ProductionCrateは7月1日(水)、YouTube動画「Anchor Points in Adobe Substance Painter - Beginner Tutorial」を公開した。Substance 3D Painterにおいて、あるレイヤーの情報を別のレイヤーへと動的に伝達するアンカーポイント(Anchor Points)機能の活用法を解説。基本的な機能解説からプロシージャルな汚れの自動生成、ハイパスフィルタを応用した立体的でリアルな塗料の剥がれ表現、生々しい傷跡などのオーガニックな表現まで、実務的なテクスチャリング手法を紹介している。

Micro Normalを活用した手描きディテールのプロシージャル連携

Substance 3D Painterにおいて、ノーマルマップやバンプ情報を新規レイヤーで手描きした場合、既存の曲率マップ(Curvature Map)アンビエントオクルージョンマップといったベイク済みマップにはその情報が反映されない。そのため、スマートマテリアルが本来持つ、くぼみに溜まる汚れやエッジの擦れといったプロシージャルな効果が適用されないという問題が発生する。

本動画ではこの解決策として、手描きディテールを描き込んだレイヤーの下層にアンカーポイントを設定する手法を解説している。上位層にある汚れやエッジダメージのマスクエディタを開き、微細な凹凸情報を制御するMicro NormalとMicro Detailsの参照元としてこのアンカーポイントを指定することで、手描きの凹凸に対してもリアルタイムでプロシージャルな汚れや擦れを追従できるようになる。

ハイパスフィルタを用いた塗料の剥がれと厚みの表現

金属表面の塗装が剥がれたような表現を行う際、単にペイントレイヤーのハイトマップを一律に持ち上げるだけでは、全体が均一に隆起してしまい、不自然な見た目となる。

動画では、塗料の境界部分だけがめくれ上がっているようなリアルな厚みを表現するため、塗料のマスク内にアンカーポイントを設定している。さらにその上に高さ情報のみを持つ新規レイヤーを作成し、同じくアンカーポイントを参照させた上で、輪郭を抽出するハイパスフィルタと、階調を調整するレベル補正(Levels)を適用している。

これにより、塗料の境界に近づくにつれて徐々に高さが増し、金属の露出部分で急激に落ち込むようなランプ(勾配)をプロシージャルに生成。マスクに描き込みを加えるたびに、この立体的な剥がれの隆起がリアルタイムで追従する。

傷跡などオーガニックな質感への応用と筆圧感知の連携

アンカーポイントは、ハードサーフェスのウェザリングだけでなく、クリーチャーやキャラクターのオーガニックな質感表現にも利用できる。チュートリアル終盤では、皮膚にできた傷跡をリアルタイムに描画するツールを紹介している。これは、光沢のある赤い下地レイヤーに対してブレンドモードのオーバーレイを適用し、ワープやBlurフィルタで境界をぼかした上でアンカーポイントを設定している。そして、その上に白っぽく隆起した皮膚の境界エッジ用レイヤーを重ね、ハードサーフェスの際と同様の手法でハイパスフィルタとレベル補正を用いてふちを盛り上げている。ペンタブレットの場合、筆圧感知にも追従するため、ゾンビの腐敗した皮膚など、複雑で有機的な表現の量産に活用できるとのこと。

■Anchor Points in Adobe Substance Painter - Beginner Tutorial(YouTube)
https://www.youtube.com/watch?v=_uzHwNjwcU4

CGWORLD関連情報

●Adobe Substance 3D公式、『DOOM:The Dark Ages』のマテリアルビルドブレイクダウン講演の動画を公開

AdobeがGDCにおけるid Softwareの講演動画「Building the Dark Fantasy Materials of DOOM: The Dark Ages | Adobe Substance 3D」を公開。ゲーム『DOOM:The Dark Ages』の開発において、少人数のテクニカルアートチームがいかにして膨大なテクスチャアセットを効率的に制作・管理したか、Substance 3D Designerを活用したプロシージャルなアプローチや独自のDamage Revealシステム、そして巨大マップ向けのコンポジットマテリアルの構築手法について解説している。
https://cgworld.jp/flashnews/01-202607-Substance-DOOM.html

●にゃんねこ氏、Substance 3D Painter用ジェネレータ「Nyanneco Position Mask」リリース Positionマップから帯状シェイプを作成、髪の毛のテクスチャリングなどに利用可能

にゃんねこ氏がSubstance 3D Painter向けジェネレータ「Nyanneco Position Mask」をBOOTHにてリリース。3Dモデルの空間的な位置情報を利用して帯状シェイプを作成し、髪の毛のハイライト表現などに用いる表示・非表示マスクを手軽に生成できるツール。髪の毛のほか縞模様の生成などにも応用可能。価格は300円。
https://cgworld.jp/flashnews/01-202607-NyannecoPosMask.html

●Abe Leal氏、Substance 3D PainterとMarmoset Toolbag 5のテクスチャリング機能の比較検証動画を公開 UIの使い勝手からジェネレータ、書き出しまで

Abe Leal氏が動画「Substance vs Marmoset - Which one makes better textures?」を公開。Substance 3D PainterとMarmoset Toolbag 5のどちらがテクスチャリングに優れるかを検証する内容で、インターフェイスの使い勝手から、ジェネレータの柔軟性、ハイポリゴンモデルへの直接的なアプローチ、そして最終的なテクスチャの書き出しまで、両ツールの長所と短所を解説している。
https://cgworld.jp/flashnews/01-202606-SPvsMarmo.html