『スターオーシャン セカンドストーリー』(1998/以下、『SO2』)のリメイク作品である『STAR OCEAN THE SECOND STORY R』(以下、『SO2R』)は、2023年11月2日の発売以来、国内外のゲームファンから高い評価を受けている。その開発の舞台裏を、前後編に分けて紹介する。
関連記事
INFORMATION
『STAR OCEAN THE SECOND STORY R』
プラットフォーム:Nintendo Switch/PlayStation 5/PlayStation 4/Steam
価格: 通常版 6,578円(税込)
発売:スクウェア・エニックス
開発:ジェムドロップ
www.jp.square-enix.com/so2r
STAFF
より面白くするための工夫を積極的に盛り込む
原作ではプリレンダーによる1枚画の切り替えで表現していた背景を、『SO2R』では3Dマップに変更し、アレンジや改良も加えている。「これは僕の経験に根ざした考えですが、昔のゲームをリメイクするときに、内容はそのままで、見た目だけ綺麗にしてもユーザーは新鮮味を感じないんです。"綺麗になったね" といった感想で終わってほしくなかったので、原作の特徴を残しつつ、より面白くするための工夫を盛り込みました」(増田氏)。
例えば、原作の神護の森とアーリア村は真っ直ぐに舗装された道でつながっていたが、3Dマップで再現してみると退屈で間がもたない画になった。そのため道を緩やかに蛇行させ、両側に麦畑を配置して、見映えのする風景へと改良している。一方で、神護の森の出口付近とアーリア村の中を流れていた特徴的な2本の川は、『SO2R』でも再現した。「原作の川は広域のワールドマップになると途中で途切れていたのですが、『SO2R』では2本の川が合流して、海へとつながる地形をつくっています。そういった辻褄合わせは説得力を高める上で重要なので、丁寧にデザインしました」(増田氏)。なお『SO2R』では "原作のテキストを変更しない" という決まりがあったため、キャラクターの台詞に合わせて川をつくるといった辻褄合わせも行なっている。
『SO2R』ではエフェクトも3Dでつくっているが、カメラに合わせてビルボードのキャラクターが回転した際に、戦闘時の攻撃エフェクトがズレてしまう問題が発生した。そのため該当するエフェクトは最終出力時にビルボードと同じ挙動にし、キャラクターに合わせて回転させることでズレをなくす対策を施している。
神護の森のリメイク
アーリア村のリメイク
フィールドにおける、ブレンドカメラの設定
ハーリーの町のリメイク
ラクール前線基地のリメイク
リンガの聖地のリメイク
愛の場のリメイク
グレムリンレアーのリメイク
サザンクロスのリメイク
UnityのTimelineを活用した、プロローグムービー制作
ワールドマップのリメイク
アーリア村のワールドマップ
クロス城下町と、ファンシティ近辺のワールドマップ
INFORMATION
月刊『CGWORLD +digitalvideo』vol.308(2024年4月号)
特集:アニメ『アイドルマスター シャイニーカラーズ』
定価:1,540円(税込)
判型:A4ワイド
総ページ数:112
発売日:2024年3月8日
TEXT&EDIT_尾形美幸/Miyuki Ogata(CGWORLD)
文字起こし_大上陽一郎/Yoichiro Oue
PHOTO_弘田 充/Mitsuru Hirota