2026年度、第1回目の開催となる学生CGトライアル「WHO'S NEXT?」。テーマは「3DCGを用いた静止画作品」。

今回も「キャラクター部門」「背景・プロップ部門」に分けての募集で、キャラクター部門62点、背景プロップ部門151点の、合わせて213点の作品が集まった。審査は国内外の特別審査員11名+企業審査19社によって行われた。このページでは背景・プロップ部門の優秀賞&審査員講評コメントをご紹介しよう。

※講評コメントは全て原文ママ

記事の目次

    ■作品募集ページ

    https://cgworld.jp/flashnews/cgwhos-next-202601.html

    ■結果発表イベント

    学生CGトライアル「WHO'S NEXT? 2026 第1弾」結果発表配信

    https://cgworld.jp/flashnews/02-2606-whosnext.html

    ■キャラクター部門結果ページ

    https://cgworld.jp/regular/whosnextchara2026v1.html

    ■作品応募条件・審査方法について

    応募作品テーマは「3DCGを用いた静止画作品」。審査員はいずれも全作品の中からお気に入りの作品を選び、持ち点20の中から配点する。合計得点の高い作品から表彰されるシステムとなっている。参加対象は小・中・高校生から専門学校生、大学、大学院生など教育機関在学中の方が対象だ。通学中でなくても、クリエイティブ分野における就業経験のない方であれば応募OKとしている。AIの利用についてはNG。

    背景・プロップ部門 1~10位(優秀作品)

    第1位:『まったり♪タイム』 獲得点数:66点

    服部直江さん(デジタルハリウッド大阪本校)

    背景制作を中心に3DCGを学んでいます。

    ●作品解説
    寒い冬の日に、のんびりと趣味を楽しむ暖かい部屋を表現しました。

    ●使用ツール
    Maya、Arnold、Substance 3D Painter、Photoshop

    ●審査員コメント 抜粋

    ▼【秋元純一氏(トランジスタ・スタジオ/CGディレクター・取締役副社長)】
    全体的に非常に丁寧に作り込まれており、なんとも言えないレトロ感もあり、素晴らしい出来栄えの作品だと感じた。特にライティングが素晴らしく、自然光の良い部分と暖房器具の温かさのコントラスト、室内の空気感や、室外の寒さなど、表現方法が非常に的確で申し分ない。また、柔らかい物と硬いものの対比も素晴らしい。「はっぴいえんど」を彷彿とさせる文学と音楽のフューチャリングの様な表現世界で、寒暖や柔剛、整雑、新旧、緩急など、そういった相対する様な要素が上手くミックスされて、なんとも言えないどこか優しくもどかしい気持ちになる作品だと感じた。また、所々感じる女性ならではの要素も、作品のスパイスとして非常によい。また、雪だるま好きな事は十分伝わった。

    ▼【亀田健太郎 氏(WETA Workshop/シニアコンセプトアーティスト)】
    技術力の高さは言わずもがなですが、画面の隅々まで手を抜かない姿勢が伝わってくる点が、なにより素晴らしいと思いました。いろいろな質感のもの(植物、プラスチック、布、金属、ガラス、木、などなど)が正確にリアリティをもって描写され、ものの配置ひとつひとつにも必然と物語性を感じます。窓の結露やコーヒーやストーブといった要素によって、本来感じないはずの気温や湿度までもこちらに伝わってくるようです。日常のいろんなものをとてもよく観察されているんだろうなと想像します。この観察力と表現力のある方が、想像力を羽ばたかせて思い切りフィクショナルな作品に取り組んだら、どんなものが出来上がるのか興味があります。

    ▼【海老澤広樹 氏(exsa/制作本部長)】
    ライティングも質感も上手に表現出来ており、今回の応募作品の中で一番目を引きました。モノの配置も考えられており、レイアウトにも感心しました。

    ▼【綱嶋荘子 氏(New Story Inc./Chief Design Officer)】
    そこに今さっきまで誰かがいたかのような空気感が感じられる作品です。ご自身の部屋を参考にしているのかもしれませんが、観察眼が鋭いなと感じました。また、多種多様なオブジェクトが配置されていますが、どれも質感の再現に気を配られていますね。静止画でここまで質感に違和感がないのは素晴らしいです。窓の落書きといった遊び心も素敵です。

    ▼【後藤岳 氏(グラフィニカ/札幌スタジオ CGテクニカルコーディネーター)】
    窓から机に掛けてのモデルの密度やライティングの具合など素晴らしく、窓から暖房器具に至るまでの光の遷移が美しい作品です。ドアのテクスチャのタイリング素材のスケール感がミニチュア感がある様に見えてしまうのは勿体無いと感じましたが、布やオーディオ器具などテレビの埃など生活感を感じられ密度のある説得力のある画面になっていると思います。

    ▼【 石井 裕 氏(ジェットスタジオ/CGディレクター)】
    画面の隅々までリアリティに満ちた作品だと思います。特に窓の露の表現が秀逸で、ベッドに落ちる窓からの柔らかい光の描写とも相まって、リアルな「窓辺の空気感」が見事に伝わってきます。ボカさず全てをクッキリ見せており、妥協や誤魔化しのなさが伝わってきます。細部まで作り込まれた手の込んだステキな作品でした!

    ▼【富永卓実 氏(デジタル・メディア・ラボ/リードアーティスト)】
    古いテレビや使い古した掛け布団、扉のフチなど、細かい部分のディテールにこだわりを感じました。窓の結露感がすごくリアルで、雪だるまも描いてあり遊び心を感じます。室内の密度感がありつつも、住人の音楽の趣味が感じ取れるようなストーリー性のある作品だと思います。

    ▼【原田裕一 氏(MillionEdge/取締役)、所谷悠太 氏(MillionEdge/アートディレクター)】
    まるで日常の一瞬をそのまま切り取ったような自然な雰囲気作りで生活感を感じました。アセットひとつひとつ丁寧に作り込まれており、細部まで写実性を意識して制作されている点が好印象です。加えて全体の情報量の整理されていて、不自然な違和感をほとんど感じません。屋外には寒色、ストーブ周辺には暖色系の色味をもう少し加えることで、外気と室内の温度差がより伝わり空気感のコントラストを一段強めることができると思います。

    ▼【尾関昭宏 氏(トゥエンティイレブン/CGディレクター)】
    机の上に広がる楽譜や本、使いかけのマグカップ、少し乱れた毛布など、小物配置に自然なランダム性があり、人物不在にもかかわらず持ち主の存在を感じさせます。さらに、窓の結露や冬らしい石油ストーブの暖色光が加わることで、室内外の温度差まで想像できる点が非常に秀逸です。木材や布の質感表現も安定しており、特に柔らかな間接光による空間のまとまりが心地よく感じられました。一方で、全体的に情報量が高いため、視線の中心がやや散りやすい印象もあります。例えばキーボード周辺のライティングやコントラストを少し強めることで、主題がさらに際立ちそうです。とはいえ、空気感・生活感・ライティング演出の完成度が非常に高く、「居心地の良さ」を映像として成立させている魅力的な作品でした。

    ▼【今泉隼介 氏(モデリングブロス/代表取締役・アセットスーパーバイザー)】
    モデリングの物量とオブジェクトのスケール感がしっかりと出来ています。絵の中に存在するオブジェクトそれぞれの質感の描き分けもしっかりされており、とくに、布類をこれだけ違和感なく制作、配置できるのは素晴らしいスキルだと感じました。ランダムに見える物の配置もとても自然で、床のMDプレイヤーのケーブルの硬さと複雑性の表現は絵に大きな説得力を与えていると思います。窓の落書きや、ちょっと不思議なみかんの皮の剥き方はここに写っていない部屋の主のキャラクター、ストーリーが伝わる表現だと思います。一つあえて改善点をあげるとすれば、部屋にあるオブジェクト毎の経年劣化の差がすこしちぐはぐに見え、統一感にかける印象がある点です。個人的にはもう少し合わせるとさらに良くなると思います。

    第2位:『秘密の寄り道』 獲得点数:51点

    小瀬 諒太朗さん(HAL東京)

    背景モデラーを目指しています。懐かしさを感じる物と猫が好きです。

    ●作品解説
    コンセプトは「友達と秘密の楽しみ」です。誰もが経験したことのある日常の中のささやかな非日常を切り取り、懐かしさと高揚感が同時に立ち上がる空気感を意識しています。

    ●使用ツール
    Maya、Arnold、Substance 3D Painter、Substance 3D Sampler、After Effects、Photoshop

    ●審査員コメント 抜粋

    ▼【秋元純一氏(トランジスタ・スタジオ/CGディレクター・取締役副社長)】
    まず、パット見で素晴らしいと感じたのは、このグレーディングのレベルだと思う。フィルムの風合いやコントラストが素晴らしく、違和感なく時間を遡った様な気持ちで絵に没入させてくれる。空間の奥行きも上手く使われており、手前の緑のエリアの見せ方も非常にうまいと思った。ランドセルなどのプロップ類でのストーリーテリングも、王道ではあるが上手く使用できており、この作品においてあまり修正点を見いだせない様に感じている。粗を探してみたが、それこそ野暮だと思ったのでやめました。あっぱれです。

    ▼【海老澤広樹 氏(exsa/制作本部長)】
    細かな所までディティールがあり、絵に力強さがあってとても良い作品だと思います。組み合わせたオブジェクト同志のスケール感を追い込んでいくとさらに素晴らしくなると思います。

    ▼【馬場拓己氏(KATACHI/背景ディレクター・CGスーパーバイザー)】
    丁寧にレイアウトされていると思います。空の彩度が高く、ガラスに反射している空に無意味に視線が誘導されてしまうため、バランスを調整したほうが良さそうです。また、ランドセルなどの生活感の出るものを近くに置く、よく見せるなどすると画のストーリー性が上がりそうです。

    ▼【原田裕一 氏(MillionEdge/取締役)、所谷悠太 氏(MillionEdge/アートディレクター)】
    学校帰りに寄った片田舎の駄菓子屋さん。そんな設定でしょうか。とても雰囲気が好きな作品です!空気感も素晴らしく、こんな場所に行って癒されたいです!アセットの数も多いですし、一つ一つに細かいディテール・経年劣化もいい味を出していると思います。PR文にあります、「猫」も置いてみてほしいですね(笑 とても素敵な場所を作る人だとおもいました。ぜひ他の作品も見てみたいですね!

