アメリカKrea AI社は10月21日(火)、オープンソースのリアルタイム動画生成モデル「Krea Realtime 14B」をリリースした。コードはGitHubでCC BY-NC-SA 4.0ライセンス、ウェイトはHugging FaceでApache-2.0ライセンスとして公開されている。また、Kreaの公式ワークスペースでも生成モデルのひとつとして利用できる。
today we're open-sourcing Krea Realtime.
— KREA AI (@krea_ai) October 20, 2025
this 14B autoregressive model is 10x larger than any open-source equivalent, and it can generate long-form videos at 11 fps on a single B200.
weights and technical report below pic.twitter.com/nJiHpClpzK
Krea Realtime 14Bは、動画モデル「Wan 2.1 14B」をベースとして蒸留(Distilled)された、140億パラメータを持つ大規模なAI動画生成モデル。大規模なサイズにもかかわらずリアルタイムでの動画生成を実現しており、NVIDIA B200 GPU 1基で11fpsの速度を達成。また、最初のフレームを約1秒で確認できる応答性を備える。
このリアルタイム性により、ユーザーは動画がストリーミング生成されている最中にプロンプトを変更して映像の内容を誘導したり、動画のスタイルを即座に変更することができる。
技術面では「自己強化学習(Self Forcing)」手法を用いることで、全フレームを同時に処理する従来の方式ではなく、1フレームずつ順番に生成する「自己回帰型(Autoregressive)」モデルに変換(蒸留)。これにより、Text-to-Videoのタスクのみならず、Webカメラの入力や既存の動画をリアルタイムで編集・合成するVideo-to-Videoタスクにも対応し、複雑な動きや豊かなディテールをもつ映像を生成できるという。
■Krea Realtime 14B: Real-Time, Long-Form AI Video Generation(Krea AI公式ブログ)
https://www.krea.ai/blog/krea-realtime-14b
■krea/krea-realtime-video(Hugging Face)
https://huggingface.co/krea/krea-realtime-video
■Krea Realtime 14B(GitHub)
https://github.com/krea-ai/realtime-video
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