映画やアニメ、ゲームなどの制作で頻繁に利用される国内のモーションキャプチャ・バーチャルプロダクション・ボリュメトリックキャプチャスタジオをリストアップし紹介する本連載。スタジオごとに面積や設備、料金や実績などの基本スペックと、独自の技術やサービス、コンセプトなどのPRポイントをまとめた。モーションキャプチャ・バーチャルプロダクション・ボリュメトリックキャプチャスタジオを探す際にぜひ活用してほしい。

第9回は、ボリュメトリックビデオスタジオ-川崎を紹介する。

記事の目次

    運営

    キヤノン

    〒212-0015 神奈川県川崎市幸区柳町70-1
    03-3758-2111
    vvs-k@mail.canon
    global.canon/ja/vvs


    3Dデータで映像制作の可能性を広げる

    キヤノンは2020年のボリュメトリックビデオスタジオ開設以来、テレビ番組、CM、MV、ライブ配信など多岐ジャンルに渡るお客様とご一緒に映像制作をさせていただいています。ボリュメトリックビデオとは、被写体を周囲360°に設置された複数のカメラで撮影し、丸ごと3Dデータ化する技術です。被写体をリアルなままCGの世界へ持ち込むことで、2D(自由視点映像)から3D(AR、バーチャルライブ配信、フィギュア)まで多彩な用途でご利用いただけます。

    ドラマ『スタンドUPスタート』/撮影協力
    • 能楽『葵上』/映像制作
    • タイトルムービー/撮影協力
    プロモーションビデオ『グランドスラム東京2022』/撮影協力(スポーツ庁 令和4年度スポーツ産業の成長促進事業「スポーツ×テクノロジー活用推進事業」にて作成)

    <制作実績>

    (映画) → 有
    (ドラマ) → 有
    (CM) → 有
    (MV) → 有
    (生配信-TV)→ 無
    (生配信-ネット)→ 有


    <スタジオSPEC>

    (種別) → ボリュメトリックキャプチャ
    (カメラ)→ 4K 60fps専用GSカメラ×154台
    (照明機材 )→ 有り
    (使用ツール)→ Unreal Engine、Unity、Blender、Holo Suite
    (広さ)→ スタジオ:縦14.73m×横20.15m×高さ4.25m、撮影エリア:縦8m×横8m×高さ3.5m

    <POINT1>三方よしのボリュメトリックビデオ

    被写体の演技を丸ごと取り込むボリュメトリックビデオでは、カメラワークは後から自由に付けることができるので、撮影自体は演技OKであればすぐに終了できます。実際の撮影では「もう終わり?」の声が聞こえることも。演者、撮影チームの負担が減り、制作チームはベストなカメラワーク調整を含めた後編集の時間が確保できます。また3Dデータ生成はリアルタイムに行えるため、撮影直後の映像確認でお待たせすることもありません。

    <POINT2>業界最大級の撮影エリア

    当スタジオの撮影エリアは、縦8m×横8m×高さ3.5mと業界最大級です。動きに幅のあるアクションシーンやファッションショー、多人数のダンスや音楽バンド、スポーツのワンシーンなども一度に撮影していただけます。動きや人数にできるだけ制約のない撮影によって、違和感のない自然な演技と共に、ボリュメトリックビデオならではのダイナミックな映像表現を実現してほしいと思い、このような大きさにしました。

    <POINT3>実写3Dならではのユースケース

    “実写” 3Dデータはガヤ撮りやプリビズ制作にもお使いいただいています。ガヤ撮りは、現実では大量のエキストラや衣装準備など時間と費用がかかりますが、当スタジオで数人だけ撮影して3Dデータを用意すると、これを増やすだけで簡単にガヤが制作できます。また一度演技の3Dデータを制作すれば、カット構成、カメラワーク検討の材料が揃うので、制作物のイメージを現場全体へ共有するプリビズ制作にも活用していただけます。