かねてから高精度デジタルヒューマンの研究・制作に取り組んできた東映株式会社ツークン研究所が、実際の人物を3DCGで再現するデジタルダブルの完成成果を発表した。これを機に、2019年4月よりツークン研究所のデジタルヒューマンプロジェクトが本格始動した。
■概要
作品制作にあたってはモデル・俳優として活躍する高島豪志氏を起用。最先端のライト&スキャニングシステム「Light Stage(ライトステージ)」による高島氏の頭部スキャン、フォトグラメトリーによる全身スキャンのほか、眼球から口腔内に及ぶリファレンス撮影、スキャン撮影時の体調や肌質についてインタビューを実施するなど、あらゆる角度から本人の情報を取得することからスタート。さらにツークン研究所では、形状・質感・動きの仕組み・動き・ヘアなどそれぞれに専任スタッフを置き、肌の凹凸、髪の質感、目の虹彩の表現など、パーツひとつひとつ細部まで、リアルを追求して制作にあたった。約1年をかけ研究開発に取り組み、この度、成果のひとつとして、グラフィック、ショートムービーを発表した。静止画だけではなく、映像でも使用することのできる「高精度」かつ「動く」デジタルヒューマン制作を国内のチームで完結できることはCG業界にとっても非常に大きく、注目が集まっている。同作品は、4月3日~5日に東京ビックサイトにて開催された「第3回 AI・人工知能EXPO」にて発表。ツークン研究所展示ブースにおいては、エンタテインメント業界のみならず、医療、機械、通信、人材など幅広い業界から計200社以上が来場した。CGとは気付かないほどの高いクオリティへの反響と同時に、デジタルヒューマン研究への取組みや制作工程への興味、高精度デジタルヒューマンの今後の活用方法についての意見も多く見られた。ツークン研究所は「Light Stage(ライトステージ)」を使用した3年目途のデジタルヒューマン研究実施もすでに発表しているが、今後さらなる研究開発を推進するとともに、デジタルヒューマンに関連する制作サービスも開始していく。
Toei Zukun Lab.| Making of "DIGITAL HUMAN"