Gracia社は3月14日(土)、4DGS(4D Gaussian Splatting、アニメーション可能な3DGSの呼称)を用いた高精細な立体動画ストリーミングのデモ『Amy May — Open』を同社サイト内で公開した。本デモは、アーティストによる4分間の演奏と歌唱のフルパフォーマンスで、ユーザーは専用アプリのインストールや大容量ファイルのダウンロードを行うことなく、Webブラウザ上で空間を自由に見回しながら、立体的かつリアルな映像をリアルタイムに体験できる。

Gracia社が提供する4DGSのストリーミングでは、同社独自の圧縮技術により、従来の手法と比較して45倍のニアロスレス圧縮(Near-lossless compression、視覚的な劣化をほぼ伴わないデータ圧縮)を実現。これにより、17Mbpsから最高画質の75Mbpsという一般的な2D動画配信と同等のビットレートでのデータ転送が可能となり、安定したインターネット環境さえあれば、データ容量やパフォーマンス時間の制限なく長時間の立体動画をストリーミング再生できるという。

また、完全な時間的安定性を伴う無限のフレーム補間(Infinite frame interpolation)技術も導入。これは、一般的な30 fpsの映像から、滑らかなスローモーション表現であるバレットタイムや、240 fpsといった超高フレームレートの映像を擬似的に生成する機能となる。

同社はクラウドベースの自動処理パイプラインを構築しており、日本を含む世界5地域で専用スタジオや出張でのボリュメトリックキャプチャ(現実の空間や人物を3Dデータとして丸ごと撮影する技術)に対応。さらに、Unreal EngineやCinema 4D、Unity、Blender、After Effects向けの専用プラグインも開発中だ。

対応デバイスは幅広く、Meta Quest 3やPico 4 Ultraといったスタンドアロン型のVRヘッドセット(72 fps動作・要最新OS)をはじめ、Apple M1チップ搭載のMac(150 fps以上)、NVIDIA RTX GPUを搭載したデスクトップPC(500 fps以上)などで業界最高クラスのパフォーマンスを発揮し、将来的にはApple Vision Pro(100 fps動作)への対応も予定されている。

■Amy May — Open(Gracia Store)
https://store.gracia.ai/creator/DNE/9ee301ea-fcd4-4041-b82e-ee3c1c461352

■Gracia社によるテクニカルデモ一覧(Gracia Store)
https://store.gracia.ai/

Gracia社について

Gracia社は、空間コンピューティングやXR領域に向けた、3DGSベースのボリュメトリックビデオ(立体動画)プラットフォームを開発するアメリカのテクノロジー企業。従来のポリゴンベースの3Dモデルとは異なり、現実世界の光の反射や微細な質感を写真のようにリアルに再現する空間キャプチャ技術と、それをWebXRを通じてマルチプラットフォームで手軽に再生・配信できる独自のエンドツーエンドのインフラを提供する。

■Gracia社公式ウェブサイト
https://www.gracia.ai/

CGWORLD関連情報

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https://cgworld.jp/flashnews/01-202603-ArtisanGS.html