オートデスクは4月10日(金)、「Arnold renderer」公式YouTubeチャンネルにて、チュートリアル動画「Arnold Tutorial - Instruction manual style render with Toon shader in Maya」を公開した。Arnold for Maya(MtoA)のトゥーンシェーダを用いて、プラモデルの取扱説明書のような描画スタイルのレンダリングを作成する手順を解説している。

Facing RatioとMultiplyの活用

取扱説明書特有の図面のような質感を再現するため、Toonシェーダの発光(Emission)設定を活用している。具体的には、EmissionのカラーにMultiplyシェーダを接続し、黄色などのベースカラーとFacing Ratioシェーダを乗算している。これにより、カメラに向いている面の角度に応じたグラデーションが表現され、単なるベタ塗りとは異なる独特の立体感を生み出している。

Facing Ratioのエッジ調整と純粋な発光表現

Facing Ratioはほぼデフォルト設定のまま使用しているが、より多くのエッジを描画するためにAngle Threshold(角度のしきい値)を下げている。また、このスタイルではBase ColorやSpecularは一切使用せず、純粋な発光のみで表現するため、EmissionのWeightを1に設定し、MultiplyとFacing Ratioによる陰影のみが反映されるように調整している。

等高線フィルタによる輪郭線の描画

Toonシェーダの輪郭線を描画するため、Arnoldのレンダー設定内にあるFilter TypeをデフォルトのGaussianからContour(等高線フィルタ)に変更している。また、デフォルトのFilter Widthである2では線が太すぎるため、1に減らすことで、設計図のような繊細な輪郭線を実現している。

Imagersによる後処理と正投影カメラの設定

レンダリングの後処理として、Exposure(露出)を上げるImagerを追加して画面全体を明るくし、さらにOverlay Imagerを用いてモデル番号の画像を左上に配置している。また、取扱説明書のようなパース(遠近感)がない図面的な見え方を再現するため、カメラを正投影カメラ(Orthographic Camera)に切り替えている。

ライン(Line)シェーダによる背景枠の作成

仕上げとして、画面の周囲に枠線を作成している。レンダーカメラの環境設定で背景を水色に設定した後、カメラのFilter Mapにラインシェーダを接続している。ラインのレイヤー数をデフォルトの1から4に増やすことで、画面の周囲に設計図風のボーダーラインを描画している。

■Arnold Tutorial - Instruction manual style render with Toon shader in Maya(YouTube)
https://www.youtube.com/watch?v=A34ytm4Vb9I

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