カラードワンゴ麻生専門学校グループの3社は、九州の人材を集めアニメ・CG業界で活躍する人材を育成するために、平成28年12月にアニメ・CG業界における若手育成プロジェクト「ANIME CG NINE Project」を発足する。

■プロジェクトの背景

一般社団法人日本動画協会「アニメ産業レポート2016」によると、2009年から2015年までアニメ産業市場は右肩上がりの状況で、2015年のTVアニメ制作本数は過去最高の314本など第四次アニメブームの到来と言われている。またフルCGの映画作品、スマートフォン向けゲームの増加などCG活用の場も年々広がっている。アニメ制作会社数も2011年の全国419社から2016年には全国622社と、約1.5倍増加。そのうちの87.1%が東京に集中しており東京では慢性的な人手不足という状況のため、まだ需要の少ない九州の地が今回のプロジェクトの場として選ばれた。

■プロジェクトの概要

アニメ・CG業界を目指すまたは従事している九州の若手人材を集め、実務レベルの作業を通して、彼らの可能性を拡げ、アニメ・CG業界で活躍する人材を育成することを目的としている。集まった人材を基にどのような作品を作り上げるかを検討する予定。施設・設備はASOポップカルチャー専門学校(認可申請中/福岡市博多区)のものを活用し、指導はカラー、ドワンゴのスタッフが担当。また同専門学校のアニメ・CG系学科に講師として、同2社から特別講師を派遣するなど産学連携も図る予定だ。

■各社紹介、代表者コメント

カラー代表取締役社長 庵野秀明氏コメント
「この度縁あって、麻生塾さん・ドワンゴさんと一緒にCGアニメーションを主とした人材育成計画を立ち上げる事になりました。福岡、九州、山口に存在している才能を現地で育成し、活かしていく事が主体です。この3社プロジェクトにより、わずかでも現地産業に貢献し、少しでもアニメCG業界を手助けし、ちょっとでも作品クオリティーを押し進める事が出来れば良いな、と思っています。何卒、よろしくお願いします」

ドワンゴ代表取締役会長 川上量生氏コメント
「プログラマーやCGアニメーターのように知的生産を生業とする職業は、本来は場所を選ばないはずであり、インターネットが普及した現在では、地球上のどこでも仕事ができても不思議はありません。しかしながら、日本ではビジネス上の制約で、このようなソフトウェア生産においてですら、東京に求人は一極集中しており、さらに深刻な人材不足に陥っているのが現状です。今回、麻生塾さんの協力により、カラーさんとドワンゴが共同して、福岡周辺のCGアニメーションに携わる人材を育成するプロジェクトを開始することになりました。このプロジェクトからCGアニメーション業界に貢献する人材が輩出され、潜在的な地方の力を引き出し、優れた作品を福岡から世界に送り出せればと願っています」

学校法人麻生塾理事長 麻生 健氏コメント
「私たちは福岡を拠点とする教育機関として、九州でもトップレベルの教育を提供することを目指しています。本プロジェクトでは、世界的に活躍されているトップクリエイターの方たちから直接スキルやプロとしてのマインドを学ぶと同時に、業界への理解をさらに深めることができる機会を提供していきたいと考えています。本校の学生だけでなく九州の若手クリエイターの方たちにとって、本プロジェクトがさらなる成長の場となること、そして九州から世界へ羽ばたく人材を輩出し、九州という地がアニメ・CG業界のさらなる飛躍に貢献できることを願っております」