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Scene.1:基地偵察

Scene.1:基地偵察

AnimationCafeにて活動中の今川真史氏が解説する本誌の連載と連動して、メイキング動画とコラムをお届けする。

TEXT_今川真史 / Masashi Imagawa(AnimationCafe
EDIT_斉藤美絵 / Mie Saito(CGWORLD)、小村仁美 / Hitomi Komura(CGWORLD)

作品をより客観的に見るために放置する

はじめまして、今川真史と申します。本誌で連載中の「NEO ACT」というショットワークの連載のこぼれ話やその回の作品テーマ、最近観た映画や雑談など、連載のおまけとして、Web向けにコラムをスタートすることになりました。よろしくお願いいたします。

第1回は「基地偵察」というタイトルの作品を制作しました。いつも自分は長くても1ヶ月くらいで完成させるのですが、この作品の制作には2ヶ月ほどかかっています。と言っても、2ヶ月間ずっと作業していたわけではなく、もちろん、つくることが嫌になったわけでもなく、作品をより客観的に見るために放置していました。

元となった実写素材

手前の人物が地面の大きな穴を覗き込んでいる初期の構図

この作品は当初、基地ではなく手前の人が地面に空いた大きな穴を覗き込んでいる構図でした。その構図でひと通り仕上げてNUKEのコミュニティにアップし、シニアレベルのアーティストの方々にご意見を伺いました。自分としてはCGの馴染みが良くないなど、コンポジットの技術面でご指摘をいただくと思っていましたが、もっと基本的な構図について「全体的に空間が詰まっているので、抜けをつくってみたら良くなる」とのご意見をいただいたのです。自分はCGの馴染みばかりを気にして作品を客観的に広く観られていないと思い、一度全てを消して時間を置き、またイチからつくり直しました。ご指摘いただいた通り、空の抜けと山のレイヤー感など、空間を意識すると画面の中の世界が広がり、見ちがえるほど良くなりました。

今回は自主制作なので作品を放置する時間がありましたが、仕事は納期があるので、最短時間で客観的に画を遠くから広く観られる力を伸ばしていかないといけません。まだ自分は大学を卒業したての未熟者で、勉強しなければいけないことが沢山あります。現場のプロの方は限られた時間の中で90点を安定して出し、ここぞというところで120点を出す印象なのですが、自分は限られた時間の中で120点を目指すあまり、30点を出してしまい、急いで修正して結果60点になってしまうようなことがあり、まだまだ経験不足だなと思いました。仕事で100点を出すためには、普段から自主制作で200点出せる実力が必要なのです。

Base Reconnaissance from Masashi Imagawa on Vimeo.

Profile.


  • 今川真史/Masashi Imagawa(AnimationCafe)
    AnimationCafe VFX/ゼネラリスト

    京都造形芸術大学キャラクターデザイン学科卒業。大学1年次に受けた授業をきっかけに、ほぼ独学で3DCGを学ぶ。自主制作作品『THE SEABED』でKLab Creative Fes'17動画部門グランプリ受賞
    www.artstation.com/masashivfx321



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