015年よりモデラー、アニメーター、リガーをまとめたチームのマネージャーを務めている。主な作品は『ムーム』、『The Gift』、『キャプテンハーロック』

・講演タイトル 「Marzaリギング制作事例 ~eSTの解説と『ムーム』について〜」
・講演内容 いくつかの映像プロダクションで使われているリギング&アニメーションツールeSTに関する解説を行う。Mayaのパフォーマンスを引き出すローカルセットアップでの実際の組み方や、映画プロジェクトにおけるリグを効率的に組む方法等について語られる。後半では短編映画『ムーム』(https://youtu.be/7Vg4yFnIQSg)での実際の制作事例を同社で取り組んでいるワークフローおよび内製ツールを含めた解説を行う。

【向井智彦(むかい ともひこ)】
東海大学 情報通信学部 情報メディア学科 専任講師
東海大学情報通信学部情報メディア学科専任講師。博士(工学)。2006年に豊橋技術科学大学大学院博士後期課程電子・情報工学専攻を修了した後は、同学にて助教を務め、2009年より株式会社スクウェア・エニックスのシニアリサーチャー。2014年より現職。コンピュータグラフィックスやキャラクターアニメーション、モーションキャプチャに関する研究などに興味を持つ。Computer Graphics Gems JPシリーズ(2012:インバースキネマティクス、2013/2014:パラメトリックポーズブレンド、2015:スキニング分解)の執筆も担当。

・講演タイトル
参照データを用いた補助骨リグの自動構築に向けた研究紹介

・講演内容
2000年代後半頃から、任意の頂点(シェイプ)アニメーションをリファレンスとして、それを近似するようなスキンメッシュとボーンアニメーションを自動推定する技術が研究されている。本講演では、リファレンスアニメーションから補助骨リグを半自動構築するという、SIGGRAPH 2016で発表予定の研究成果( http://mukai-lab.org/projects/#SIGGRAPH2016 )を題材として、そうした一連の技術のメリットやデメリット、今後の発展性について議論する。

【上原達也(うえはら たつや)】
フリーランス テクニカルアーティスト
2007年、株式会社スクウェア・エニックスにて手付けアニメーション実作業および、リグやツールの開発を担当。その後 Digital Frontier にてフル3DCG映画やゲームのアニメーションに関するテクニカル面を微力ながら支援。株式会社スクウェア・エニックスへ戻りAAAタイトルのテクニカルアーティストを経て、2015年、フリーランスのTAとして活動を開始。

・講演名
「メタノードリギングの基礎テクニック」

・講演内容
リグはリグそのものの機能性も重要だが、補助ツールが充実してこそ威力を発揮する。スクリプトを使ってリグ作成を自動化できても、補助ツールの開発にはそれなりのコストがかかってしまう場合がある。さらに、リグは修正対応が発生しやすく、メンテナンスにも相当な労力が必要になる。この問題を軽減させるひとつのアプローチとして、メタノードというインターフェースを用いて、Mayaのノードグラフへのアクセシビリティを高めるという方法がある。今回は、このメタノードの概念をリグに組み込むテクニックを紹介する。

■パネルディスカッション

今後のリグに関して、豪華パネラーと受講者でパネルディスカッションが行われる。パネラーは下記のとおり。

・佐々木隆典(ささき りゅうすけ)
株式会社スクウェア・エニックス:リードテクニカルアーティスト

・赤木達也 (あかぎ たつや)
マーザ・アニメーションプラネット株式会社:キャラクター チームマネージャー

・千田量久(ちだ かずひさ)
株式会社スクウェア・エニックス:リガー

・福本健太郎 (ふくもと けんたろう)
株式会社ポリゴン・ピクチュアズ:リギンググループリーダー

・上原達也(うえはら たつや)
フリーランス テクニカルアーティスト

・モデレーター:野澤徹也(のざわ てつや)
株式会社GUNCY'S