9/16(土)に開催するBlender Fesに先駆けて、CGWORLDとしては初のBlenderユーザー向けアンケート調査を行った。アンケート項目としては、年齢、現在の立場、3DCG歴、Blenderの用途や学び方など幅広い項目を設けた。
募集期間はわずか1週間にも関わらず、444件の回答をいただき、これまでのCGWORLDリサーチ企画の中でも最大母数の調査となった。
Blender利用者はもちろん、これから3DCGを始めようとしている読者にとっても有益な情報となるはずだ。

記事の目次

    <アンケート方法について>
    本記事は下記の要領にて実施したアンケートの結果に基づいて構成しています。
    ●アンケート回収期間:2023年8月24日(木)~8月31日(木)
    ●募集方法:CGWORLD.jpニュース記事、CGWORLDメールマガジン、twitterにて
    ●アンケート対象:Blenderユーザーの方であれば誰でも
    ●アンケート回答特典:回答者のうち抽選で20名様を9/16(土)開催の「Blender Fes」に無料招待!
    ●有効回答数:444件

    Q1.年齢について教えてください

    まずはBlender利用者の年齢分布を見ていこう。10代、20代、30代、40代、そして50代以上の区分で見ると、20代の回答が37%と最大比率となったが、年代による極端な偏りはみられず、どの世代にも幅広く利用されていることがわかる。

    Q2.現在のお立場について最も近いものを教えてください。

    次に回答者の立場を見ていこう。まず、プロ・アマで比較すると、Blenderユーザーの約60%がアマチュアであるという結果となった。さらに、アマチュアの中でも3DCGを教育機関で学んでいるのはわずかに全体の10%であり、全体の50%を占めるアマチュアユーザーは、独学でBlenderにトライしているようだ。
    また、プロユーザーは全体の約40%を占めているが、その内訳として、3DCGコンテンツを制作する企業に所属しているプロは26%、フリーランスとして3DCGコンテンツを制作しているプロは13%と、およそ2:1の比率となった。2023年7月実施のCGWORLDの読者アンケートによれば、プロユーザーにおけるフリーランスの比率は全体の24%なので、フリーランスにおけるBlenderの使用比率はやや高いと言えるだろう。

    Q3.3DCG歴とBlender歴

    ●3DCG歴

    ●Blender歴

    次に3DCG歴およびBlender歴について見ていきたい。まず3DCG歴については、3年未満のユーザーが63%、3年以上のユーザーが37%となった。続いてBlender歴について着目すると、使用歴3年未満のユーザーが80%を超える結果となった。回答全体で、1年未満のユーザーが約40%、1年~2年のユーザーが28%を締める。Blenderをきっかけにこの数年で3DCGを始めたプレイヤーが非常に多いことが伺われる。 
    弊誌の取材では、他分野から進出してきたクリエイターたちの多くが、コロナを契機に新たなスキルとして3DCGを身に付けたと答えており、今回のデータはそれらの発言を裏付けるものとなっている。また、そんな新規参入クリエイターたちの多くが、Blenderを入り口として新たなコンテンツの担い手になっていることもうかがえる。

    Q4.Blenderの用途は?当てはまるものすべて

    次に、Blenderの使用用途について伺った。なお、この項目は複数回答方式である。
    回答で最も多かったのは「個人の作品制作」であり、全体の90%がここに該当する。
    アマチュアユーザーが全体の60%を占めるので、この項目が多くの回答を集めるのは当然とも言えるが、90%という高い得票率は、アマチュアユーザーのみならず、多くのプロユーザーが、普段の仕事以外の個人的な作品制作にBlenderを活用していることを示している。
    また、現在仕事にBlenderを使っていると回答したのは44%であり、先述の「現在の立場は」という項目のアンケートでの全体のおよそ40%がプロユーザーという結果と、その割合はほぼ一致している。
    さらに、就職活動にBlenderを使っていきたいと回答したユーザーも約20%いることに注目したい。CGWORLD JOBSでも「入社時点でのツールの種別は問わない」とする企業もあるので、Blenderでまず3DCGに慣れておくことは意義のあることだと言える。

    Q5.普段どのようにBlenderを学んでいますか?

    Blenderの学習方法については、自由回答方式ながらも、およそ70%を超える回答が「YouTube」に集中した。場所を選ばない手軽さ、無料であること、さらに動画で実際に作業画面を見ながらの学習効率の高さが人気の理由であろう。
    また、Coloso.やUdemyといった、有償のビデオチュートリアルを上げる回答者も多かった。有償とはいえ気軽な価格帯であることや、YouTubeと同じくオペレーションを逐一学べる動画教材である点が好まれているようだ。

    Q6.Blender をはじめたきっかけは?

    最後に、Blenderを始めたきっかけについて、こちらも自由回答方式で伺った。その中から興味深い回答をいくつか紹介したい。

    「美術系の大学2年の頃、映像制作を一人でやりたいという意思」「イラスト制作の表現の幅を広げるため」「フィギュアを作ってみたくて」「オリジナルキャラを3D化したくて」「高校の文化祭でVOCALOIDLIVEを再現したかった」「vroidのアバターにオリジナルの服を着せたかったから」「ジュエリー」「自主制作映画のエンドクレジットを作るため」「漫画の背景作成を効率化するため」「コスプレ写真の合成用として」といったように、その内容は多岐に渡るものの、まず自分のやってみたいことがあって、そこから逆算してBlenderを始めたという回答が非常に多かった。やはり何か明確な目的があったほうが、上達も早いものと思われる。また、それぞれが目指すものの多様さも特徴的であり、Blenderが様々な分野のクリエイティブに活用できることが示されている。

    「尊敬するデザイナーの方が勉強を始められたのをXで見て触発された」「佐藤航陽」「kazuya ohyanagiさん、Daisuke Fujikawaさんなどの映像作品に影響を受けてはじめてみました。」「Andry Rasoahaingoさんの作品を見てとても感動しました」など、自分が憧れていたクリエイターが使っていたことが入り口だったという回答も多かった。

    「仕事で必要になったため」「建築パースの仕事で使用するため」のように、プロとしての業務上の必要に迫られてBlenderを始めた、という回答も一定数を占めた。これは裏を返せば、学生時代にBlenderに習熟していると、就活時や就職してからのアドバンテージになるとも言えるだろう。

    同様に、「専門学校の授業」「大学での授業課題」といったように、教育機関での授業をきっかけにBlenderを始めたという回答もいくつか見られた。現在、少なからずの教育機関でBlenderが授業に活用されていることを裏付ける結果となっている。

    「無料だから」「始めた当時お金がなかったから」というように、Blenderが無料ソフトであるという点に惹かれて使用を始めたユーザーも少なくない。特に学生にとっては、無料で使えるという点は大きな魅力だろう。

    「フリーかつ機能的な不足がなかったため」「無料で高機能なソフトを触れると聞いたため」「便利な機能が多そうだと感じた為」ように、無料ソフトながら、その機能性の高さを評価する声も多くあった。

    「無料でチュートリアルが多かったから」「仕事の効率化に使えないかと考えていたとき、YouTubeでチュートリアル動画を見たこと」「Blenderを使用しているチュートリアルを見ていいなと思ったから」といったように、チュートリアルの豊富さもBlenderへの入り口として機能しているようだ。

    「2.80のUI変更」「2.79でとても使いやすくなったので」のように、バージョンアップによる使用感の向上を理由に挙げたユーザーも少数ながら存在した。

    企画・編集_池田大樹(CGWORLD)
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