スマホ向けゲーム『グランブルーファンタジー』(以下、『グラブル』)のキャラクターと現実世界で会えるライブとしてグラブルフェス2018で初披露されたSpecial Character Live。2020年はコロナ禍によりオンライン開催となったものの、過去2回の経験を活かしファンの期待をはるかに上回る映像が配信された。『CGWORLD + digital video』vol. 273では、そのこだわりを、ステージ演出・3DCG技術の両面から大特集した。CGWORLD.jpでは42ページ(扉除く)の特集の中から、冒頭6ページを全3回に分けて転載する。
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※本記事は、月刊『CGWORLD + digital video』vol. 273(2021年5月号)掲載の特集「グラブルフェス Special Character Live」その進化をたどる、を一部抜粋・再編集したものです。
INTERVIEW_神山大輝、田端秀輝、日詰明嘉
TEXT_日詰明嘉 / Akiyoshi Hizume
EDIT_尾形美幸 / Miyuki Ogata(CGWORLD)
▲グラブルフェス2018 Special Character Live ライブ配信(映像の開始位置を『アナザースカイ』に合わせてあります)
▲グラブルフェス2019 Special Character Live ライブ配信(映像の開始位置を『アナザースカイ』に合わせてあります)
有象無象を払えば いつかは近づけるの?
優雅なステップを踏みながら、ミドルテンポの楽曲を歌う城砦都市アルビオンの現領主・ヴィーラ。彼女のステージ演出も同曲のMVが指針となっており、イメージカラーの緑を反映した照明やエフェクトが多用されている。
2019年のバージョンアップで強いインパクトを残したのが、Cメロのストリングスとコーラスで楽曲が最高潮に盛り上がる中で展開される、星晶獣シュヴァリエの召喚シーンだ。このときのメロディは『グラブル』でのシュヴァリエとの戦闘時にもながれるもので、シュヴァリエとヴィーラのレイアウトはMVに寄せたものになっている。いずれも、ファンの記憶とリンクさせた印象的な演出と言える。シュヴァリエを背負い、手を広げてゆっくりと歩く姿は風格さえ感じさせる。
▲MV『アナザースカイ』より
一方、彼女は姉のような存在のカタリナに強烈な執着を見せており、その"闇属性"が醸し出すギャップも人気のひとつだ。MCパートでこのネタを展開することは、もはや毎年の恒例となっている。
周囲にビットを飛ばし、シュヴァリエを召喚するCメロ演出
2019年のバージョンアップで追加された、Cメロのシュヴァリエ召喚シーン。赤色のステージライトをバックに、自身の周囲に4つのビットを飛ばした後、拡散した力を結集して紋章を出現させる。紋章の前に光り輝くシュヴァリエがゆっくりと姿を現し、それを背にしたヴィーラがステージ手前へと歩を進める。このシーン、2018年はカメラがヴィーラをクローズアップで映していたが、2019年は正面のロングショットからゆっくりとズームアウトし、ヴィーラがシュヴァリエを背負っているようなレイアウトになる。わずか15秒ほどのシーンだが、ファンの目にはMVのイラストを現実世界で再現したかのように映っただろう。
© Cygames, Inc.
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▲グラブルフェス2018 Special Character Live ライブ配信(映像の開始位置を『泡沫夢幻・胡蝶刃』に合わせてあります)
▲グラブルフェス2019 Special Character Live ライブ配信(映像の開始位置を『泡沫夢幻・胡蝶刃』に合わせてあります)
▲グラブルフェス2020 Special Character Live ライブ配信(映像の開始位置を『泡沫夢幻・胡蝶刃』に合わせてあります)
舞い謳え胡蝶
道ですれちがったら誰もが振り返るであろう、セクシーな刀の達人・ナルメア。頭部に生えた2本の角、身長134cmの小柄な身体、立派な胸はいずれもドラフと呼ばれる種族の特徴だ。2018年以来、毎回単独でステージを飾っていることからも人気の高さが窺い知れる。
ナルメアのイメージカラーはピンクと紫。その色をした胡蝶がイントロと共に舞い、スポットライトが彼女を照らす。胡蝶の繊細なグラデーション表現は、2019年のバージョンアップで追加された。演出のコンセプトは剣舞。ロングショットのカメラや遠くの客席からでも、小柄な彼女の魅力が伝わるよう、「神楽」「源氏」などの奥義に関連する歌詞に合わせて派手なエフェクトを入れたり、見映えのする刀さばきを披露するなど、"魅せる"演出が満載だ。刀を振り下ろす際には空気抵抗が少ない角度にするなど、モーションのこだわりも発揮されている。構想段階の演出案には「楽曲のラストでシャボン玉を飛ばす」と記されており、今後の実装を期待したい。
上限解放後イラストを彷彿とさせるサビ演出
サビの「神楽の如く」「源氏の如く」のタイミングで出現する胡蝶のエフェクトは、『グラブル』におけるナルメアの奥義「胡蝶刃・神楽舞」「胡蝶刃・源氏舞」をふまえたもの。歌詞のタイミングでターンすると、刀の軌跡のようなエフェクトが出現し、無数の胡蝶が舞い上がる、上限解放後イラストのイメージにも近い、美しい演出に仕上がっている。2020年のステージでは、前述した刀の軌跡エフェクトに近い模様が、照明によって床に投影される演出まで追加された。この模様は、LATEGRAのエフェクト担当から共有されたイメージを元に、協力会社の照明担当が既存の照明道具を駆使して表現したもので、エフェクトと照明の連携から生まれた珍しい演出と言える。
▲ナルメア(闇属性Ver.)の上限解放後イラスト
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月刊CGWORLD + digital video vol.273(2021年5月号)
特集:「グラブルフェス Special Character Live」その進化をたどる
定価:1,540円(税込)
判型:A4ワイド
総ページ数:112
発売日:2021年4月9日
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