PojoQuiet(Pojo)氏は3月31日(火)、Blender向けのNPR(Non-Photorealistic Rendering)シェーダ「Stylized BSDF」をGumroadSuperhiveでリリースした。複雑なノード設定を必要とせず、高品質かつ多彩なアニメ調のマテリアルを実現する。価格は10ドル(約1,590円)、対応するBlenderのバージョンは5.1以降。

「Stylized BSDF」は、物理的な正確さよりも、表現意図の再現を優先して設計したシェーダ。基本的なセルシェーディングに留まらず、クリエイターが直感的に操作できる多彩な機能を備える。金属の反射表現、ラインアート、サブサーフェススキャタリング、独立した影のマスク処理などを1つのノードグループに集約している。

本シェーダには、基本となるディフューズとハイライトのそれぞれに対して、独立してアニメ調のテクスチャを適用できる「Pattern System」が搭載されている。クロスハッチ(Crosshatch)、ハーフトーン(Halftone)、破線(Dash)、ペイント(Paint)の4種類から選択でき、画面の解像度に合わせて縦横比を調整した上で、各パターンの大きさや強さを個別に設定できる。

▲Pattern Systemの4種類の表現

Stylized BSDFには、シェーダ内部で直接、アニメ調のラインアート(輪郭線)を生成する機能がビルトインされている。線の太さや描画のしきい値、不透明度、色を制御可能。また、自己乗算(Multiply Self)機能を有効にすると、ベースとなる陰影を抽出して輪郭線と掛け合わせることで、表面の起伏に合わせてダイナミックに変化する自然なラインをつくり出すこともできる。

▲シェーダの内部で直接生成される輪郭線の適用例。モデルのシルエットだけでなく、形状や衣服のシワなどに合わせてダイナミックに適応するラインアートの描画が可能だ

反射やメタリック、サブサーフェススキャタリングについても、物理法則に縛られず、クリエイターが直感的に擬似的な効果を調整できる。反射では、ハイライトのラフネスや反射のスムースネス、反射のディテールを細かく制御可能。メタリックでは、PBR(物理ベースレンダリング)特有の複雑な設定を避け、手軽にアニメ調の反射面を実現できる。サブサーフェススキャタリングでは、光の浸透距離、影響度、ティント(色合い)、ティントの強さを調整できる。

▲左から、サブサーフェススキャタリング、アニメ調のメタリック、そして境界がくっきりと階調化されたポスタライズドシャドウ(Posterized Shadows)

また、シャドウマスクの入力にも対応。頂点カラーや画像テクスチャなどの任意のマスクを接続し、影が発生する場所を意図的にコントロールできる。「Ignore Shading(陰影の無視)」機能を有効にすると、シーン内のライティングの影響を完全に除外し、接続されたマスクのデータのみを用いて影を描画できる。

▲Stylized BSDFでは、NPR表現特有の環境光に左右されないキャラクター固有の演出された陰影色を適用できる(左)ほか、ライティングに対してダイナミックに反応する表現も利用可能

シェーダからのAOV出力は、Base Color、Patterns、Highlight Pattern、Specular、Metallic、Subsurface Scattering、Lineart、Shading、Shadow Maskの9種類に対応。それぞれを独立して書き出し、合成先で細かな調整を行うことができる。

■Stylized BSDF(Gumroad)
https://pojoquiet.gumroad.com/l/gwhvnb

■Stylized BSDF(Superhive)
https://superhivemarket.com/products/stylizedbsdf

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