『Fate/Grand Order Arcade』(以下、『FGO Arcade』)では取材後も続々と新しいサーヴァントがリリースされています。さらにスマホ向けゲーム『FGO』では第2部 第6章が開幕し大きな盛り上がりを見せています。イラスト再現度が高いと評判のサーヴァントたちがどんなプロセスでつくられたのか、今回は宝具(必殺技)演出を中心に、現場の声をお届けします。なお、本記事の「PART1」はこちらでご覧いただけます。
※本記事は月刊『CGWORLD + digital video』vol.276(2021年8月号)掲載の「キャラつく!『Fate/Grand Order Arcade』PART2」を再編集したものです。
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information
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『Fate/Grand Order Arcade』
開発・運営:セガ
ジャンル:英霊召喚チームバトル
大好評稼働中
©TYPE-MOON / FGO ARCADE PROJECT
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左から、キャラクター制作班リーダー・橿本浩一氏、デザインリーダー・鎌田絢美氏、モーションディレクター・西口智之氏、プランナー/アニメーション総合演出・髙部元志氏(以上、セガ)
※本記事の取材は、ビデオ会議システムを使って実施しました。
多くの言葉を交わす。正確な言葉で伝える。
——安堂ひろゆき(以下、安堂):宝具演出の制作期間と、おおまかなながれを教えていただければと思います。
西口智之氏(以下、西口):期間は3〜4ヶ月くらいとっていて、資料を集めつつチーム内の各班とミーティングをして方向性をすり合わせ、絵コンテをつくります。それをTYPE-MOONさんとラセングルさんに監修していただき、OKであればアニマティクスを作成し、実制作というながれになります。アニマティクス以降も、要所で監修をご依頼します。アルトリア・ペンドラゴン(ランサー)の宝具演出の場合は、提出した絵コンテに対して、構図の変更依頼をいただきました。アルトリア(ランサー)がやることはスマホ向け『FGO』の宝具演出から大きく変わっていないのですが、同じ攻撃でも3D的なアングルがつくと印象が変わります。「なるほど。こういう方向性か」ということで、依頼に合わせて仕上げました。
——安堂:変更依頼の内容が、かなり詳細ですね。
西口:はい。ただ、そのまま再現するのは難しかったので、変更依頼にすり合わせた感じのアニマティクスをつくり、再提出しました。初回のアニマティクスだと、アルトリア(ランサー)を乗せた馬が飛び上がるシーンで、馬の脚がパカパカと空中を駆けていたんです。でも、「ここでは脚を動かさないでください」という指示があり、飛翔している感じになりました。
——安堂:宝具演出の場合、モーション、演出、カメラ、エフェクトなど、いろいろな班があると思います。どうやって各班の連携をとっているのでしょうか?
西口:基本的にモーション先行で、モーション班がカメラも担当しています。モーション班の作業が終わったらエフェクト班に引き継ぎますが、同じミーティングに出席し、一緒に検討していきます。細かい調整、SE(効果音)の依頼などは高部が担当し、仕上げていく感じです。
髙部元志氏(以下、髙部):週に1度、宝具演出の関係者を全員集めて、絵コンテを見ながら、「このカメラワークだと、モデルが埋まっちゃうよね」「この角度から映すと見映えがよくないなぁ」といった課題を洗い出します。そこでビジョンを共有できたらアニマティクスを作成しますが、カット割りやカメラは担当者が気持ち良いと思うタイミングで設定してもらいます。それを全員で見て、「ここでSEがかぶっちゃうからずらそう」「3Dだから、もうちょっとカメラが回り込めるんじゃない?」といった意見を出し合い、修正したものも全員で見ます。「ヨシ!」となったら、エフェクトやSEの工程に進めますが、モーション班からエフェクト班、エフェクト班からSE班というような、ウォーターフォール型の綺麗なかたちではなく、オーバーラップするような感じで進行するケースが多いですね。
——安堂:監督が細かく指示を出す映像系のような進め方ではなく、現場と一緒につくる感じなんですね。
髙部:僕の肩書きは監督に近いものですが、各担当者に多くを委ねていますね。アニメ的な表現の引き出しをもった百戦錬磨のスタッフが多いので、ある程度までは良い感じに仕上げてくれます。
——安堂:絵コンテと完成映像の情報量は大きくちがうので、埋めないといけないものが多々あると思いますが?
