Pico Technology Japan株式会社による新製品発表会および新製品を活用したエンターテインメントショー「PICO Carnival- New Product Launch Event in VRChat World」が4月9日(水)、VRChatにて開催。同社のVR製品およびモーショントラッカー製品、それらを利用したパフォーマンスが披露された。

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    本イベントはバーチャルファッションショー「Voyage」チームが制作したワールドで開催され、出演者はいずれもPico Technology Japanのリアルタイムトラッキング技術によるモーションを伴って登壇。オンラインでの開催でありながら、臨場感と没入感を伴う発表会となっている。

    MCはeスポーツキャスターも務めるモーリー氏が担当。モーリー氏による会場アナウンスで、登壇するパフォーマーの紹介をされた後、イベントが開始された。

    最初に登壇したのは、Pico Technology Japanのアレックス氏。VR製品に関して「現実のさらに一歩先」「超、現実。」をコンセプトに掲げ、PICOシリーズの製品ラインナップや、日本全国で開催されたポップアップイベント、ビックカメラやヨドバシカメラ店頭での体験イベント、VRChat内にて毎日開催のダンス教室イベント『ピコトラ!みんなで踊ろう!!』など様々な施策を同社が展開してきたことを紹介した。

    アレックス氏は続いて、そうした様々な施策を通じて得られたユーザーたちからの声のうち、特に大きかったものとして「VRChatなどでフルボディトラッキングの精度をさらに高めてほしい」「PC連携をより快適にしたい」「空間ビデオなど動画鑑賞をもっと気軽に楽しみたい」があったことを挙げ、同社はこれらを重要な課題と認識して取り組んできたと述べた。

    そして、「そんな課題意識を踏まえた」と前置きをし、アレックス氏はPICO OSのアップデートを発表。
    発表されたPICO OS 5.13.O.Uでは、PCやスマートフォンの画面をPICO上で表示する機能の最適化として「パノラマスクリーンでの作業空間の最適化」、最新スマートフォンで撮影された空間ビデオのサポートなどの「フォトギャラリー機能の大幅なアップグレード」、単純なトラッキング精度の向上からV眠(バーチャル空間上での睡眠)までもをカバーする最適化「PICO Motion Trackerの体験最適化」、「開発者オプションの拡充」を実現した。

    また、発表はソフト面だけに留まらず、新製品としてPICO Motion Tracker Waist Versionも発表。これまでも同社はモーションキャプチャ機器として足首に装着するPICO Motion Trackerを扱っていたが、新たに発表されたPICO Motion Tracker Waist Versionは腰への装着を前提とするものとなった。

    PICO Motion Tracker Waist Versionは背側、腹側問わずバンドで腰に装着し、簡易なセットアップを行うだけで、寝転んだ体勢やダンスのような激しい動きでも高い精度でモーションキャプチャができるようになるという。マカロン大のサイズに、27gと軽量な本体重量、最長で25時間持続するバッテリーなど、スペック面としても日常的な使用に足るラインのものを完備。VRChat以外にも20のアプリケーションをサポートしている。残す発表は価格や発売時期、それに伴う割引などのキャンペーン……となったところで一度アレックス氏は降壇。肝心の発表はエンターテインメントショーの後に持ち越された。

    ショーは歌とダンスやBEAMS公認によるランウェイなどの5つの演目から成り、いずれのモーションもPICO4 Ultra、PICO Motion Trackerおよびこの日発表されたPICO Motion Tracker Waist Versionによるもの。浮遊する舞台装置などVRならではの仕掛けを交えつつ、同社の新製品を活かした破綻のない動き、腰周りを含めた自然で滑らかなモーションによるショーが披露された。

    yoikami(カソウ舞踏団)『マリオネットダンス:ワイヤレス・ビジュアリゼーション(可視化した無線)』
    懐芽育音ゆめりくん『RPG(SEKAI NO OWARI)』
    kawasaki silvia・VirtualBEAMSバーレスクステージ
    yoikami(カソウ舞踏団)『ひとりぼっちの晩餐会』
    ALDLAwithピコ友たちによるダンスステージ

    エンターテインメントショー終了後、再びPico Technology Japanのアレックス氏が登壇。

    発表を残していたPICO Motion Trackerの価格と発売日について、税込5,900円、イベント終了後間もない4月10日(木)販売開始という情報が明かされると、会場が俄かに湧いた。

    また、発売に合わせたキャンペーンやイベントも開催。PICO4 Ultraを認定販売店で購入・決済完了したユーザーを対象に先着1,000名でPICO Motion TrackerとPICO Motion Tracker Waist Versionのプレゼントが行われることや、ヨドバシカメラマルチメディアAKIBAでの新製品体験会を含むオフラインイベント、ハシヤスメ・アツコ氏やピコ太郎氏をゲストに迎えたトークショーなどが告知された。

    さらに、ビックカメラグループではPICO4 Ultra購入時にVR機器の買い取り時に使える5,000円増額チケットプレゼントキャンペーンも開催。すでにVR機器を所有するユーザーのPICO 4 Ultraへの乗換を推進していくという。

    最後に、イベントでの発表内容をまとめたスライドが表示され、イベントは終了。

    本発表および公演のモーションすべてがPICO4 Ultra、PICO Motion Tracker、PICO Motion Tracker Waist Versionだけで実現していることを強調しつつ、PICOシリーズのキーフレーズである「つけた瞬間、世界が変わる。」を改めて繰り返しての幕引きとなった。

    TEXT_稲庭淳