スマホ向けゲーム『グランブルーファンタジー』(以下、『グラブル』)のキャラクターと現実世界で会えるライブとしてグラブルフェス2018で初披露されたSpecial Character Live。2020年はコロナ禍によりオンライン開催となったものの、過去2回の経験を活かしファンの期待をはるかに上回る映像が配信された。『CGWORLD + digital video』vol. 273では、そのこだわりを、ステージ演出・3DCG技術の両面から大特集した。CGWORLD.jpでは42ページ(扉除く)の特集の中から、冒頭6ページを全3回に分けて転載する。
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※本記事は、月刊『CGWORLD + digital video』vol. 273(2021年5月号)掲載の特集「グラブルフェス Special Character Live」その進化をたどる、を一部抜粋・再編集したものです。
INTERVIEW_神山大輝、田端秀輝、日詰明嘉
TEXT_日詰明嘉 / Akiyoshi Hizume
EDIT_尾形美幸 / Miyuki Ogata(CGWORLD)
『グラブル』の世界を現実に!
幕張メッセにて、2017年から毎年開催されているグラブルフェス。2018年に初披露されたSpecial Character Liveでは、作品世界の住人を現実世界のステージに召喚すべく、演出と3DCG技術の粋が集められた。
▲グラブルフェス2018 Special Character Live 開演直前の様子
COMPANY & INTERVIEWEE
Cygames
踊場英佑氏(グラブルフェス監督・製作総指揮)
竹内萌乃氏(グラブルフェス Special Character Live マネージャー)
www.cygames.co.jp
フライトユニット
松本浩幸氏(代表)
www.flightunit.co.jp
LATEGRA
前田圭太朗氏(プロデューサー)
lategra.co.jp
Twitter:@Lategra_inc
『グラブル』世界の住人をステージに召喚するキセキ
『グラブル』の正式サービス開始は2014年3月で、2021年3月に7周年を迎えた。イラストで表現された本作世界の住人を3DCG化する試みには『VR四騎士』(グラブルフェス2017で初披露されたアトラクション)などの先行例があり、Special Character Live(以下、Live)はその発展形となる。召喚した住人をステージ上の透過スクリーンに表示し、生演奏に合わせた歌唱とダンスを披露してもらう。さらにMCパートでは、インタラクティブに観客と会話してもらうことで、よりインパクトのあるキセキを実現。その模様はARによる演出を付加したライブ映像として、会場にいないファンに向けてリアルタイム配信される(配信映像は現在もYouTubeで視聴可能)。現実世界の住人でなくても、彼&彼女らは唯一無二の存在であり、ファンと共に「生きている」。そのため、Live開催中は同一人物のオフィシャルキャスト(公式コスプレイヤー)が会場内に姿を見せないようにするほどの徹底ぶりだ。
LiveのディレクションはCygamesが行なっており、2018年はグラブルフェス監督・製作総指揮の踊場英佑氏が担当。翌年からは竹内萌乃氏が引き継いだ。3Dモデルのモデリング・セットアップ・フェイシャルはフライトユニットが10名弱体制で担当し、モーション作成はCygamesが約10名体制で担当、ステージ演出・ARはLATEGRAと協力会社が約50名体制(事前制作・現場のオペレーションスタッフを含む)で担当している。こうした担当範囲の線引きは、初めての取り組みであった2018年時点では手探りの状態で、互いに調整しながら進めていたという。しかし2019年はクオリティを高めることに集中できるようになり、「2020年は、何も注文する必要がなかった」と踊場氏はふり返った。
COVID-19の感染拡大を受け、2020年はオンラインのみでの開催も視野に入れて準備をし、10月に方針を決定。単なる生配信ではなく、グラブルフェスならではの体験を実感できる工夫を凝らした結果、2021年3月時点での視聴回数は昨年の2倍近い約180万回に上っている。
VR四騎士
▲グラブルフェス2017で初披露され、続く2018、2019でも設置された人気アトラクション。事前予約制で、毎年ブラッシュアップを重ねている。写真はその外観。内部には四騎士の執務室があり、来場者はHMDを通して四騎士とのVR体験を楽しめる。本アトラクションのモデルもフライトユニットが作成しており、こちらの四騎士は鎧をまとっている
