記事の目次

    求められるスピードの実現

    今回は画づくりにまつわる解説ではなく、効率良く CG アニメーションを作成していくための方法論を掘り下げた内容となります。ここで重要になってくるのがキーフレームを打つ順番で、これは 12 の基本原則にあった「ストレート・アヘッド/ポーズトゥポーズ」の拡張版とも言える技術です。

    CG アニメーションの現場で重要視されることのひとつに「スピード」があります。筆者が経験してきた現場をふり返ってみても、スピードは常に求められていました。その大きな理由は2つあり、まず国内におけるプロジェクトでは基本的に潤沢な制作時間を確保するのが難しいということ。もうひとつは、アニメーションのクオリティは、作った本人ではなく他人が評価するからです。時間をかけた 120 点より、短時間での 70 点の方が方針転換や修正への対応がしやすく、事故も減ります。自分では 120 点と思っていたアニメーションを、必ずしも他人が同じ点数で評価してくれるとは限りません。それよりも、同じ時間でカット数を多くこなせる人材の方がはるかに重宝されるのです。

    このように、CG アニメーションの現場では常にスピードが求められており、今回はそのスピードを上げるために役立つ、効率の良いキーの打ち方について解説していきます。基本的な考え方は、「手を早くする」というより「無駄な作業をなくす」というアプローチです。詳しく解説していきましょう。

    TEXT_森江康太(トランジスタ・スタジオ/ディレクター)
    書籍「アニメーションスタイル+」著者。MV『Express』等の作品で監督としても活動している。
    トランジスタ・スタジオ公式サイト
    0130.web(個人サイト)
    @kohta0130(Twitter)

    続きは、月刊誌で!

    CGWORLD 192 号に関する詳細は下記リンクへ
    CGWORLD 2014 年8月号 vol.192