髙部:そうですね。どれだけ多くの言葉を交わすか、正確な言葉で伝えるかっていうことでしかないです。実際、初期の頃はかなり時間をかけてすり合わせていました。量産体制に入ってからは、「これは、あのパターンでいけるよね」というように短時間で話が通じるようになっています。
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上のA案、B案の提出後に受け取った構図の変更依頼の参考資料
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アニメやスマホ向け『FGO』から良い演出を吸収
——安堂:宝具演出には専用のキャラクターやプロップ、背景などが多数登場しますが、特に大変だったものはありますか?
西口:モードレッドの第1段階では、宝具を打つときに兜が変形して外れる演出が入ります。第2段階以降は最初から兜を外していますが、第1段階までは兜で顔を隠しているんです。それが外れた結果、宝具を撃てるというのが重要なポイントなので、アニメの『Fate/Apocrypha』では兜が外れるすごく良い演出が入っていました。設定資料でも、兜が外れるときの各パーツの変形具合が細かく解説されていたので、TYPE-MOONさんにコメントをいただきつつ「『FGO Arcade』でも、やるか!」となって、キャラクター制作班に変形用モデルをつくってもらいました。ゲーム用モデルはプログラムで制御する特殊なデータで、変形はできなかったんです。だから変形用モデルを別に用意して、兜の各パーツにアニメーションを付けて、さも変形しているかのような演出にしました。兜が外れてカットが切り替わるタイミングで、ゲーム用モデルに差し替えています。
——安堂:サーヴァントごとにファンの思い入れがあるでしょうから、設定とちがうことはできないし、難しいですよね。
西口:先行してアニメ化されている場合は、その演出が気になりますね。アニメによってファンの間でイメージが定着している場合は、近い演出を目指します。『FGO Arcade』が先行していれば、自分たちのイメージでつくれるんですが(笑)。レオニダス一世の宝具演出は『FGO Arcade』の方が先行しており、後日つくられたアニメの宝具演出は近い感じになっていたので嬉しかったです。
——安堂:『FGO Arcade』が先行するケースもあるんですね。
西口:『FGO Arcade』で3Dの宝具演出をつくった後に、スマホ向け『FGO』がアップデートのタイミングで近い宝具演出に差し替えてくださることもあります。『FGO Arcade』がスマホ向け『FGO』の宝具演出に合わせるケースもありますが、その逆のケースもあって、これも嬉しいですね。
髙部:『FGO Arcade』の演出を認めてもらえたのかな、みたいな嬉しさがありますよね。
——安堂:お互いに影響を与えあってるみたいな感じがあるんですね。
髙部:良い演出はお互いに吸収しましょう、という感じなんだろうと思っています。「こんなすごい演出にしてくれちゃって。再現が大変だけど、やってみるか」みたいな、愛憎入り混じる感じかなと。
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ひとつずつ動きを再生し、衣装の貫通などを回避
——安堂:2018年7月のサービス開始から現在までの間に、映像がどんどん進化してきたように感じます。新しくできるようになったことはありますか?
西口:システムを改良したことで、強化段階に応じてモデルのパーツを入れ替えられるようになりました。モードレッドの兜の変形は力技で乗り越えましたが、その後につくったクー・フーリン〔オルタ〕やイリヤスフィール・フォン・アインツベルンの宝具演出では、改良後のシステムを活用しています。例えばイリヤスフィールの場合だと、最初は学校の制服を着ていますが、宝具を打つときには魔法少女に変身する必要があったので、このシステムが役立ちました。
——安堂:揺れものが多いサーヴァントもけっこういますが、どのように制御しているのでしょうか?