    ▼【山元 太陽 氏(ORENDA WORLD/VFX Producer )】
    空気感や色味など、子供の頃の懐かしい思い出を呼び起こすような作品です。私自身、駄菓子屋が街にまだあった時代の人間ではないですが、なぜか懐かしさを感じました。

    ▼【富永卓実 氏(デジタル・メディア・ラボ/リードアーティスト)】
    作品全体から夏休みらしい空気感が強く伝わってきて、とても目を惹かれる作品でした。入道雲の見せ方や色の鮮やかさも印象的で、画面全体にしっかりとした世界観を感じます。駄菓子屋の店内まで細かく作り込まれており、物量の多さだけでなく、一つひとつを丁寧に制作されていることが伝わってきました。ランドセルに挟まった物や、横に置かれたかき氷など、細かな演出にもこだわりが感じられ、どこか懐かしさを覚える作品になっていると思います。プロップの質感表現も丁寧で、物語の一場面を切り取ったような見応えのある作品でした。

    【CGデザイナー一同(ニエイチ)】
    懐かしさを感じるノスタルジックな空気感や爽やかな風を感じる夏の気配がとても印象的です。子供心をくすぐられるような、全員の記憶の中にある帰り道にあってほしい駄菓子屋をうまく表現できていると思います。リアリティのある質感で物量はあるがごちゃつきすぎず、綺麗に整理されていてとても見やすい構成になっています。

    ▼【今泉隼介 氏(モデリングブロス/代表取締役・アセットスーパーバイザー)】
    スケール感のしっかりしたモデリング、適切な汚しのテクスチャリング、ストーリーを伝える構図、温度や画面の外を想起させる影のライティング。すべてが非常に高い水準でまとまっています。作るとどうしても構築的になりすぎがちな店先の風景ですが、路肩のコンクリート、室外機のケーブル、壁のテーピング、空地のチェーン、吊られたボール、店内の値段表示のラベルに至るまで直線を崩す工夫が隅々に行き届いています。粗密のコントロールも巧みで、空地の雑草で情報量を操作しつつ、虫取り網や積まれた植木鉢で構図をうまく切っている。低く構えたカメラが子どもの目線となり、「秘密の寄り道」というタイトルのままに、夏の西日の暑さの中を駄菓子屋へ近づいていく物語が自然にあらわされています。素晴らしい仕上がりです。

    第3位:『【追憶の残光】』 獲得点数:34点

    モリス キアヌ海さん(HAL東京)

    28卒の背景アーティスト志望です。本作で初の大型スケールに挑戦しました。至らぬ点を克服する為、トライアンドエラーを繰り返す過程で表現力、技術力を共に大きく向上させました。新しい技術を貪欲に吸収し、継続してどんどん成長できるのが強みです。今後も壮大な世界観の構築に向け精進します。

    ●作品解説
    禁忌を犯した代償と、見放された絶望を光と闇の対比で描いた背景。ゴシック大聖堂の様式を一からリサーチし、構造的破綻のない説得力ある空間を構築しました。インゲームムービーのような一人称視点を意識し、没入感を追求しています。

    ●使用ツール
    Maya、Substance 3D Painter、Arnold、After Effects

    ●審査員コメント 抜粋

    ▼【亀田健太郎 氏(WETA Workshop/シニアコンセプトアーティスト)】
    まず寒色と暖色のライティングがシンプルながら効果的で、ぱっと見で「かっこいい一枚」になっています。(サムネで目を引く強さは随一でした。)続いて細部を見ていくと、しっかりとリサーチされて作られたであろう教会建築のモデリング技術の高さが伺えます。ストーリーテリングに関しては、なにやら重大なことが起きているようだと想像を掻き立てられるのですが、具体的にどういうことが起きているのか、ということをもう一歩わかりやすく示してくれていたらより親切だったかなと感じます。

    ▼【坂本実輝 氏(FelixFilm/リードモデラー)】
    アングルと強い逆光により何か悲劇的な出来事の直後のような物語性を感じました。青と赤の対比が作品全体の緊張感をさらに生み出していると思います。手の細かい汗や血の乾き具合も所々変化を付けていてリアリティが出て良いと思います。気になった点は、柱の質感が全体的にデコボコしている点です。表面を整えた部分をもう少し増やせば全体のディテールアップと陰影がスッキリして絵が引き締まるかと思います。

    ▼【三宮龍之介 氏(KASSEN/CG Director) / 小野誠太郎 氏(KASSEN/CG Producer)】
    建築物のディティールの作り込みに加え、手前のプロップも作り込まれていて世界観が上手く表現されている。カメラアングルもダイナミックでありコンセプトを感じ、臨場感のある作品で素晴らしいと思いました。コンセプトを色の使い分け(手前側は禁忌の絶望感を、奥には救い)で表しているのもの上手いなと感じました。

    ▼【綱嶋荘子 氏(New Story Inc./Chief Design Officer)】
    細部まで作り込まれたハイクオリティな画面のみならず、画面の切り取り方や映り込むモチーフ、構図まで完璧だなと感じました。倒れたプレイヤーの一人称視点ということも伝わりますし、手だけでプレイヤーキャラクターの感情を伝える表現力も素晴らしいです。ライティングもドラマチックで奥行きのある世界観が詰め込まれており、商用ゲームのワンシーンのようです。

    ▼【小國智仁 氏(slanted/CGアーティスト)】
    ぱっと見の雰囲気がかなり良い。広角かつローアングルで迫力がある。ゴッドレイや火の粉の味付けも良き。手前の大写しのオブジェクトたちの質感をもっと詰められるとかなり良くなりそう。

    ▼【ひるま克治 氏(Z-FLAG/取締役)・他Z-FLAG社員】
    構図が上手く、絵としてまとまっています。カメラをロールさせた意味もあるしカッコいい。被写界深度ボケが不自然なのでちゃんとデフォーカスさせるとより良くなりそうです・とてつもない迫力で印象に残った ストーリー性を感じる構図 ステンドグラスから差し込む光が神々しくて良いデティールも凝っていてよい

    ▼【後藤岳 氏(グラフィニカ/札幌スタジオ CGテクニカルコーディネーター)】
    ゲームにインスパイアされた世界観を強く感じます。物語の見せ場を思い起こさせるストーリー性を感じますし、マテリアルや光のエフェクトが効果的に構成されており、一人称から見上げた様子のレイアウトがとても強い印象を与えます。

    ▼【 石井 裕 氏(ジェットスタジオ/CGディレクター)】
    優れた構図と計算された明暗のコントラストによって、一目で良いなと思える作品でした。配色センスの良さはもちろん、アップで見ても細部まで作り込もうとしており、その努力が垣間見れます。1枚の画面から奥行きのある物語が伝わってくる、非常に良い仕上がりの作品だと思います!

    第4位:『錆と槽』 獲得点数:28点

    中條 真人さん(個人)

    今春デジタルハリウッド大阪本校CG/VFX本科を卒業し、ジェネラリスト、VFXアーティスト志望で就職活動中です。背景モデリング、アニメーションも行えるようなアーティストを目指しています。

    ●作品解説
    スチームパンク風レトロSF世界の架空の中古宇宙船(労働者用資源掘削船)という想定で政策いたしました。鉄の質感や、張り巡らされたパイプ、労働者が長年使っている寂れた感じを表現できるよう工夫しています。

    ●使用ツール
    Maya、Substance 3D Painter、Photoshop、Illustrator、Houdini

    ●審査員コメント 抜粋

    ▼【宮川英久 氏(シニアコンセプトアーティスト)】
    全体的な作り込みがいい感じで力作という印象です。ただ、構図という意味では中央に焦点があり、それ以外の部分に視線誘導しようという意図は照明の配置から感じることは感じるのですが、上手く機能しているとは思えませんでした。あえて何も情報を置かない部分を作ることは悪いことではないのですが、これでは画面の下半分は必要ないようにすら思えてしまいます。中古の宇宙船という事で、製造時以降のカスタマイズが様々に施されている事は理解ができますが、ここまでゴテゴテと様々なパイプやバルブが行き当たりばったりのように配置されている事には違和感を感じてしまいました。実際の潜水艦等もやはりゴテゴテしてはいるのですが、ある一定の構造上のルールを感じさせる物になっていると思います。

