日本の11月は、別名「霜月」とも呼ばれます。何かで偶然見た「Bubble Frost」が今回のモチーフです。
※本記事は月刊「CGWORLD + digital video」vol. 268(2020年12月号)からの転載となります。
TEXT_早野海兵 / Kaihei Hayano(画龍)
EDIT_三村ゆにこ / Uniko Mimura(CGWORLD)
Method 1:記憶
今号でCGWORLD(月刊誌)での連載は終了となります。20年というとてつもなく長い間にわたり本連載を読んで応援してくれた皆様、本当にありがとうございました。そして支えて下さったスタッフの皆様に、心より感謝申し上げます。20年の連載で心がけていたことがたくさんあります。
・言葉よりイメージ
・CGも絵であること
・できるだけ簡単簡潔にシンプルに
・難しく伝えない
・あえてパラメータを伝えない
・読む側の立場に立って考える
・「今」ではなく「もっと先」に必要なことを
・常に新しい試みを
・納期は絶対に守る
・1本も休載しない
ひとつひとつの出会いを大切に、これからもCG業界の発展を祈っています。
Method 2:モデル
▲最後にふさわしく、 最も単純でプリミティブな球体からスタートします
▲作成方法については、試行錯誤の上で手描きに落ち着きました
▲アナログとデジタル。筆者が長年テーマにしていることです
▲手描きで作成したシェイプをインスタンスで全体に配置
▲テストレンダリング
Method 3:ゼネラリストの強みを活かしたシーン作成
1:奥からの光
▲奥からの光がほしくてHDRIを反転して使用しています
▲ライティングが暗すぎるため、サイドから補助光を足しました
▲最終的に3つのモデルを並べて配置
▲背景は氷の地面。中まで作成
▲氷の破片を作成して表面にまぶしました
2:「合成」の考え方で
▲まずは背景を読み込みます。今回は、別々のシチュエーションで作成する場合における「合成」の考え方です
▲Frostを読み込みます。環境がちがうので浮きまくっていますね
▲主役であるFrostよりも、背景の色を合わせます。特に、白と黒の部分を合わせるのがポイント
▲下地を合わせたら光を重ねていきます
▲全 部重ねたところで最後にカラコレです。カラコレは個別に行うと制御が難しいので最後に
▲フィニッシュは被写界深度とフレア