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第21回:「Maya 2017 カラーマネジメントに必要な知識」

第21回:「Maya 2017 カラーマネジメントに必要な知識」

こんにちは、パーチの長尾です。今回は、Mayaの最新バージョン2017でカラーマネジメントに必要な知識について説明します。Mayaでは、入力デバイス・出力デバイスのカラースペースを把握する必要があることに加えて、Maya内で処理をするのに必要な【レンダリングスペース】を設定する必要があります。この3つのカラースペース間で色を変換してカラーマネジメントを行います。そのため、Mayaでカラー設定を行う場合はこの仕組みとメリット・デメリットを理解しておく必要があります。

Open Color IO

Mayaには、Open Color IOというカラーマネジメントの仕組みが内蔵されています。これは新しい仕組みで、ICCカラープロファイルを使用した方法とは異なります。

設定に必要な情報が記述された「設定ファイル(OCIO config)」を使用して行いますので、既存の設定ファイルか自分で作成した設定ファイルが必要となります。図1のカラー設定内にある「OCIO環境設定パス」に、設定ファイルを指定することで設定を行うことができます。


図1:Maya2017 カラー設定
OCIO環境設定パスにOCIO configファイルを読み込む

メリット

設定ファイルを、Open Color IOに対応しているソフトウェアで共有することができます。通常は各ソフトごとにカラー設定を行う必要がありますが、この設定ファイルを共有することで、設定の手間とミスを防ぐことができます。


図2:一つの設定ファイルを複数のソフトで共有できる

カラースペース

様々なデバイスがもつ色の表現領域がカラースペースです。この他にもカラーパイプラインを運用したり、デバイスの表示基準として活用される、規格としてつくられたカラースペースもあります。カラースペースは色立体とも呼ばれ、図3のように3次元で表現されます。


図3:Rec.709のカラースペースを表す色立体

図4は、3DCG制作で色基準として活用される代表的なカラースペースです。立体の大きさが、大きいほうがより多くの色を表示することを示しています。例えば、Rec.709よりも、DCIのほうが、鮮やかな色を表示することができます。


図4:代表的なカラースペース

カラースペースによって色再現性が異なります。図5は、ACESを基準にして代表的なカラースペースを比較したものです。ACESというカラースペースは、Open Color IOを定めた団体が作成した、非常に広い色領域をもつものです。薄いグレー部分がACESで、色がついたところが比較対象のカラースペースです。色立体が大きい方が、より多くの色をもつことができます。ただし、最終アウトプットデバイスや作業用のモニタより大きいカラースペースは、そのままでは全ての色が再現ができないので色変換などを行います。


図5:代表的なカラースペースとACESの色再現領域のちがい

「色変換」を行うことで、異なるカラースペース間で色を合わせることができます。同じRGB値をもっている画像を、異なるモニタで見たときには色が異なると思います。これはそれぞれのモニタの色再現性が異なるために起こる現象です。これと同じように、異なる色空間が表示されるように設定されたモニタやソフトウェアでも色が異なって見えます。


図6:同じ数値でもカラースペースが変わると色が異なる

色変換を使うことで異なるカラースペース間でも「同じ色」にすることができます。もちろん、広いカラースペースから狭いカラースペースにする際は、その限りではありません。同じ範囲に入っている色は似てくれますが、狭いカラースペースより外に広がっている色は異なってしまいます。


図7:異なるカラースペースでも同じ色になるように数値を変換する

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レンダリングスペースとビュー変換で異なるカラースペースを使用する際の問題

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