    ▼【鈴木卓矢 氏(SAFEHOUSE/取締役・モデリングスーパーバイザー
    まさにレトロフューチャーという感じの世界観が表現出来ていて素晴らしいです。以前見たときはフラットな画だったと思うのですが今回はちゃんライディングでシルエットが出るような感じになっていて質感の違いもちゃんと出ているので背景の世界観がはっきりしたと思います。テクスチャーに関してもただ劣化しているだけではなく形にあわせた劣化が出来ているのでうまく背景に馴染んでいると思います。ただ細かいところを見るとモデルがめり込んでいたりテクスチャーが伸びていたり、質感が甘い部分があったり荒いところは割とあって余計な情報ノイズになっていると思いますが背景のシルエットからディティールに流れていく情報のコントロールがよくできているのでうまくごまかせているのかと。静止画なのでもう少し細かいところのケアができているともっと良くなるとおもいます。

    ▼【伊藤より子 氏(blue gradation/ビジュアルデザイナー・講師)】
    パイプの質感や鉄のサビ表現、工業的なデザインが非常によく描き込まれており、見応えのある作品です。素材感の表現にも説得力があり、細部へのこだわりを感じました。一方で、画面中央の青い発光部分が非常に強いため、視線がそこに集中し、手前の魅力的なパイプ表現を見落としてしまう印象があります。中央の光を少し抑え、左側や前景部分への光量をわずかに上げることで、視線の流れがより自然になり、作品全体のバランスが向上するでしょう。そうすることで、パイプそのものの魅力もさらに伝わる作品になると思います。

    ▼【CGデザイナー(アイロリ・エンタテインメント)】
    【良い点】さびの表現が素晴らしいと思います。情報量も高く、とても見ごたえのある一枚になっているかと思いました!一番明るい青色の部分と、暖色の対比が見ていて心地よく、色彩構成も素晴らしいなと感じました。機械類の作りこみがすごいですね。細かく見ても、コード類やパーツの配置など、一つ一つ丁寧に制作・配置されたことが伝わってきます。

    【もっと良くなる点】

    地面ののっぺり感が気になりました。機械類の作りこみはとても素晴らしいので、同じくらい劣化感や、物の配置にこだわってみるとより良くなるかと思います。床にオイルをこぼしたなどで、錆びていたり、物を落としたなどで、少しへこんでいる部分を作ってみたりすると、この背景の住人の人物像などが見えてストーリー性が生まれて、より良くなるかと思います。視線が一番誘導される発光した球体ですが、中に何が入っているかわかりません。周囲のアセットのクオリティと密度が高いので、中心にあるものの正体がわかりやすいと良い作品になると思います。

    ▼【齊藤良太 氏(オー・エル・エム・デジタル/セッツアンドプロップススーパーバイザー)】
    絵の全体の密度がとても良いと思いました。色味が近い質感が多いですが、ライティングがSFチックなものと電球のようなライティングで差が出ていて面白いと思います。隙が無く説得力がある作品だと思います。

    ▼【尾関昭宏 氏(トゥエンティイレブン/CGディレクター)】
    本作は、密度の高いメカニカル表現と空間演出によって、重厚なSF世界を非常に説得力ある形で構築できている作品でした。潜水艦や機関室を思わせる閉鎖的な空間に、無数の配管や計器、ケーブルが複雑に絡み合っており、画面全体から機械の“息遣い”のようなものを感じます。特に暖色照明と奥の青白い光源の対比が美しく、視線誘導と空間奥行きの演出が非常に上手いです。また、金属表面の錆や汚れ、塗装剥がれの表現も細かく、長年使われ続けてきた設備として高い実在感を生み出しています。一方で、一部の配管などのテクスチャが伸びてしまっていたりとCG的な荒さが出てしまったいますので、細かい部分まで丁寧に作り込むことでリアリティは増すのかなと思いました。

    第5位:『Tea time』 獲得点数:25点

    赤羽 佑斗さん(日本アニメ・マンガ専門学校)

    フォトリアルな背景CGが得意でゲーム業界、映像業界での就職を目指しています。日々新しいことに挑戦し向上心を持って作品制作に励んでいます。

    ●作品解説
    アトリエの窓から風が吹き込み、カーテンを揺らし、紙が宙を舞うその一瞬を捉えた作品です。ライティングによる明暗のコントラストや画面の密度をコントロールして机と椅子に視線が誘導できるようにしました。

    ●使用ツール
    Maya、Substance 3D Painter、Substance 3D Designer、Illustrator、Photoshop、HDRIはPoiy Havenより

    ●審査員コメント 抜粋

    ▼【中村 創 氏(CGアーティスト)】
    大変すばらしいです。ボリュームライトの使い方も良いし、カーテンと紙で動きを感じます。窓は白飛びの中に少しでも背景を感じるとさらに奥行が出そう。

    ▼【米岡 馨 氏(StealthWorks/代表取締役・VFXスーパーバイザー)】
    窓から差し込む光や揺れるカーテンなど静止画だけど動きを感じる仕掛けがいいですね。外の風景が露出で飛んでいるのもいいですが、これだけ飛んでいればもうちょっとグロー感あってもいいかもですね。それかもう少しだけ背景のテクスチャを感じさせるか。ぱっと見机やイーゼルのトポロジーがまっすぐ過ぎる印象があるので少し崩してあげるとより説得力が出ると思います。

    ▼【三宮龍之介 氏(KASSEN/CG Director) / 小野誠太郎 氏(KASSEN/CG Producer)】
    細かいプロップに味があって素敵です。風が吹いてカーテンや紙が舞うのも、静的な世界に動きが入ってきて、シチュエーションが生きていることを感じます。宙を舞う紙にほんの少しだけモーションブラーのようなブレを足してあげるとより魅力的な引き込まれる絵になると思うので次回作にぜひ生かしてください。

    ▼【馬場拓己氏(KATACHI/背景ディレクター・CGスーパーバイザー)】
    1つ1つのアセットを丁寧に作り込めていると思いました。机の上にまだ飛ばされていない紙を残しておくなどすると、風に舞っている紙が元々どこに置かれていたのかが想像でき、紙が風に舞った軌跡が想像しやすくなるためより画に動きが出るんじゃないかと思いました。また、棚の上のノートは少しだけシルエットを湾曲させるなど、少しヘタった感じを出すとリアリティが増しそうです。

    ▼【ひるま克治 氏(Z-FLAG/取締役)・他Z-FLAG社員】
    空気感がとてもよく表現されている。カーテンの皺の流れがとても自然で風で動いてる感じがしっかりわかる。テクスチャもしっかり書き込まれている。手前の紙が落ちているイメージが少し弱いかもしれない。

    ▼【齊藤良太 氏(オー・エル・エム・デジタル/セッツアンドプロップススーパーバイザー)】
    ただの部屋の背景ではなく、そこに「風」や「時間」が流れているのを感じさせる絵作りが面白いです。明るい部分と暗い部分のバランスも良く、主役のテーブルセットがパッと目に入る、気持ちのいい画面構成だと思います。部屋の主人の人柄が感じられてよいと思いました。

    第6位:『残響』 獲得点数:21点

    野田 紬さん(デジタルハリウッド大阪本校)

    モデリングをこれからもっと頑張りたいですが、画作りの上手なアーティストになりたいと思っています。次の作品ではもっとスケールの大きな世界を0から構築し、shortfilm作品にしてみたいです。

    ●作品解説
    「渋さ」をテーマに制作しました。渋さ=時間とともに刻まれる経験、風合い、姿のようだと自分の中でのイメージがあるので、時間や余韻を表現できるよう、オブジェクトの配置や質感にこだわりました。

    ●使用ツール
    Maya、Substance 3D Painter、Photshop、After Effects

    ●審査員コメント 抜粋

    【鈴木卓矢 氏(SAFEHOUSE/取締役・モデリングスーパーバイザー)】
    雰囲気がとてもいいですね。ドアの奥に足を踏み入れたくなくなるような異質な空間が表現できていて素晴らしいです。ドアに入ってすぐのところに出前のおかもちがあるのを見るとかなり長い時間麻雀をやっているのかなというのが見て取れます。スリッパが挟まってドアが開いているっていう細かい芸も良いですね。ただ全体的なスケール感を見るとすこし狂っているように見えるのは何かがおかしいんだと思います。それが天井が低いのか蛍光灯がデカいのか、壁の木材がデカいのか、それ全部がスケールがずれているのか。麻雀の牌もすこし大きい気がするのと雀卓のUVが伸びていたり、もっと灰皿にタバコがたまっていても良いんじゃないかなとか細かい所は修正できたらいいと思います。

    【中村 創 氏(CGアーティスト)】
    大変すばらしい!蛍光灯っぽいライティングも空気感出てます。配置も良い。部屋の中の壁や床は少しだけ明るくした方がドアの中の空間をわかりやすくするかな?ビール瓶の透明感もあるといいかも。レベル高いです。

    ▼【新美遥香 氏(ORENDA WORLD/Production Manager)】
    空気感が良く出ていて、第一印象は良いのですが、造形や、質感の部分はもっと詰められる気がします。もっとリアリティを目指して良いと感じました。

