キャラクターデザイナーである ntny 氏が自ら原型を手がけ、しげる氏と共にツールに慣れるところから始めたという、ワンダーフェスティバル 2014[夏]出展ガレージキット『ユニティちゃん』。本誌『CGWORLD vol.194』の特集記事より一部を紹介する。
奇跡と多くの人の協力により完成できたガレージキット
ツールの新機能についてファミレスで語り合うなど、古くからの CG 仲間であり新しいもの好きの ntny 氏としげる氏。ntny 氏が「ユニティちゃん」のキャラクターデザインを担当していることを聞きつけたしげる氏が ntny 氏に声をかけ、ワンダーフェスティバル2014[夏]に『ユニティちゃん』を出展することが決まったという。
原型は ntny 氏がMetasequoiaと ZBrush を、分割はしげる氏が 3D-Coat を使用。所有したまま眠らせていた ZBrush と 3D-Coat に慣れるところから始まったという恐ろしいスタートであったが、しげる氏がディーラーとして外部との様々なやりとりをサポートすることで、ntny 氏は原型の制作・監修に集中できる環境が構築された。ギリギリのスケジュールに追われつつも、しげる氏が付き合いのある MOE(@garekiMOE)にフィニッシャーを依頼したり、立体出力サービスにキャンセルが出て滑り込む奇跡があったりと、多くの人の協力と支えによって、何とか完成までこぎつける。ガレージキットはその特性上、組み立て作業が必要だが、『ユニティちゃん』はテープや接着剤を使わずにダボだけで支えられる分割を目指すなど、簡単に組めるように配慮されており、初心者にも嬉しい気遣いだ。
話を聞くと苦労の連続で、取材後もまだまだ話し足りない様子であったが、デジタル造形に挑戦したい人、現在挑戦中の人がつまずきやすいポイントを知ることができ、参考になる内容であった。また筆者も 3DCG に携わっているが、デジタル造型以降のデカール作成や彩色といったアナログ作業は未知の分野で興味深い。本記事を機に、デジタル造形にチャレンジしてみてはどうだろうか?
↓ガレージキット『ユニティちゃん』のデータダウンロード↓
【注意!】
HDDの空き容量をチェックしてからダウンロード、解凍するようにしてください
制作課程のZBrushデータ ※約3.3GB
分割前後の3D-Coat&3Dプリント可能なSTLデータ ※約3.5GB
制作課程のZBrushデータ(Windows用)
分割前後の3D-Coat&3Dプリント可能なSTLデータ(Windows用)
SpecialThanks
このデータは、『ユニティちゃんライセンス』で提供されています
TEXT_平 将人
PHOTO_弘田 充、大沼洋平
スタッフ
左から、ntny氏(ユニティ・テクノロジーズ・ ジャパン合同会社)、しげる氏(ディーラー 7144 代表兼、引きこもりニート)