世界で約970万のユーザーを有し、デベロッパーやエンジニアから人気と信頼を得ている、ソフトウェア開発共有Webサービス「GitHub(ギットハブ)」を手がけるGitHub(カリフォルニア州サンフランシスコ市、以下 GitHub)が、初の海外支社として日本支社「ギットハブ・ジャパン合同会社(本社:東京都港区 ジェネラルマネージャー:堀江大輔)」を設立した。
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■ 概要
ギットハブ合同会社は東京を本拠地とし、今後はジェネラル・マネージャーである堀江大輔氏が運営を行なっていく。堀江氏は、GitHubに参画する以前は、起業家精神を発揮し自身のスタートアップを設立しており、その前はクックパッドの国際事業部のバイスプレシデントとして活躍していた。CEOのクリス・ワンストラス氏は、この発表に際して「海外初のオフィスをオープンする事はGitHubにとって とても重要な節目であり、イノベーションに富んだソフトウェアを生み続けてきた、今でも刻々と成長を続ける日本のデベロッパー・コミュニティをサポートする日本法人を設立出来ることに、とても嬉しく思っております。新しく就任したジェネラル・マネージャーの堀江大輔は、豊富なビジネス経験とGitおよびGitHubの深い理解で、日本のお客様にとって必ずお役にたってくれると信じております」と述べている。
また、設立に伴い堀江氏は「日本企業は劇的に変化するグローバル市場に対応しながら、常にテクノロジーやイノベーションにおいての最先端の地位を維持し続けてきました。昨今ソフトウェアがビジネスのあらゆる場面に浸透していくなか、私達は「GitHub Enterprise」を通して、日本においてのお客様がよりコラボレーションしながら、ソフトウェアの構築や「シップ(ギットハブ用語:出荷)」をしやすくする環境のサポートに努めさせていただきたいと思います」と力強く述べている。
■ ソフトウェア抜きにビジネスを語れない時代に
昨今では、ワークスタイルの変化やコラボレーション文化の浸透で、ベンチャーから大手企業まで、開発者とそれを取り巻く人々が企業内はもちろん、地理的条件や組織の枠を超えてコミュニケーションしながら、迅速にサービスや製品の開発を行うことが求められている。また、IT企業にとどまらず、車産業や小売・流通、住宅産業など様々な場面でソフトウェアと連携したビジネスが広がり、エンジニアとのコラボレーションを抜きにビジネスを語ることが難しくなってきた。GitHubは、このようなコラボレーションを支えるプラットフォームとして、世界中で活用されてきたが、急増する日本のエンジニアや企業・団体ユーザーとのコミュニケーションを強化し、より良いサービス環境を提供するため、日本法人を設立した。
■ GitHubと日本
GitHubは、日本で生まれたオープンソース・プロジェクトのRubyで作られたRailsというフレームワークによって開発されており、日本のオープンソース・コミュニティーなしではGitHubは存在しえないと言っても過言ではないほど、日本と深いつながりがある。また、2008年の日本語サポートのないGitHub設立当初から、日本からgithub.comへのアクセス数は上位10ヵ国に入り続けてきた。そして、日本のユーザーは現在も増加し続けており、2014年の日本ユーザーのGitHub上でのアクティビティは、前年比60%も増加した。
■ 「GitHub Enterprise」の日本展開
GitHubは広く開かれた開発を支援するオープンソース・プラットフォーム以外にも、2012年から全世界で企業向けに「GitHub Enterprise」を提供してきた。「GitHub Enterprise」は、オープンソース・プラットフォームと同じプロジェクト環境を、自分たちの組織内にクローズドで再現できることから、社内コラボ―レーションツールなどとして活用されてきた。これまで「GitHub Enterprise」は、英語でのサポートのみだったにもかかわらず、日本国内では日立システムズ、ヤフー、サイバーエージェントやグリーなどの大手企業をはじめとして、多くの先進的な企業に活用されてきた。これらに加えて、日本法人設立にあわせて、これまで言語や決済などの観点から導入が難しかった国内企業に対しても、さらに迅速できめ細かいサービスやサポートを提供するため、GitHubは20年以上の海外テクノロジーサービス販売実勢を持つ、マクニカネットワークス(本社:神奈川県横浜市、代表取締役社長:宮袋正啓)と国内総代理店契約締結を行い、日本語による「GitHub Enterprise」の法人向け導入サポートも開始した。この提携により、円建て決済や日本語のテクニカルサポートも可能になる。また、ギットハブでは、今後セールスのローカルスタッフ採用も行い、サポート体制の強化に努めていく。GitHubでは、今回の日本法人開設により、急増を続ける日本国内ユーザーや、日本のオープンソース・コミュニティー、企業などとの関係をこれまで以上に深めていくという。また、ホワイトハウスでの活用に見られるような、行政・自治体や教育機関への普及啓発を行なっていく。さらに、これらの活動を踏まえて、世界各国でプログラミングが必須科目となり、あらゆるサービスやビジネスにソフトウェア思想が付加価値として不可欠になるIoT(Internet of Things)時代において、GitHubは今後もプログラミングの普及や、コラボレーションのサポートに務めていくという。
■ GitHub について
GitHubは、2008年に設立された、970万人以上のユーザーがいる世界最大のソフトウェア・コードのホスティングプラットフォームおよびソフトウェア共同開発共有Webサービス。グラフィカルなUIでプログラマやデザイナーなどがコラボレーションとコード・シェアリングを通じて、様々なユーザーが一緒に働きやすい環境を実現している。ソフトェアのコード以外でも画像などのデザインファイル、3Dファイルのバージョン管理のほか、Slackなど様々なコラボレーションツールと連携して活用できる。また、オープンソースのプラットフォームにも用いられ、業界への貢献やエンジニアへの啓蒙を目指して、多くの大手企業がGitHub上に公式アカウントを作り、オープンソース・プロジェクトを公開している。企業向けのGitHub Enterprise(GitHub.com のオンプレミス版)も世界大手企業に利用されており、様々な教育機関などが活用している。GitHub.com、GitHubデスクトップ&モバイル・アプリケーション、およびGitHub Enterpriseの共同作業機能は、今まで以上に個人やチームがより質の高いコードをより早く開発する事を可能にしている。
■ 関連 URL
・「GitHub」日本法人設立について
http://epochseed.sakura.ne.jp/02/20150604_GitHub.pdf
・ギットハブ合同会社
https://github.com