    【CGデザイナー(アイロリ・エンタテインメント)】
    【良い点】オブジェクトの配置が巧みで、生活感を出すのが上手だと思いました。住人の生活感やストーリーがにじみ出てくるような、素敵な一枚になっているかと思います。ドアストッパーにしているスリッパの細かなディテールも素敵ですね。ライティングによる視線誘導もドラマチックで素晴らしく、真っ先に部屋の中が目に入ってきます。

    【もっと良くなる点】ぱっと見で、画面内に麻雀卓があることが分かりづらく思ってしまいました。牌やリーチ棒などのオブジェクトが小さいのもあり、目立たせることがなかなか難しいモチーフだと思うのですが、思い切って構図を横にして、麻雀卓をより画面内に大きく見せるなど、工夫することでより良くなるかと思います。モデルの形状がややシンプルで、机の角・イスの丸みなどの表現に、少し気になる点があります。全体的に古めかしい舞台ですので、角を削れさせたり、錆びている部分があったり、劣化表現を少し入れてあげると、より説得力のある一枚に仕上がると思います。

    第6位:『Will - On The Poplanet』 獲得点数:21点

    前川 海斗さん(多摩美術大学)

    周囲の方々に支えられながら、日々技術と表現力の向上に励んでいます。世界観やテーマ性を重視した背景制作を意識しており、空間から物語や感情を感じられる表現を目指しています。
    【Vivivit】https://www.vivivit.com/kai_mae
    【Artstation】https://www.artstation.com/mk_ultra0190"

    ●作品解説
    1950年代の文化や社会に着想を得て、当時の楽観的な未来観やデザイン思想をベースに世界観を構築しました。お菓子のような地形や誇張した造形によって、大量消費社会をポップかつシニカルに表現しています。

    ●使用ツール
    Maya、ZBrush、Substance 3D Painter、Photoshop

    ●審査員コメント 抜粋

    【伊藤より子 氏(blue gradation/ビジュアルデザイナー・講師)】
    色彩が非常に美しく、ポップな魅力にあふれた作品です。50年代をイメージした独特の感性が個性的に表現されています。大きなドーナツをはじめ、さまざまなオブジェクトを実際のサイズにとらわれず大胆に配置することで、ユニークで楽しい世界観が生まれています。色彩設計も印象的で、作者ならではの感性がよく伝わってきました。

    【坂本実輝 氏(FelixFilm/リードモデラー)】
    デザインの統一と構図による世界観の見せ方が素晴らしく、完成度の高い絵になっていると思います。ハイライトや汚れのタッチが、世界観に合わせて輪郭がハッキリ分かる付け方をしている所からも細部までこだわっているのが分かります。色使いも大胆ですが、暖色と寒色のバランスが取れているため統一感がありとてもしっくりきます。気になった点は手前に視線が持っていかれる所です。手前は少し彩度下げたりコントラストを落としたりして、ロケット背後の逆光を強めたり周辺のシルエットを明確化したりすることで、視線がロケットに向くと思います。

    【小國智仁 氏(slanted/CGアーティスト)】
    独特の色遣いと、雰囲気の良さに惹かれた。質感の追及や、細かなディティールで作りこむのではなく、色味やオブジェクトの配置、強めの後処理で味を出している。モデリング等より絵作りに力を注いでいるのが個性的でよい。

    【CGデザイナー一同(ニエイチ)】
    リアルを追求した作品が多い中で、ひときわ独創的な世界観を感じられる世界観でとても好きでした。世界感含めてスタイライズして作れてるのが素晴らしく、お菓子モチーフの落とし込方が上手いと感じました。AIが普及してリアルを追求しやすくなった分、こちらの作品のように独自の世界観を想像できてかつ作り上げられることは貴重だと思いました。

    第8位:『始まりの泳出』 獲得点数:15点

    續橋 進之助さん(デジタルハリウッド東京本校)

    コンセプトアーティスト志望です。

    ●作品解説
    女の子の金魚への愛情が、自らで描いた絵の中の金魚を現実世界に呼び出した瞬間を表現しました。

    ●使用ツール
    Maya、Substance 3D Painter、ZBrush、Marvelous Designner、Photoshop

    ●審査員コメント 抜粋

    【米岡 馨 氏(StealthWorks/代表取締役・VFXスーパーバイザー)】
    今回の作品の中で一番発想が自由だと感じました。女の子や部屋の描写はあくまでもリアルで、女の子が夢の世界に行ったのではなく金魚がこちらの世界に来たというのも新鮮です。金魚のひれの透け感もよく作者も金魚が好きなんだなと感じます。もっと他のシチュエーションも見ていたいと思わされる作品だと思います。

    【CGデザイナー(アイロリ・エンタテインメント)】
    【良い点】楽曲MVの一画面のような、ドラマチックな画面に仕上がっており世界観やコンセプトが美しいと感じました!構図も美しいです。金魚の赤と、青の対比が美しいと思いました。美しい色彩に仕上がっていると思います。少女の表情から、ストーリー性を感じられます。金魚が額から出てきている表現も、変な違和感なく、水面の表現が美しいです。現実世界の窓と、金魚の世界と繋がる額縁の対比があることで空想が現実に溢れ出す瞬間が見事に描かれています。

    【もっと良くなる点】意図的な表現でしたら申し訳ありませんが、ややCGらしさが残っていますので、もしリアル調を目指すのであれば、細部まで造形や質感をよりこだわるとより良くなるかと思います。奥のタンス、その前にある遊具など、一部、木目の向きがおかしいモデルがありますので、材質の詳細について調べながら、UVの向きやテクスチャをこだわると、より説得力のある一枚になると思います。

    【 石井 裕 氏(ジェットスタジオ/CGディレクター)】
    どことなく絵本のような雰囲気のある非常に趣のある作品ですね。ファンタジーではありますが不思議と絵から説得力が伝わってきます。女の子と金魚のキャラクター性やテイストのバランスも良い感じです。背景のディテールがもう一歩描き込まれるとより世界観に深みが増しそうですが、全体の雰囲気が魅力的なのでとても好感の持てる作品でした。

    【CGデザイナー一同(ニエイチ)】
    ひっそりと静かな部屋で少女の見ている世界が具現化されているようでとても素敵な世界観だと思いました。青い室内と赤い金魚の配色のバランスが心地良く、部屋の奥行き感やボリュームライトも自然で完成度高く仕上がっていると思います。

    第8位:『追憶の情景』 獲得点数:15点

    皆川 大樹さん(国際アート&デザイン大学校)

    ゲームの背景モデラーを目指して日々制作しています。最近はHoudiniに興味があり、独学でHoudiniを活用した背景制作をしています。

    ●作品解説
    昭和中期の夕暮、夕飯が始まる少し前の居間を制作しました。家族の気配や生活感が伝わるよう、小物配置や西日の表現、空気感を意識して制作しました。

    ●使用ツール
    Maya、ZBrush、Substance 3D Painter、Photoshop

    ●審査員コメント 抜粋

    【秋元純一氏(トランジスタ・スタジオ/CGディレクター・取締役副社長)】
    昭和のノスタルジックな風景として、上手に仕上げられていると思う。ライティングやグレーディングもバランスよく、違和感なく見られる。作品内の手数も非常に多く、その多くが丁寧に作れれてレイアウトされていると思う。所々、時代考証が必要なポイントがあるので、もしこういった作品に向き合うなら、細かな違和感が出ない様に、時代背景をきちんと整理してストーリーテリングをしたほうが良い。例えば、この時代背景は恐らく1951年の9月8日当時を切り取ったものだと言えるが、当時はラッキー・ストライクは洋モクとされ闇市などで手に入れるものであったが、丁度1951年に再販しだしたもので、確かに存在はしていたので、ストーリーを重厚にするプロップとしてのチョイスは素晴らしい。しかしパッケージのどまんなかに赤丸があるデザインで、今のデザインとは異る。また、この当時のラッキー・ストライクは両切りでフィルターはなく、日本初のフィルターを有したタバコが販売されたのはこの時代から数年後のHOPEが最初のはず。細かい点だが、こういった所を追求していくと、更に絵に説得力がまして、ストーリーも重厚になっていくはず。

    ▼【宮川英久 氏(シニアコンセプトアーティスト)】
    全体的に良くできた作品だと思います。レトロ感のあるオブジェクトの数々を経年劣化の風合いと共に丁寧に表現してある事、生活感をしっかりと感じさせる仕上がりになっている事は素晴らしいです。ライティングも良い感じなのですが、窓から差し込むライトシャフトは必要なかった…というか、少々やりすぎな印象です。ライトの色味自体は悪くは無いのですが、この作品の部分部分が少々彩度が高すぎるように思えます。結果として夕日の明かりの色味とのコントラストで絵が安っぽく見えてしまう結果になっているのが残念です。生活感の演出は良いのですが、流石に夕飯の準備をする段階で靴下が脱ぎ捨ててあるのはやり過ぎかもしれません。

    ▼【海老澤広樹 氏(exsa/制作本部長)】
    画面の主役ではないのでしょうが、テーブルにある「おでん」がとてもよく出来ていると感じました。細かく色々なオブジェクトを配置しており、時代感も上手く演出出来ていると思います。

