ユニティ・テクノロジーズ・ジャパンは加速する国内のリアルタイムコンテンツ開発をより強くサポートするため、「Unity for 遊技機」ライセンス(EULA)を発表した。この追加ライセンスを別途受け取ることで、パチンコ、パチスロを含む国内の遊技機・アーケード筐体の開発が月額9000円で提供する通常の「Unity Pro」のサブスクリプション版で、ロイヤリティなしに利用可能になる。
■世界中で活用される最新のグラフィックステクノロジーと、コンテンツ制作環境が幅広く使用可能に
「Unity」は世界中で活用されるゲーム及びインタラクティブコンテンツの統合開発環境だ。物理ベースレンダリングやリアルタイムGIなどといった最新のグラフィックスが利用出来ながらも、2D/3Dを問わず幅広いコンテンツの開発が可能だ。AAAゲームを開発する大手企業から個人にいたるまで、モバイル、VR/AR、コンソールゲーム機などを問わず世界で最も利用される開発環境のひとつで、その使用作品は世界各国の数々の権威ある賞を受賞している。
「Unity for 遊技機」ライセンス(EULA)は、「Unity Pro」の通常版のEULAに追加付与される形で提供される。パチンコ、パチスロを含む国内の遊技機・アーケード筐体の開発を行いたい開発者は、ユニティ・テクノロジーズ・ジャパンから別途「Unity for 遊技機」の利用者許諾を受ける必要がある。なお、生産台数が1000台以下の組み込み機器については、今まで通り通常の「Unity」のEULAにて許諾されており、別途許諾を受ける必要はない。
「Unity for 遊技機」ライセンス(EULA)は、特に対象プラットフォームに対する特別な制約はないが、ハードウェアが対応するプラットフォームがAndroidの場合は別途「Unity Android Pro」アドオンライセンス(月額9000円)も必要となる。また、「Unity」でレンダリングされたグラフィックスを単にムービーとして利用したいという場合は、「Unity for 遊技機」ライセンスを別途取得する必要はないとのこと。
■「Unity for 遊技機」ライセンスのEULAにおいて許諾されるものは以下のとおり
・日本国内にて販売・および設置されるパチンコ、パチスロを含む遊技機のコンテンツの開発(アーケードゲームを含む)。・このライセンスの許諾を受けるには、サブスクリプション版の「Unity Pro」を利用する必要がある。
・月額のサブスクリプション費用のみでコンテンツの配信まで可能。ロイヤリティは発生しない。
・「Unity 5」を含む最新版の「Unity」を利用できる。
・このライセンスは特別なバージョンのランタイムソフトウェアを提供するわけではなく、通常の「Unity」のランタイムを対象とする。
・このライセンスではソースコードおよびサポートは提供されない。ソースコードおよびサポートが必要な場合は別途購入が必要となる。ソースコードおよびサポートの取得については別途問い合わせのこと。
・日本国外のカジノ等で使用される賭博用のコンテンツ開発には本ライセンスは利用できない。「Unity Gambling License」を別途購入する必要がある。こちらを参照。
「Unity」の国内遊技機向けのライセンスの発表について、組込みゲーム機向けに積極的にリアルタイム3Dコンテンツのソリューションを開発する AMDエンタープライズシステムビジネス事業部コーポレート・バイスプレジデントScott Aylor氏は下記のコメントを寄せている。
「我々は、Unity様による今回の発表が、パチンコ・パチスロを含む日本のアミューズメント市場における3Dコンテンツの急速な拡大につながると期待しております。3Dグラフィクスとゲーミング技術のリーダーとして、AMDは、多くのゲームタイトルでUNITY様との長いパートナーとして活躍してまいりました。AMDの技術は、すでに遊技機市場に導入されております組込み向けRシリーズAPUと共に、今後も世界で多くの先進的な3Dゲームをけん引し、高精細でリッチな3Dグラフィクスを実現する3D演算能力を提供してまいります」。
■「Unity CAD Importer」でパチンコ・パチスロのシミュレーター作成や開発をスムーズに
・CADインポート・ポリゴン削減
・メッシュ自動分割
・メッシュ自動修正
ユニティ・テクノロジーズ・ジャパンは先日「Unity CAD Importer」を発表し、製造業での主要フォーマットであるIGESファイルを「Unity」にスムーズにインポート出来るパイプラインの提供を開始した。「Unity CAD Importer」を併用することにより「Unity」を活用したシミュレーターの開発などをより一層スムーズに行うことが可能になる。「Unity CAD Importer」は現在アルファー版を無料で試せる。詳しくは「Unity CAD Impoter」のWebサイトを参照。
■「Alembic」や「OpenEXR」への対応も開発。CGコンテンツのパイプラインとしても活用出来るソリューションに
さらに、ユニティ・テクノロジーズ・ジャパンでは国内でコンピューターグラフィックスを先導するマーザ・アニメーションプラネットと協力し、映像産業でのスタンダードなフォーマットである「Alembic」のインポート/エクスポートや「NUKE」等でのポストプロダクションを意識した「OpenEXR形式」でのフレームバッファ・エクスポーターも開発。ハイエンドCGのためのソリューションとしても活用できるソフトウェアとして進化を続けている。「Alembic」インポーター/エクスポーターや「OpenEXR」はMITライセンスにてオープンソースで提供、誰でも自由に活用できる。
・Alembic Importer/Exporter
・FrameCapturer
・「Unity for 遊技機」ライセンス問い合わせフォーム
※問い合わせ概要を「Unity のライセンス購入や EULA に関する問い合わせ」とすること。