株式会社ドワンゴは、自社が開発したVR向け・新3Dアバターファイルフォーマット「VRM」を提供開始した。なお、4月13日(金)にサービスを開始したVRライブ・コミュニケーションサービス「バーチャルキャスト」利用時のアバターは同ファイル形式を採用しているほか、立体投稿共有サービス「ニコニ立体」にて同形式の投稿受付を開始した。

■概要

「VRM」はプラットフォーム共通のファイル形式で、対応アプリケーションすべてにおいて同じアバター(3Dモデル)データを使うことができる。これにより、生放送、動画、ゲーム、チャットなど、それぞれで存在するVR世界が繋がり、プラットフォームを超えた自由なコラボレーション実現の一助となることを目指している。なお、「VRM」形式とその標準実装(Unity対応)はすべて無料かつ自由に使用できるようオープンソースで公開される(https://dwango.github.io/vrmにてMITライセンスで提供開始)。加えて、立体投稿共有サービス「ニコニ立体」でも同形式の投稿受付を開始した。

■VRM詳細

VRやVTuberなどにおいて「キャラクターや人型のアバター(3Dモデル)」を取り扱おうとした場合、クリエイターが使用するモデリングツールによって構成や3Dデータフォーマットが異なるなど統一した取り扱いが難しく、そのため従来はアプリケーションや3Dモデルデータごとに独自のシステムを開発したり細かく調整をしたりする必要があった。こういった状況を改善し、3Dモデルクリエイターやアプリケーション側の取り扱いを簡単にするためにつくられたのが「VRM」だ。「VRM」は、"プラットフォーム非依存の3Dアバターファイルフォーマット"を提案するもの。

■特徴

「VRM」では人型のキャラクター・アバターを取り扱いやすいことが大きな特徴だ。UnityでVRMファイルを読み書きする標準実装が提供されるが、フォーマット自体はプラットフォーム非依存であるため、他エンジンや環境でも取り扱うことができる。このほか、「ネットワークに相互接続されたアバターによるVRコミュニケーション」を考えた場合、自分のアバターデータを他の人から自分の姿が見えるように他のユーザへ送信する、ということも行われることになる。この場合、従来の考え方に基づく「再配布」規定だけでは対応できない場面が考えられるため、VRMでは「モデルデータ自体に対しての改変・再配布規定(Creative Commonsなどから設定可能)」や「モデルデータを使用して「人格を演じる」ことについての許諾規定」をファイルに設定できるなど新時代のファイルフォーマットとして設計されている。

なお、今回の新ファイルフォーマット開発・提供にあたり、以下企業各社より賛同を得ている。
賛同企業一覧(50音順)
株式会社インフィニットループ、株式会社エクシヴィ、株式会社オーナカ、Gugenka from CS-REPORTERS.INC、クラスター株式会社、株式会社Psychic VR Lab、株式会社ViRD、株式会社ハシラス