    ▼【富永卓実 氏(デジタル・メディア・ラボ/リードアーティスト)】
    昭和レトロな食卓や部屋の空気感がとても丁寧に再現されており、懐かしさを感じる素敵な作品でした。ポスト処理の雰囲気づくりも上手で、全体のレトロ感をより引き立てていると思います。窓から差し込むやわらかな光や、空気中のホコリの表現によって、静かな時間の流れまで感じられました。机の上のおでんも質感表現が自然で美味しそうに見え、細かな部分までしっかり作り込まれている印象です。また、揺れるカーテンやたばこの火など、画面の中にさりげない動きを感じられる演出も魅力的で、日常の一瞬を切り取ったような温かみのある作品だと感じました。

    第10位:『アトリエ』 獲得点数:14点

    近藤 耀暉さん(デジタルハリウッド大学東京本校)

    背景モデラー志望です。

    ●作品解説
    アトリエの部屋を作りました。人となりがわかるように意識しています。

    ●使用ツール
    Maya、3DCG

    ●審査員コメント 抜粋

    【伊藤より子 氏(blue gradation/ビジュアルデザイナー・講師)】
    細部まで非常に丁寧に作り込まれた作品です。アトリエという空間の雰囲気や、そこに暮らす人物の存在が自然と伝わってきます。多くの小物が配置されているにもかかわらず、ライティングがシンプルかつ的確なため、リーダビリティが高く、視線が迷うことがありません。机や小物の配置も美しく整理されており、作品全体に心地よい統一感があります。さらに臨場感を加えるのであれば、椅子のクッションに少し使用感を持たせたり、窓際の植物が人工物に見えるのでのに枯葉を加えるなどの変化を加えたりすると、より生活感のある空間表現になるでしょう。

    【米岡 馨 氏(StealthWorks/代表取締役・VFXスーパーバイザー)】
    情報量が多く密度の高さが素晴らしいです。机のエッジが経年劣化で歪んでいるのも好感持てます。ただ期の質感が全体的にざらっとしていたり、ライトのテクスチャも妙にコントラストの強いものでその辺もっと自然にしたいですね。あと窓から差し込む光にボリュームライトを追加して空気感を演出してもいいかなと思います。

    【原田裕一 氏(MillionEdge/取締役)、所谷悠太 氏(MillionEdge/アートディレクター)】
    ノスタルジックな空気感の演出が非常に良くできており、全体の雰囲気作りに魅力を感じました。一方でアセット単位で見た際に、作り込みや質感表現にはまだ追求の余地がある印象です。全体としては少し白けて見える印象で、光の届かない箇所にしっかりと暗さを作ってコントラストを強めることで画面全体がより引き締めることができるでしょう。また窓から差し込む自然光とスタンドライトで色相に差を付けることで、視線誘導やドラマ性を追加できると思います。

    【今泉隼介 氏(モデリングブロス/代表取締役・アセットスーパーバイザー)】
    何より机の質感が圧巻で、この作品で最も惹かれたポイントです。製図台の天板に刻まれた傷、染み込んだ汚れ、木目の擦れ具合まで、長年描き続けてきた人の歴史がそのまま乗っていて、天板の重量感も伝わってきます。モデリングの物量も圧巻で、散らばる画材や資料、棚の瓶や陶器、積まれた本の一つ一つが持ち主の人となりを表現し、作者の狙いがしっかり表れているように思います。あえて一点挙げるなら、卓上ランプと窓という強い光源が二つあり、見るべきサブジェクトが少しぶれてしまっている点です。窓の外が明るいので、たとえば隣に建物や塀など少し光を遮るものを置いて窓からの光量自体を抑え、視線が窓へ逃げないようにするだけでも、ずいぶん印象が変わるはずです。窓光を一段落として主役をランプの光だまりに譲れば、狙いの製図台へ視線が絞られ、机上の物語がより一点に集まって立ち上がると思います。

    第10位:『夜の市街地』 獲得点数:14点

    成田 裕幾さん(デジタルハリウッドスクール)

    背景モデラーになるために日々精神しています。

    ●作品解説
    夜の中世ロンドンをイメージし、ファンタジー風に表現しました。

    ●使用ツール
    Maya、ZBrush、Substance 3D Painter、Unreal Engine 5、Photoshop

    ●審査員コメント 抜粋

    【宮川英久 氏(シニアコンセプトアーティスト)】
    構図が良く、興味を引くような要素がちりばめてあり魅力的な作品ですね。ライティングや空気感がしっかりと機能していると感じました。色味も悪くは無いのですが、少々中景~遠景の色相が統一され過ぎてしまっていて、絵としての深みを損ねてしまっている点が惜しく感じる所です。質感表現に関してはまだまだ改善の余地が有りそうです。汚すべきところ・湿らせるべきところなどのメリハリが感じられず「取り合えず全体的に質感を施した」という仕上がりに見えてしまっている点が勿体ないです。特に画面の手前のエリアはどうしても質感表現にも目が行きがちですからそこだけでも丁寧な作業を見せてほしいところです。建物がそれなりに高級感を感じさせるにもかかわらず、路上の雰囲気はスラム街の雑然としたそれに近いものになっていたりするなど、小さなチグハグ感が気になりました。

    【中村 創 氏(CGアーティスト)】
    奥まで作りこまれててとても良いです!フォグの感じもライティングも素晴らしい。

    【小國智仁 氏(slanted/CGアーティスト)】
    夜の雰囲気を暗く潰すことなくきれいに表現している。空気遠近をうまく使って空間の奥行きを表現できている。世界観に惹かれた。屋根の質感など、テカリ具合や凹凸感をもっと詰められるとなお良し

    ▼【齊藤良太 氏(オー・エル・エム・デジタル/セッツアンドプロップススーパーバイザー)】
    中世ヨーロッパ風の街並みの広さを感じる構図と細部が丁寧に作り込まれていて見応えがあります!窓から漏れるオレンジ色の光と夜霧が夜の街にリズムを作っていて、何か事件が起きそうな雰囲気があって面白いと思いました。

    第10位:『Sky Kingdom』 獲得点数:14点

    前田 真樹さん(日本電子専門学校)

    27卒 / 背景モデラー志望。シネマティックな画作りを目指し、日々自主制作に取り組んでいます。
    X : @tomozoman_

    ●作品解説
    浮遊地形と巨大建築によるスケール感のある Environment を制作。キャラクター視点を意識し、視線誘導による没入感のある画作りを目指しました。

    ●使用ツール
    Houdini、Maya、Nuke、Substance 3D Painter

    ●審査員コメント 抜粋

    亀田健太郎 氏(WETA Workshop/シニアコンセプトアーティスト)】
    シネマティックトレーラーから1枚抜き出してきたようなかっこいい1枚です。ライティングや構図、スケール感などの見せ方は素晴らしいと思います。ですが、中身はもう少し詰められるかもしれません。まず、重そうな建造物がわざわざ地盤の弱い岩の間に建っている意図や視覚的説得力が少し弱いと感じます。しっかり岩の上に建てる、もしくは建築を軽そうなデザインにするなど、「信じられる嘘」をつけるといいと思います。また「浮遊地形」と書かれていましたが、下の方がすべて雲に覆われているため浮遊している感じがあまり出ておらず、現状地面から高く伸びた岩山という風に見えてしまっています。浮遊表現のためには少なくとも数個の岩は、浮いてる下部が見えているとわかりやすいと思います。(自分が「浮遊地形」の意味をはき違えていたらすみません)見せ方の技術は申し分ないので、ロジックをより詰めることができたら、説得力が増し、より深みのある作品になるのではないかと思います。

    【馬場拓己氏(KATACHI/背景ディレクター・CGスーパーバイザー)】
    挑戦的な題材を選んでいて良いと思いました。円形の崖の配置が平均的なので、空が抜けている部分、抜けていない部分を整理して建造物に目が行くように整えていくと構図的に落ち着いてくるかと思いました。また、遠景の崖に植物が配置されていなかったり、庭園部分の植物と自然地形部分の植生が同じようにみえたり、少しもったいないと感じる部分がありました。

    【ひるま克治 氏(Z-FLAG/取締役)・他Z-FLAG社員】
    見せたいものがわかりやすい構図と立体感とボケ具合。屋根の光り方もとてもリアルで、その場にいるような臨場感がありますね。雲にもうひとつリアリティがあれば最高です。空気遠近やレンズフレアも入っていてよくまとめられている。手前の人もディテールがあり、いいアクセントだと思う。ルックが綺麗で見やすくて良い 見ていてワクワクするような作品 構図が良い

    【尾関昭宏 氏(トゥエンティイレブン/CGディレクター)】
    無数にそびえる岩柱と雲海、その中に浮かぶ黄金の王国という組み合わせが印象的で、遠景まで含めた空間設計に強い説得力があります。特に朝日の逆光表現と空気遠近の扱いが丁寧で、壮大さと静けさが同時に伝わってくる点が素晴らしいです。一方で、中央の王国デザインが非常に魅力的な分、視線がそこに集中しすぎて地面の草や木がやや均質に感じられる部分もありました。地面の場所ごとの形状差や植生密度にもう少し個体差を加えると、さらに自然で奥行きのある景観になりそうです。