西口:基本的に物理シミュレーションで動かしており、キャラクター制作班が設定しています。ただ、物理シミュレーションだけでは制御しきれないので、キーフレームアニメーションで調整できるシステムを追加してあります。物理シミュレーションとキーフレームをブレンドして、良い感じの見え方になるよう調整しているんです。例えばエリザベート・バートリーやクー・フーリン〔オルタ〕の尻尾攻撃は、そうやって制御しています。衣装によっては破綻しやすいものもあるので、キャラクター制作班が細かく調整してくれています。
橿本浩一氏(以下、橿本):モーション班が付けた動きをひとつずつ再生して、破綻している部分に特殊なパラメータを入れ、回避していくという感じですね。例えばBB(水着)の第3段階の袖は手元にいくほど大きく広がっていて、腕を動かすと周囲に貫通しまくったので、ボーンにスケールをかけて微妙に小さくすることで破綻を回避しています。
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上はエリザベート・バートリー(第3段階)の尻尾攻撃。物理シミュレーションとキーフレームアニメーションをブレンドし制作された演出
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上はクー・フーリン〔オルタ〕(第1段階)の尻尾攻撃。物理シミュレーションとキーフレームアニメーションをブレンドし制作された演出
内製ツールでフェイシャルの作業を高速化
——安堂:フェイシャルが丁寧で、格好良く動いていると感じました。どのように付けているのでしょうか?
西口:基本的には手付けで、内製ツールを使っています。イラストレーターさんが描いた表情集を基に、キャラクター制作班にフェイシャルのパーツを用意してもらい、ブレンドシェイプで動かしています。その作業を高速化してくれるのが内製ツールで、制御用のトラックが5つあります。最下段のトラックにセリフのテキストをコピペすると、口のパーツがそのテキストの発音に合わせて自動的に変形します。調整は必要ですが、ある程度のかたちにはなってくれますね。眉毛、マブタなどのパーツも、ほかのトラックで制御します。
——安堂:効率良く作業できそうですね。
西口:すごく動作が軽いので、高速に作業できます。このツールを使えば、1日に100ワードくらいの口パクと、それに合わせた眉毛やマブタの動きを付けられます。ほかの手段でブレンドシェイプのアニメーションを付けようとすると、何倍もの時間がかかると思います。
——安堂:すごい。ホーム画面でも、サーヴァントをタッチすると動きながらセリフを喋ってくれますが、あれはどのくらいの日数で?
西口:口パクとざっくりしたフェイシャルだけなら、ほぼ1日です。宝具演出のフェイシャルは、8割方このツールでつくってからMayaに移行し、さらに調整しています。
——安堂:宝具演出の場合、かなりしっかり決めゼリフを喋りますよね。その口パクも、このツールで付けているのでしょうか?
西口:そうです。作業画面に表示された音声の波形を見ながら、タイミングは全てこのツールで設定しています。
——安堂:先ほど、つくったデータをMayaに移行して調整すると話していましたが、このツールは独立したものなんですね。
西口:はい。このツールは『FGO Arcade』用に用意したものではなく、『初音ミク Project DIVA Arcade』の開発時につくったものなんです。尺が2〜4分くらいある歌に合わせて口パクを付ける必要があり、当時は別のしくみで企画が口パクを担当し、口から上の表情はモーション班が担当していました。でも、口パクと表情を合わせるのが大変で、このツールが開発されたんです。
髙部:「ま・み・む・め・も」などの発音の場合は、自動的に口を一瞬閉じてくれるという優れものです。
西口:はい。「パパ」「ママ」などの破裂音のテキストを入力すれば、自動的に口を閉じるしくみも入っています。
——安堂:テキストの発音に合わせてパーツが切り替わるだけじゃなくて、破裂音に合わせたアニメーションも付けてくれるわけですね。最下段のトラックのテキストと、その下の音声の波形を解析して、口パクを付けているのでしょうか?
西口:実際には、テキストを入力しなくても、音声の波形のみで自動的に口パクを付けるフルオートの機能もあります。ただ、その場合には精度が落ちます。ちゃんとやるには声優さんごとの発音を解析した設定をつくる必要があるんですが、各声優さんの発音に合わせた設定を用意するのは難しいので、自分たちでセリフのテキストを入力し、調整した方が早いですね。
——安堂:ゲーム開発に特化した、すごいツールですね! ほかに、フェイシャルでこだわったところはありますか?
