長期にわたって研究と技術開発を重ねてきたPixar Animation Studiosは、フィルムのレンダリング手法に抜本的な影響力を与え、誰もがアクセス可能になるという、アカデミー賞受賞歴のあるRenderManソフトウェアの最新バージョンにおける重要な新機軸を発表した。
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■ RenderMan最新バージョンについて

この世代交代によって、RenderManはRISと呼ばれるまったく新しいモジュール式のレンダリングアーキテクチャを導入し、Progressive Photon Mapping(プログレッシブフォトンマップ、別名VCM)を伴う先進的なUnidirectional Path Tracer(一方向性パストレーサー)やBidirectional Path Tracer(双方向性パストレーサー)を含む、複数の最先端のアルゴリズムを通じて光の転送をシミュレーションするために高度に最適化された手法を提供する。
主要な機能とパフォーマンスの強化、物理ベース、アーティストが使やすいワークフロー、プログレッシブ再レンダリング、そして確立された優位性を持つ従来のREYESアーキテクチャを備えたRenderManは、最も進歩的で、多目的に利用でき、柔軟性のあるレンダリングシステムを提供しながら、1つに統合された環境下で2つのレンダリングモードを提供。絶えず進化するレンダリング技術を備えているRISは、今後Pixarがレンダリング技法を追加的に展開することができる進取のフレームワークを表している。RenderManはWalt Disney内から適用可能な高度な研究を通過する導管となり、次期リリースにおいても、DisneyのPrincipled BRDFシェーダ、およびマテリアルのサポートと共に、映像業界へと浸透していくだろう。
「今回のリリースは、完全にフォトリアルなレイトレースレンダリングをRenderManにもたらすものです」とMPCのライティング部門のグローバルヘッドであるDavid Hirst氏は述べる。「弊社の最新映画のうち1作品のプロダクションアセットを使用して検証をしてみたのですが、これらのアセットをプレビューしたりレンダリングしたりする際の速度や対話性の高さに完全に圧倒されました。RISをベースにしたインテグレータは、よりスケーラブルなレンダリングと素早い結果の出力を可能にしながら、我々の制作方法を変えてしまうでしょう」。
オープンスタンダードと実用性の発展に貢献するために、Pixarは、次期リリースに併せて、機能制限やウォーターマーク、そして期間制限のないRenderManの無償非商用ライセンスの提供を発表している。非商用RenderManは、学生、教育機関、研究者、開発者、そして個人使用の用途に、無償で提供。RenderManの新たな可能性を確認したい人は、RenderManウェブサイト上での事前登録をすること(こちらのリンクでは登録方法を日本語で紹介)。 正式リリース後にダウンロードと無料ライセンスへのアクセスが可能になる。
また、Pixarは商用版RenderManの現行バージョンの価格を56,160円[メンテナンスは22,680円/1年間]にすること、およびビルトインの「バーストレンダリング」性能を備えたカスタマイズ可能なピークレンダーパッケージの発表も行なった。次期RenderManのリリースでは、これまで別々に提供されていたRenderMan Pro ServerとRenderMan Studioの機能を柔軟なライセンスで統合し、映像制作の様々なステージにおいて、アーティストへ割り当てるライセンスとバッチレンダーアセットに分配するライセンスに対して他に類を見ない融通性を利かせることができる。

●入手時期と対応OS
新しいRenderManはSIGGRAPH 2014の頃にリリースを予定しており、以下の64ビットのOSとの互換性がある。Mac OS 10.8および10.7; Windows 8、7およびVista; Linux。Autodesk Mayaの対応バージョンは、2013、2013.5、2014、2015。Pixarの年間メンテナンスプログラムに加入すると、その期間内のサポートと無償アップグレードが提供される。詳細に関しては、インディゾーンまで連絡を。



■ 関連 URL

・ RenderMan
 http://renderman.pixar.com
・株式会社インディゾーン
 http://indyzone.jp