    ▼審査参加企業・アーティスト

    <<特別審査員>>

    キャラクター部門

    成田昌隆

    CGモデラー

    【総評】
    今回のコンテストでは62点の作品を拝見しました。経験や作風はさまざまでしたが、どの作品からも作者の熱意と創作への思いが伝わってきました。私は主にモデリングの観点から審査を行いましたが、印象に残ったのは単なる作り込みではなく、「なぜその形なのか」が感じられる作品です。人間であれば骨格や筋肉、クリーチャーであれば生態や動きの理屈が造形に反映されていると、作品に強い説得力が生まれます。今回の応募作には、観察力や造形への探究心が随所に見られ、大変嬉しく思いました。ぜひこれからも形の意味を考えながら制作を続け、自分だけの表現を磨いていってください。皆さんの今後の成長を楽しみにしています。

    【採点結果】
    望月 平:4点 野上 綾斗:1点 吉川 颯大:4点 りゅう もんちぇん:2点 和田 光瑠:1点 櫻庭 愛梨:1点 FONG POKWAN:1点 椎 恭善:2点 横田 涼雅:3点 大橋 琉介:1点

    山本原太郎

    DreamWorks Animation
    Look Development Lead Artist
    https://www.dreamworks.com/

    【総評】
    沢山の力作を拝見し、応募者の皆様の熱い思い、また想像力の広さに感銘を受けました。いろいろなソフトを使いこなし、オリジナルのアイディアを作品として完成させる意気込みを大いに感じ取りました。好きこそものの上手なり、今回の応募で終わらず、これからもいろいろなスタイルの作品にチャレンジしてほしいと思います。

    【採点結果】
    望月 平:2点 りゅう もんちぇん:1点 金子 笑大:1点 眞野 緒美:2点 夏 桐:1点 チャイマッタヨンポン チャナンポン:1点 ムナシンハアーラッチゲヴィムクティ チャモドチャトゥランガ:1点 中西 あやの:1点 FONG POKWAN:1点 椎 恭善:2点 横田 涼雅:1点 浦末 藍瑠:1点 鄭 迦怡:1点 服部 壮真:1点 大橋 琉介:1点 Aroonrat Pakin:2点

    ちろナモ

    キャラクターアーティスト

    【総評】
    たくさんのご応募ありがとうございました!楽しく拝見させていただきつつ、キャラ部門にご応募いただいた方には全員に講評をお返しいたしました。応募作品を俯瞰してみると全体的にご自身が表現したい世界観やキャラデザインがしっかりある方が多かったので、どんなキャラを作るかについては引き続き皆様それぞれの個性を発揮していって欲しいと思います。ただ作ったキャラをどう見せるか?についてはこだわれている方が少なかった印象です。せっかく作ったキャラですのでその魅力を多くの人に伝えるところにもぜひ着目し、構図やライティング、ポージングにも磨きをかけていって欲しいと思います。キャラを作るのは難しいですがその分成長したり上手く表現できた時の喜びも大きいので、楽しみつつ、一緒に成長していきましょう。僕も頑張ります!

    【採点結果】
    鈴木    北斗:3点 りゅう もんちぇん:3点 櫻庭 愛梨:2点 眞野 緒美:2点 夏 桐:2点 中西 あやの:1点 豊田 凛:3点 古川 跳悟:1点 落合 暖:1点 大橋 琉介:2点

    野口孝雄

    Doshindo LLC / doshindo japan
    代表・監督・クリエイター
    https://doshindo.com/

    【総評】
    応募された方々の個性や情熱が伝わる作品をたくさん拝見させていただきました。リアルな人物や動物、架空の生き物やデフォルメされたキャラクター、それぞれのジャンルで光るものを感じる魅力的な作品が多く、今後の活躍が期待される方たちばかりです。いつかお仕事を一緒にできる機会があることを期待しております。


    【採点結果】
    鈴木 貫太:2点 金子 笑大:5点 夏 桐:5点 小澤 優里香:5点 服部 壮真:3点

    背景・プロップ部門

    亀田健太朗

    シニアコンセプトアーティスト

    【総評】
    完成度も魅力も高い作品が多く、点数付けにとても悩みました。皆さんの作品を見ていて、「表現したいことがあること」と「それを表現する技術があること」の両輪が合わさって初めていい作品になるのだな、という基本的なことに改めて気づかされました。 どちらも時間をかけて磨けばどんどん伸び、深まるものなので、これからも楽しみながら続けていってほしいなと思います。これからの皆さんの活躍を見るのが楽しみです。貴重な経験でした。ありがとうございました。

    【採点結果】
    毛利 波瑠香:2点 中村 丈太郎:1点 立石 優那:1点 モリス キアヌ海:2点 續橋 進之助:1点 岡田 彩花:2点 皆川 大樹:2点 服部 直江:4点 中條 真人:5点

    米岡 馨

    StealthWorks
    代表取締役/VFXスーパーバイザー
    https://www.stealthworks.jp/

    【総評】
    作品ごとのクオリティの違いはあれども、皆さん作品制作を楽しんでいるのが見て取れ、自分も若い頃に感じた、中々上手く行かないでも楽しくて止められないCGの奥深さの根源を見た気がします。試行錯誤は時に苦しいものですが、AIが発展していく昨今、「何故上手く行かないのか」を知る人の価値が相対的に上がっていくのは間違いありません。

    【採点結果】
    熊谷 薫:1点 佐藤 伶王:1点 後藤 宏斗:1点 前川 織音:1点 近藤 耀暉:1点 栗山 実夏:1点 毛利 波瑠香:1点 赤羽 佑斗:1点 野田 紬:1点 小瀬 諒太朗:1点 モリス キアヌ海:1点 續橋 進之助:2点 岡田 彩花:2点 服部 直江:2点 中條 真人:2点 田所 愛茉:1点

    伊藤より子

    blue gradation
    https://www.blue-gradation.com/

    【総評】
    これまでこちらの審査員を務めさせていただく中で、毎回完成度の高い力強い作品に出会い、多くの刺激をいただいています。今回特に注目したのは、技術力だけでなく、その作品に作者ならではの個性やストーリー性がどれだけ表現されているかという点です。また、単に作品を作る力だけでなく、世界観や意図を明確に伝えられるアートディレクターとしての素質も重要になってきていると感じています。AIの進化によって、モデリングやテクスチャ制作などの技術的な作業はますます効率化されています。しかし、その一方で何を表現し、どのような世界観を構築するのかを考え、方向性を示せる人材の価値は今後さらに高まっていくでしょう。そしてその根底にあるのは、一人ひとりの個性だと思います。だからこそ、誰にでも作れる作品ではなく、「自分にしか作れない作品」を目指して挑戦し続けてほしいと思います。皆さんがこれからどのような作品を生み出していくのか、とても楽しみにしています。

    【採点結果】
    末光 将志:1点 近藤 耀暉:2点 中村 丈太郎:1点 長谷川 弓:1点 李 凱軍:1点 前川 海斗:1点 小瀬 諒太朗:1点 﨑田 一颯:3点 渡邊 房昭:2点 中井 なな:1点 續橋 進之助:1点 貝野 遼馬:1点 服部 直江:3点 中條 真人:1点

    中村 創

     CGアーティスト

    【総評】
    AIで簡単に絵を生み出せる時代になりましたが、その中で自分自身の手で作品を完成させ、応募までたどり着いたこと自体が素晴らしい挑戦だと思います。年齢や性別、住んでいる場所も異なる多くの方々の作品が集まり、それぞれの個性やこだわりに触れられたことをとても嬉しく感じました。 AIで出力した画像は後から見返すことも少ないかもしれませんが、自分で悩み、考え、作り上げた作品は生涯記憶に残る財産になると思います。 今回見せていただいた作品には、それぞれの作者ならではの視点や発想が詰まっていました。これからもぜひ、自分にしか作れない世界を楽しみながら形にしていってください。 作品としてさらに魅力を高めるためには、「何を一番見せたいのか」を意識した構図や視線誘導、ライティングの整理が重要です。せっかく時間をかけて作った主役や見せ場は、遠慮せずしっかり見せてください。皆様の今後の活躍を楽しみにしています。

    【採点結果】
    松尾 拓也:1点 木村 有里:1点 前川 織音:1点 近藤 耀暉:1点 成田 裕幾:1点 赤羽 佑斗:1点 野田 紬:1点 前川 海斗:1点 小瀬 諒太朗:1点 モリス キアヌ海:1点 﨑田 一颯:1点 中井 なな:1点 續橋 進之助:1点 中尾 光:1点 岡田 彩花:1点 皆川 大樹:1点 渡邉 瑠美香:1点 服部 直江:1点 チョージン ウイン:1点 中條 真人:1点

