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Vol.1:慌てて登場

Vol.1:慌てて登場

原画と動画という考え方

アニメでは古くから原画と動画というような言葉が用いられます。この2つを分かりやすく言うと、原画は「その動きのなかで鍵となるポーズ」と言い換えることができます。一方、動画は「鍵となるポーズの間を補間するためのポーズ」と言い換えることができます。アニメでは、原画マンと呼ばれるように、原画を専門的に描き上げる方がいるほど、この原画というのはとても重要な作業工程になります。この原画がアニメーションの出来のほとんどを決めると言っても過言ではありません。この原画と動画という概念はとてもよく出来ていて、この手法を用いることでCGアニメーションでもシンプル、且つ効率的にアニメーションの作成を行うことができます。よって、本連載でもこの原画・動画というアニメの概念をCGアニメーションにそのまま応用していきます。

まず原画となるポーズを作成していき、あとでその間を補間するポーズを作成します。この作業工程がなによりも重要。この段階で、ポーズ・タイミング・動きの演出のほとんどを決めてしまいます。原画を作る上で重要なことは、「その1フレームだけを見ても、どんな動きをしているのかが判るポーズ」を作成すること。良い原画はそれだけ見ても動きがほぼ出来あがっています。
 

原画となるキーだけ打ち、その他のフレームは自動補間された動き

ツメ・タメを作る動画

原画と原画の間を補間していくポーズを作成していきたいと思います。アニメ用語では動画と言います。ツメ・タメという言葉がアニメーションをする上で用いられることがあります。これは何かと言うと、動きの中に発生する緩急のことです。CGアニメーションでは、グラフエディタでXYZの曲線をいじることで動きに緩急を付けることができますが、ここではその手法は用いません。AとBという原画の間に、Cという動画が必要になってきた場合、グラフエディタは用いず、Cというポーズをわざわざイチから作ります。一見面倒に見えますが、こうしてその都度ポーズを作っていくことがCGアニメーションの最も上達する方法であり、逆に言えばCGアニメーションに最も足りない部分でもあります。
動画を作る上で重要なのは原画の動きをさらに引き立たせてくれるものを作ることです。例えば、ここで言う(12)番の64Fのポーズ(本誌146号参照)。このポーズがあるだけで、足を振り下ろすスピード、手を落とす勢い、またその後に頭を上げる動作の伏線にもなりうるポーズ。また、腰の位置は動いているけど頭の位置は62Fとほぼ同じ位置に設ける。そうすることで「足を振り下ろすために力んでいる」という演技を表現することができます。
 

原画だけでなく、動画となるキーも加えた動き

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