西口:キャラクター制作班のこだわりになりますが、アタランテの泣き顔はちゃんと涙の雫が出てくるようになっていて、びっくりしました。
橿本:スマホ向け『FGO』の泣き顔のイラストに涙が描かれていたので、そのまま再現しています。ほかにも、クロエ・フォン・アインツベルンは目の中にハートが描かれた表情があったので、通常時は隠しておき、ブレンドシェイプで出せるようにしました。
——安堂:イラスト再現に対するこだわりが徹底していますね。
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フェイシャル用の内製ツールの作業画面。右側の縦長のウインドウに表示されているのはキャラクター制作班がつくったフェイシャル用のパーツ。mlaugh(笑った口)、manger(怒った口)、msad(悲しい口)、mtere(照れた口)、mshout(叫んだ口)、mpain(痛い口)などのパーツが並んでいる
各々の魅力を伝えられるのも宝具演出の醍醐味
——安堂:先ほど(PART 1で)オススメのサーヴァントを伺ったので、オススメの宝具演出もおひとりずつ教えていただけますか?
西口:葛飾北斎(フォーリナー)の宝具演出ですね。水の動きやエフェクトは絵コンテで表現できるものではなかったし、アニマティクスの段階でも水の代わりにペラペラのポリゴンの板が置いてあるだけだったんです。その空間で、どれだけ動きのある水を表現できるかは担当者の想像力に委ねられていて、つくる前から大変なのはわかっていたんですが、とっても良いセンスで仕上げてくれました。
髙部:モデル、ステージ、モーション、カメラ、エフェクト、SEと、全パートがすごく噛み合った事例ですね。
西口:強化によって姿が変化する度にモデルもモーションも変わるので、その整合性もとらなきゃいけなくて、大変だったと思います。
鎌田絢美氏(以下、鎌田):マーリン〔プロトタイプ〕の宝具演出は、2D班の作業も発生した珍しい事例ですね。プロトマーリンの右眼にカメラが吸い込まれるカットが次のカットに上手くつながるように、花びらの動きを1フレームずつ調整しました。
髙部:オススメはいっぱいあります。両儀式(セイバー)の宝具演出は本当に綺麗に仕上がっていて、ピン送りと、刀の鋭さを表現する高周波のキーンという音が地味に効いていました。ただ、個人的に一番思い入れがあるのは初期につくったファントム・オブ・ジ・オペラの宝具演出です。宝具演出をつくり始めた時期に手がけたので、どれだけのカロリーを割くのが適正なのか誰もわかっておらず、結果的にコストをかけ過ぎてしまいました。とはいえ、いろんなサーヴァントにスポットを当てて、各々の魅力を伝えられるのも宝具演出をつくる醍醐味のひとつだと思います。上手くスポットを当てられたときは「ちょっと、どう? 見てみてよ」っていう気分になりますね。
西口:ファントム・オブ・ジ・オペラの場合は、スマホ向け『FGO』の宝具演出からイメージを広げたんですよね。パイプオルガンのような巨大演奏装置の一部が描かれていたので、『FGO Arcade』ではその全体像をつくることにしました。
髙部:僕は個人的にミュージカルが好きで、何度も観に行っていることもあって「パイプオルガンは立体化して、ちゃんとふいごで動かそう」と提案しました。やりすぎたかなと思うくらい、こだわりましたね。
橿本:浅上藤乃の橋が壊れる宝具演出は格好良いと思いました。特別なSEがながれて、中二病心をくすぐられて、印象に残っています。
髙部:ああいう固有結界ものは、けっこうカロリーがかかるんですよね。
西口:「倒される側のサーヴァントはどこにいるの?」「どうやってダメージが入るの?」ってところから、悩みますよね(笑)。
髙部:「概念です」みたいな(笑)。ファントムのパイプオルガンや、浅上藤乃の橋のように、その宝具演出でしか使わないけど、つくらなきゃいけないものはたまにありますね。マルタのタラスク(竜)もひっぱたいて飛ばすだけだったんですが、つくらないと成立しませんでした。
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葛飾北斎(フォーリナー)の宝具演出のアニマティクス。この段階では、水の代わりにポリゴンの板が配置されている