    キャラクター部門&背景・プロップ部門

    秋元純一

    トランジスタ・スタジオ/取締役副社長

    【総評】
    これまでも言及してきた事だが、本コンテストの全体的なレベルは高い水準で推移していっていると感じている。その中でも非常に優れた作品もある中で、どうしてもある一定の基準を超えられない作品も当然多くあるが、これは単純な技術力の差とは言い難く、恐らくはリファレンスの準備力や、不明なアプローチ、技術に対する検索力など、そういった制作のサイドワークの部分なのだろうと思う。高いクオリティラインを持った作品に共通している事は、最初から何を作ろうとしているか明確で、その為のリサーチやリファレンスの整理などが理路整然としているのだと想像する。とりあえずなんとなく手を付けだした場合、制作途中に不都合が生じる事もあるし、無駄な時間を使ってしまい、最終的にブラッシュアップに使用する時間がなくなってしまう事も多々あるだろうと思う。リファレンスは写実的なものだけに必要なのではなく、様々なものにおいて重宝する。人間の記憶は適当なので、リファレンスを見ながら作ってもズレていってしまうものだ。そういった部分の解消においてCGは非常に得意なはずだが、使用する人間に限界があるということだ。昨今、AIを在りようが問われているが、むしろAIはリファレンス整理で非常に有効に活用できるし、ラフの制作においても無駄がなくていいと思う。要は人間の使いようで、あくまでもツールなのだと割り切る事でしかない。筆やペンで書いていた人にとって、CGはまさに同じ事であったわけで、最終的には自分のツールとして使用する”幅”に過ぎないのだと思う。

    【採点結果】
    望月 平:5点 りゅう もんちぇん:1点 和田 光瑠:1点 金子 笑大:1点 櫻庭 愛梨:2点 豊崎 朝妃:1点 眞野 緒美:4点 夏 桐:2点 豊田 凛:1点 菅野 颯太:1点 横田 涼雅:1点

    鈴木卓矢

    SAFEHOUSE, Inc.
    取締役/モデリングスーパーバイザー
    https://safehouse.co.jp/

    【総評】
    皆さんお疲れ様でした。今回も200を超える作品をご応募いただきありがとうございます!今回も僕の中でキャラ、背景共に「おっ」と思える作品に対して点数を入れさせていただきました。ですがダントツ上手っていう作品はなく点数を入れた作品はホントに微妙な差で、ちょっと気を付ければもっといい点を取れるようなそんな感じの際どい僅差でした。ここはよくできてるけど、ここはもったいないっていう作品が多く、この作品とこの作品を足したらめっちゃいいのにっていう各作品の特色が表れた回だと思います。ただ点数を入れた作品にはかならず製作者のこだわりが見える作品を選んでいるので、ただ作るだけではなくここだけは他に負けないという部分を作ると審査員の目に留まるような良い作品になると思うので次回も頑張ってほしいと思います!

    【採点結果】
    望月 平:4点 吉川 颯大:2点 りゅう もんちぇん:1点 金子 笑大:3点 眞野 緒美:3点 豊田 凛:2点 浦 悠人:2点 横田 涼雅:3点

    宮川英久

    シニアコンセプトアーティスト

    【総評】
    どの作品に点数を入れようか非常に悩ましかったです。点数を入れるかどうかの明暗を分ける一つの基準に「きちんと仕上げられているか」という物があります。野心的な作品は個人的にとても好きなのですが、それを演出するライティングや構図が魅力を欠いていては最後の最後で点数を入れることに躊躇してしまいます。また、今回はコンセプトアーティストを志望されている方が多かったように思います。コンセプトアートとは決して「リッチな描写の絵」ではありません。良いコンセプトアートを描くには優れたデザイン能力と絵の構成力が必要です。3DCGを用いる事で描写力をブーストしコンセプトアートの近道を進んでいるつもりであるならば、それは大きな勘違いです。結局のところ地の絵描きとしての能力と創造性が全てです。3DCGはあくまでその先にあるツールの選択の一つでしかなく、3DCGを使えるからといって(3DCGを用いずに)絵を描く事を学ぶことを避ける事が出来るわけではありません。(応募者の皆さまに限らず、日本国内において)コンセプトアートという物に対する誤解が産まれてしまっている事に危機感を覚えています。皆さんの渾身の作品の数々を拝見し、あろうことか評価・講評させて頂ける機会を頂けた事に感謝しております。皆さまのこれからの飛躍に大いに期待しております。

    【採点結果】
    望月 平:1点 鈴木 北斗:1点 りゅう もんちぇん:1点 金子 笑大:1点 櫻庭 愛梨:2点 眞野 緒美:3点 夏 桐:1点 チャイマッタヨンポン チャナンポン:1点 上野 愛加:1点 豊田 凛:1点 古川 跳悟:1点 横田 涼雅:2点 川村 麻美:1点 大場 史斗:2点 Aroonrat Pakin:1点

    <<企業審査員>>

    トゥエンティイレブン

    https://cgworld.jp/jobs/30481.html

    【総評】 尾関昭宏氏(CGディレクター)
    幅広いジャンルに挑戦しながら、それぞれ高い完成度でまとめられていた点が非常に印象的でした。特にライティングによる空気感づくりや、世界観を支える小物配置・質感表現に強みがあり、「その場所で人や物が実際に存在している」と感じさせる説得力があります。全体として技術力だけでなく“見せたい世界”がしっかり伝わる、非常にレベルの高い作品ばかりでした。

    【採用対象】
    2026年度採用/2027年度採用/2028年度採用

    KATACHI

    https://cgworld.jp/jobs/30413.html

    【総評】馬場拓己氏(背景ディレクター / CGスーパーバイザー)
    今回久しぶりに背景・プロップ部門の講評をさせていただきました。今回は過去の応募作と比べると本人が納得できるまで時間をかけて作り込んだり、ブラッシュアップしたり、表現の追求ができた作品は少なかったように感じました(感じただけかもしれません)。もしプロを目指しているのでしたら、就職したら同期は「学生の時それぞれのクラスや学校で一番だった人たち」になりますし、目指すべき先輩は「最前線で何十年もCGを作り続けた人たち」になります。今の自分がいる環境で周りと比べて一番程度の実力で満足してしまうといざ業界に入ってから挫折すると思いますので、これまでのWHO'S NEXT?の全作品の中で一番になるくらいの気持ちで作品をつくるくらいがちょうどいいんじゃないかと思います。

    【採用対象】
    2026年度採用/2027年度採用/2028年度採用

    ORENDA WORLD/KORAT

    https://cgworld.jp/jobs/30381.html

    【総評】飯田 泰弘氏(Modeling Supervisor)/佐藤 琢磨氏(Modeling Supervisor)/新美 遥香氏(Production Manager)/井上 憲一氏(Modeling Supervisor)/樋川 仁美氏(Modeling Designer)/山元 太陽氏(VFX Producer)
    以前は専門学校生や大学生からの応募メインでしたが(今もメインですが)、今年は中学生からの応募も複数あり、CGの広がりを感じうれしく思います。一方で、全体的な流行と言いますか、似たような作風の物が多くなってきている印象です。セルルック系の作品が多くなる一方でフォトリアルな作品が少し減っている印象です。時代の流れや流行りすたりを感じれら非常に興味深かったです。

    【採用対象】
    2026年度採用/2027年度採用/2028年度採用/アルバイト募集/インターン募集/CG未経験可

    デジタル・メディア・ラボ

    https://cgworld.jp/jobs/10070.html

    【総評】 富永卓実(リードアーティスト)
    今回寄せられた作品の数々からは、真摯な熱意と情熱が強く伝わってまいりました。昨今、AIによる画像生成技術が急速に普及し、CGの世界にも大きな変革をもたらしています。そのような時代だからこそ、人の手と感性によって丁寧に作り上げられたこれらの作品の価値は、一層輝きを放っていると改めて感じます。試行錯誤を重ねながら完成へと導いた過程そのものが、各作家のユニークな個性と作品の力を体現していることが伝わりました。今回出会えた若き才能こそが、これからのCG・映像表現の未来を切り拓いていく存在だと確信しています。今後のさらなる成長と活躍を、心より期待しております。

    【採用対象】
    2026年度採用/2027年度採用/2028年度採用/インターン募集 ※作品審査あり

    exsa

    https://cgworld.jp/jobs/21100.html

    【総評】 海老澤広樹 氏(制作本部長)
    例年に比べ、キャラクター部門の応募数が増えたように思います。背景部門はどこか既視感のある作品が多かったように思います。このコンテストの知名度が上がり一般化してきたのか色々なレベル感の作品が集まるようになってきたのはとても良い事かと思います。キャラクター、背景、共にCGツールを扱える人が増えて、ツールも進化する中で、作り手として求められる事が、より本質的なものに変わってきています。今後は「考えられる人」が業界でも活躍すると思いますので、何かしらそれを感じられる人に点を付けさせていただきました。皆さんの今後のご活躍を心から応援しております!