スペシャルショー 蒼の軌跡
▲『グラブル』の旅の思い出を追体験する約45分のステージショー。グラブルフェス2019、2020にて実施されており、2020では闘技場を模したステージ造作(ぞうさく)の上で、NAKEDによるプロジェクションマッピング演出と、総勢34名のオフィシャルキャスト&ゲストキャストによる熱演が披露された。【左】ランスロット、【右】ルシファーとサンダルフォンの登場シーン。Liveは、同じステージにて別時間に実施されている
カリオストロの錬金実験室
▲【上左】【上右】グラブルフェス2018、2019で設置された『カリオストロの錬金実験室』は、2020年にLiveのトップバッターを務めたカリオストロにちなんだフォトスポット。左右に設置された黒板には、錬金術の術式が自動筆記される/【下】カリオストロのステージでは、この術式が空間に浮かぶ演出が披露された
グラブルフェス2018 Special Character Live セットリスト
2018/12/15 SAT 14:30-15:30
ライブ配信URL:youtu.be/SDoFfRYxml0?t=21537
グラブルフェス2019 Special Character Live セットリスト
2019/12/15 SUN 14:30-15:45
ライブ配信URL:youtu.be/kEHoTAoR-ws?t=20207
▲左から、ヴェイン、ジークフリート、ランスロット、パーシヴァルの四騎士による『The Dragon Knights』のステージ。衣装は同曲MVのサビでも着用していたスーツスタイルとなっている
▲純白のワンピースを身にまとい、優雅なステップで『アナザースカイ』を歌うヴィーラ
▲左から、ヴィーラ、ベアトリクス、ルリアと、ルリアに無理やり連れてこられたサンダルフォンによる2019年のエンディング
© Cygames, Inc.
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グラブルフェス2020 Special Character Live セットリスト
グラブルフェス2020 Special Character Live セットリスト
2020/12/13 SUN 16:40-18:00
ライブ配信URL:youtu.be/Kb8ChL3ABZA?t=10741
▲身長130cmの小柄な身体で『7日間かけて世界を創るより可愛い女の子1人創った方がいい』を歌うカリオストロ。ハートマークをつくる度に髪型がチェンジする様は、まるで魔法少女アニメの変身シーンのよう
▲ユイシスによる『彩花の契り』。発光しながら湧き上がっては消えていく曼珠沙華がステージを赤色に染め、雨粒が落ちる中、ドスの剣舞が披露される
▲トガッたEDMの『PRIDE』を歌うベアトリクス。エレクトロニックな空間と、ファンタジーな『グラブル』世界の融合がこのステージの見どころだ
▲『泡沫夢幻・胡蝶刃』を舞い謳うナルメア。自身のイメージカラーであるピンク&紫のグラデーションで表現された胡蝶がステージを演出する
▲アオイドスによる『Unfinished Melody』のGIG(演奏)。クライマックスでは最終上限解放後イラストとリンクしたバラの演出が入り、ステージが深紅に染まる
▲サンダルフォンにとって特別な存在であるルシフェルにまつわる演出が入る『Ain Soph Aur』。2020年は、前年の初回公演から展開が変わりおおいに盛り上がった
▲渋谷駅から電車を乗り継ぎ応援に駆けつけたベリアル(右)に、すっかりペースを崩されるMCの白石 稔氏(左)
▲3年連続でLiveのトリを務めた、(左から)マリー、ジータ、ルリア、ヴィーラによる『キミとボクのミライ』。2020年はステージ上の透過スクリーンが不要となり、背後にバンドメンバーを配置したり、彼らに照明を当てることも可能となった
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月刊CGWORLD + digital video vol.273(2021年5月号)
特集:「グラブルフェス Special Character Live」その進化をたどる
定価:1,540円(税込)
判型:A4ワイド
総ページ数:112
発売日:2021年4月9日
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