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ユーザーの手元に末永く残るモノをつくりたい
——安堂:僕は昔ゲーセン小僧で、アーケードゲームに憧れてゲーム業界に入ってきたのですが、時代と共にそのあり方は変わってきていると思います。『FGO Arcade』の「アーケードゲームならでは」の魅力や、これからのアーケードゲームについて、最後にひと言ずついただければと思います。
橿本:『FGO Arcade』の魅力のひとつは、筐体からセイントグラフや概念礼装の物理カードが出てきて、コレクションできる点にあると思っています。そういった、コンシューマゲームにはない体験型の楽しみ方を、これからも追求していきたいと思っています。
鎌田:スマホ向け『FGO』のカードを直接手にできるという体験にこだわって、色味まで含めて再現しています。かなりコレクション要素の高いイベントも開催しているので、ぜひゲームセンターで物理カードを手に取っていただきたいです。
髙部:筐体に物理カードを挿すとサーヴァントが召喚できるので、リアルなマスター体験を楽しめると思います。
——安堂:当社では、『オトカドール』(2015年稼動開始)というアーケードゲームのデザインやモデル制作をさせていただいたことがありました。ゲームセンターなどの場所や、物理カードなどのモノとつながるからなのか、覚えてくださっているユーザーさんがすごく多いんですよね。
髙部:当社でも『オシャレ魔女♥ラブandベリー』(2004〜2008)を復活させてほしい、という声を今もたくさんいただきます。
鎌田:『FGO Arcade』の場合も、ユーザーさんの手元に末永く残るモノをつくっていきたいという思いが開発当初からありましたね。
西口:アーケードゲームに限定した話ではありませんが、自分が関わったゲームのモーションを参考にして、「このモーションをつくったんです」といった話を聞けると嬉しいなという思いがあるので、見た人に何らかの影響をおよぼせるような仕事をしていきたいです。
——安堂:「モーションを目指す人は少ない」って話をよく聞きますけど、実際にはすごく楽しい仕事だと思います。
西口:モーション志望者って、探してもいないことが多いですよね。僕の場合は、キャラクターのモデルをつくってみたときに、「動かしたい」と思ったんです。モーションだったり、カメラワークだったり、動いているものが好きみたいです。
髙部:アーケードゲームのつくり手には、すごく難しい宿題が投げられている時代だと思います。僕のキャリアはアーケードゲームから始まっており、僕自身、アーケードゲームが好きです。時代が変わっても、アーケードゲームが本来もっている魅力が損なわれたわけではないと思っています。その場に行って何かに触れる感動であったり、何かをコレクションする満足感であったり、隣で遊んでいる人と一緒に盛り上がれる興奮や熱狂だったりは、アーケードにしかないものだと思います。そういった底力を信じたいという気持ちがありますね。ロケテストに参加すると、「バグが出ないか、そっぽ向かれないか」とヒリヒリするんですが、ユーザーさんが喜んでくれていると「ヨッシャ」という嬉しい気持ちになります。このコロナ禍の中で楽観視はできませんが、アーケード文化は続いていってほしいと願っています。
インタビューを終えて
ゲームセンターのあり方は時代と共に変わってきましたが、何かを体験した場所やコンテンツは思い出に残りやすくて、インタビューを通して僕もゲーセンでの思い出がいろいろと蘇ってきました。当社が手伝わせていただいたセガさんの『StarHorse4』(2019年稼働開始)のロケテストを見学したときには、ユーザーさんが喜んでいる姿を直接見ることができ、僕も「ヨッシャ」という気持ちになりました。
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月刊『CGWORLD +digitalvideo』vol.276(2021年8月号)
INTERVIEW & TEXT_安堂ひろゆき(フライトユニット)/Hiroyuki Ando
EDIT_尾形美幸(CGWORLD)/Miyuki Ogata、中川裕介(CGWORLD)/Yusuke Nakagawa