    【採用対象】
    2026年度採用/2027年度採用/2028年度採用/アルバイト募集

    FelixFilm

    https://cgworld.jp/jobs/30362.html

    【総評】奥田早織 氏(キャラクター部門)、坂本実輝 氏(背景・プロップ部門)(リードモデラー)
    応募者の皆さんが日頃から積極的にCG技術の習得に取り組まれていることが、作品を通して伝わってきました。全体的にクオリティが高く、それぞれに工夫やこだわりが感じられる見応えのある内容でした。今後さらに経験を積み、技術力と表現力を磨いていくことで、より完成度の高い作品へと発展していくことを期待しています(奥田)。皆さんの持てる知識、技術を使って仕上げてきた事が伝わってきました。絵作りにそれぞれのこだわりや意図が込めらていて、それをどう表現するか皆さん独自の感性が見られる作品でした。今後さらに技術、知識、観察力が上がり作品を色鮮やかにしていくことを期待しています(坂本)。

    【採用対象】
    2026年度採用/2027年度採用/2028年度採用

    グラフィニカ

    https://cgworld.jp/jobs/10159.html

    【総評】 後藤岳 氏(札幌スタジオ CGテクニカルコーディネーター)
    作品数が多く、かつ全体のレベルが着実に向上していることを強く感じました。そのため最終審査作品の選定においては、一度の審査では判断しきれず、複数回見返しながら比較検討を重ねる場面が多くありました。表現の幅や構図、モチーフ選定における新しい視点に刺激を受ける作品も多く見られた一方で、今回は特に「質感表現やライティングなど、基礎技術をどこまで丁寧に突き詰めているか」という点を重視しています。細部の積み重ねによって完成度を高めている作品が、最終的に強い印象を残していました。

    【採用対象】
    2026年度採用/2027年度採用/2028年度採用

    アイロリ・エンタテインメント

    https://cgworld.jp/jobs/30530.html

    【総評】CGデザイナー
    今回はアイデア、技術、熱意にあふれた作品が数多く集まり、大変見応えのあるコンテストとなりました。自分の興味や好きなことを深く掘り下げ、それを他者に伝わる形で表現しようとする姿勢が多くの作品から感じられました。また、作品の完成度を高めるためには、地道な修正や細かな調整を積み重ねることも欠かせません。これからも探究心と挑戦する気持ちを大切にしながら、制作を続けていただければと思います。

    【採用対象】
    2026年度採用/2027年度採用/2028年度採用

    ジェットスタジオ

    https://cgworld.jp/jobs/46.html

    【総評】 石井 裕 氏(CGディレクター)
    皆様の想いが詰まった作品の数々に今回も大きな刺激をいただきました。特に空気感やライティングの演出が良く視線誘導を意識した作品を高く評価させていただきました。技術が進歩するからこそ大切になるのは「自分ならどう作るか」という視点だと思います。CGならではの表現力と個々の内面から溢れ出るアート性を楽しみながら、これからも「自分らしさ」を追求した作品を創作していってください。皆様の今後のご活躍を心より楽しみにしております!

    【採用対象】
    2026年度採用/2027年度採用/2028年度採用

    KASSEN

    https://cgworld.jp/jobs/30687.html

    【総評】三宮龍之介 氏(CG Director) / 小野誠太郎 氏(CG Producer)
    今回の審査ではフォトリアル系からアニメ調まで幅広い表現の作品が集まり、それぞれの作家性やこだわりが感じられる力作が数多く見受けられました。特に印象的だったのは、単に技術を見せるだけでなく、「何を伝えたいのか」「見る人にどう感じてもらいたいのか」という意図が、構図や色彩設計、動きの演出にまで丁寧に落とし込まれていた点です。CG制作において技術力は重要ですが、それ以上に作品へ込められた視点や感性が大きな魅力になります。ぜひこれからも自身の表現を磨き続け、皆さんならではの作品づくりに挑戦してください。今後のさらなる成長と活躍を楽しみにしています。

    【採用対象】
    2026年度採用/2027年度採用/2028年度採用/アルバイト募集/インターン募集

    Million Edge

    https://cgworld.jp/jobs/30430.html

    【総評】原田裕一 氏(取締役)、所谷悠太 氏(アートディレクター)
    今回も参加の機会をいただき、ありがとうございました!細部までこだわり抜いて丁寧につくられた作品、全体の雰囲気に圧倒される作品、そしてノスタルジックで感情を揺さぶられる作品など、多様な「エッジ」が光っていました。どの作品からも皆様が大切にされている想いが伝わってきて、評価の枠にとどまらない素敵な作品ばかりで本当に悩ましかったです。CG制作に対する皆様の情熱と努力に、我々もとてもいい刺激を受けました!今だからこそ生み出せるものづくりを、ぜひ全力で楽しんで下さい。今回、様々なプロの方から評価やフィードバックを受けたかと思います。それらを成長の糧にしながら、ぜひこれからの制作に活かしてください!弊社のコメントも皆様の制作活動の一助となれば幸いです。皆様の今後の躍進を心より応援しております。そして、いつか現場で一緒に仕事ができる日を楽しみにしています!

    【採用対象】
    2026年度採用/2027年度採用/2028年度採用/CG未経験可

    モデリングブロス

    https://cgworld.jp/jobs/47002.html

    【総評】 今泉隼介 氏(代表取締役・アセットスーパーバイザー)
    今回の応募作品も全体的にレベルが高く、それぞれの作者が自分なりの世界観やストーリーを持って制作に臨んでいることが伝わってきました。背景作品において最も大事なことの一つである「ストーリーを伝える力」が、多くの作品にしっかり宿っていたと思います。画面に写っていない人物の気配、その場所で流れてきた時間、画面の外に広がる世界などをオブジェクトの選択や配置、ディテールの積み重ねで想像させる作品が数多くあり、審査していて非常に楽しかったです。皆さんの今後の作品を楽しみにしています。

    【採用対象】
    2027年度採用/2028年度採用/アルバイト募集/インターン募集

    New Story Inc.

    https://cgworld.jp/jobs/30782.html

    【総評】綱嶋荘子 氏(Chief Design Officer)
    皆様の作品から、キャラクターや背景の奥にある物語まで伝えようとする強い意志を感じました。表情やポーズ、構図、ライティング、質感の作り込みなど、それぞれのこだわりが画面に表れており、商用作品の一場面のように感じる作品も多くありました。今後はリファレンスの観察をさらに深め、重心や素材感、空間の奥行きまで整えていくことで、より説得力と没入感のある表現に磨かれていくと思います。皆様の今後の制作とご活躍を楽しみにしています。

    【採用対象】
    アルバイト募集/インターン募集/CG未経験可

    NIEICHI

    https://cgworld.jp/jobs/30738.html

    【総評】CGデザイナー一同
    それぞれの作品から自分の好きなものを一枚に詰め込みたいという強い熱量が感じられ、作者自身の感性や趣味嗜好が色濃く反映されていた点が印象的でした。また構図設計やライティング、シチュエーションづくりによって物語性を巧みに表現している作品も多く、1枚の絵から背景や世界観を想像できる完成度の高い作品が目立ちました。細部まで丁寧に作り込まれた作品からは、制作に対する情熱や努力がしっかりと伝わってきます。題材選びや絵作りにも作者ごとのこだわりが表れており、「なぜこのモチーフを選んだのか」「どんな作品やカルチャーに影響を受けているのか」といった部分まで想像しながら講評できたことも、大きな楽しみの一つでした。学生作品ならではの自由さや勢い、そして“好き”を突き詰めるエネルギーにあふれた、非常に見応えのあるコンペだったと思います。皆様の今後のさらなるご活躍を楽しみにしております!

    【採用対象】
    2026年度採用/2027年度採用/2028年度採用/アルバイト募集(フルタイム勤務可能な方優遇)/インターン募集/CG未経験可(デザインやテック表現などのクリエイティブスキルがある方優遇)

    オー・エル・エム・デジタル

    https://cgworld.jp/jobs/10024.html

    【総評】 齊藤良太 氏(セッツアンドプロップススーパーバイザー)
    作品にかける熱意や「やりたいこと」が生き生きと伝わってくるものが多く、選考や講評の作成には非常に頭を悩ませました。選考にあたっては、絵としてのコンセプトに一貫性と説得力があるか、また、世界観とスケール感のバランスが崩れていないか、という点を基準に拝見しました。

    【採用対象】
    2026年度採用/2027年度採用/2028年度採用

    slanted

    https://cgworld.jp/jobs/30207.html

    【総評】 小國智仁 氏(CGアーティスト)
    今回も非常にレベルの高い作品が多く、どの作品からも作者の熱意やこだわりを強く感じました。技術的な完成度だけでなく、それぞれが持つ世界観や表現したいものがしっかり伝わってきたことが印象に残っています。私は普段VFXや実写合成を中心に仕事をしていますが、今回の審査を通して普段触れる機会の少ない表現にも数多く出会うことができとても刺激を受けました。今回ご応募いただいた皆様の今後のご活躍を心より期待しています。そしていつか業界のどこかで、クリエイター同士としてご一緒できる日を楽しみにしています。

    【採用対象】

    Spooky graphic

    https://cgworld.jp/jobs/10054.html

    【総評】 ハヤシヒロミ氏(CGディレクター)
    たくさんの作品を拝見することができ、とても楽しく審査させていただきました。CGに触れて間もない方や、絵を描く経験が少ない方など、さまざまな方が応募されていたように感じます。

    3DCGはリアルな質感や空間表現に優れたツールですが、最終的に大切なのは「一枚の絵」として作品を完成させることです。構図や視線誘導、シルエット、感情表現などの「絵作り」の力を磨くことで、作品の完成度はさらに高まります。技術だけでなく絵心も意識して伸ばしていくことで、見る人の心を動かす魅力的な作品になっていくと思います。

    【採用対象】
    2027年度採用/2028年度採用/アルバイト募集/インターン募集

    Z-FLAG CG TEAM

    http://www.z-flag.com/recruit/

    【総評】 ひるま克治 氏(取締役)・他Z-FLAG社員
    久しぶりに参加したのですが、大きく飛びぬけてる作品が前より少ないように感じました。そこはちょっと残念でした。

    【採用対象】
    2026年度採用/2027年度採用/2028年度採用/アルバイト募集/インターン募集/CG未経験可