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    今回は、最近筆者が監督として携わった事例を取り上げ、実際の作品づくりの中で用いた技術について解説します。

    作品が主役で技術は脇役

    前回は、この連載で用いているキャラクターリグについて解説しました。CG アニメーションを行う上で、キャラクターリグに習熟することは必須と言っても過言ではありません。ただ、技術習得を突き詰めていった場合、いつの間にかその技術を求める行為そのものが目的にすり替わってしまうことが多々あります。技術というのはあくまで手段であり、脇役です。最終的にわれわれに求められていることは表現や作品であり、それを通じて観る人を感動させ、最終的な結果として金銭を得るのだと筆者は常々考えています。そのため、この連載でも CG アニメーションの基本技術や基礎理論を主軸として取り上げてはいますが、あくまで映像制作に応用するためのものにすぎないということを明言しておきます。

    このスタンスを貫き通すため、筆者は CG アニメーションの仕事だけではなく、監督業も同時にこなしています。そこで今回は、筆者が監督・制作をやらせていただいた京都学園大学の CM 映像について紹介したいと思います。CG アニメーションだけを担当していると、プロジェクト全体を通してどうしても不可視の部分が多くなりますが、映像制作をしていく上で作業工程の全てを把握し、指示出しをしなければならない監督という立ち位置は、率直に言ってとても面白くスリリングです。これから、CG アニメーター出身の監督が多く輩出され、同じ土俵で切磋琢磨できていくことを筆者は心の底から願っています。

    京都学園大学15秒テレビCMアニメ版(健康医療学部編)

    TEXT_森江康太(トランジスタ・スタジオ/ディレクター)
    書籍「アニメーションスタイル+」著者。MV「Express」等の作品で監督としても活動している。
    トランジスタ・スタジオ公式サイト
    0130.web(個人サイト)
    @kohta0130(Twitter)

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    CGWORLD 2014 年 12 月号 vol.196