Lukas Thorup氏は7月10日(金)、自身のYouTubeでチュートリアル動画「Creating Magnetic Particles in Cinema 4D」を公開した。磁力で引き寄せられる砂鉄のようなパーティクル表現について、MoGraphの機能群を組み合わせたダイナミックな構造の作成から、Redshiftを用いた大量のパーティクルの効率的なレンダリング手法まで、プロシージャルな構築手法を解説している。

クローナーとスプラインによるパーティクルの基礎構造の構築

Thorup氏はまず、磁力によって隆起する特有の形状のベースを作るため、Z軸方向のライン状のスプラインを作成し、クローナーオブジェクトを用いて腕時計のエッジモデルの表面に分布させるアプローチを解説。単純に直線のスプラインを配置するだけでは動きが硬くなるため、スプラインに対してベンドデフォーマを適用して自然な湾曲を加えられる構造を組んでいる。分布モードをObjectに設定し、大量のラインをサーフェス上に高密度に配置することで、パーティクルをまとわせるための骨格を構築している。

エフェクタとフィールドを組み合わせた磁力的な挙動の制御

磁石を近づけた際のように、特定のポイントに向かってパーティクルが集束して隆起する動きは、ターゲットエフェクタを用いて実装。全てのラインがターゲット用のヌルオブジェクトの方向を向くように設定し、影響範囲を球体フィールドで限定している。さらに、簡易エフェクタのUniform Scaleをー1に設定し、先ほどの球体フィールドの反転を用いてマスクすることで、ターゲットが近づいた領域のラインだけが空間に現れ、ターゲットに向かって成長するような動的な構造をつくり出す。

マトリクスオブジェクトによる高密度なパーティクル生成

実体となるパーティクルの生成には、メモリ効率に優れるマトリクスオブジェクトを活用。腕時計のベースモデルの表面に直接パーティクルを発生させるマトリクスと、クローナーで生成したラインの表面にパーティクルを発生させるマトリクスの2種類を用意している。ライン上にマトリクスを追従させる際、ターゲットの移動に伴う変形が毎フレーム正しく更新されない問題を回避するため、クローナーを一度コネクトオブジェクトでラップし、それをマトリクスの参照元として読み込ませている。

Redshiftを利用したプラトニックジオメトリのレンダリング

ルックデヴの工程では、約15万個のマトリクスポイントを軽量にレンダリングするため、Redshiftオブジェクトタグのカスタムオブジェクト機能を使用。パーティクルの実体として非常に小さな正多面体オブジェクトを割り当て、マトリクス側のポイント情報を参照してレンダリング時にインスタンス化している。ベースモデル上やライン上のパーティクル数を10万〜15万個の規模まで引き上げても、この手法であれば軽快に動作するとのこと。

フィールドを活用した金属サーフェスのトランジション表現

動画の終盤では、パーティクルが剥がれ落ちて下地となる本来の金属サーフェスが現れるトランジションの作成方法を紹介。腕時計の表面に配置したマトリクスパーティクルに対し、新たにスケールをー1に設定した簡易エフェクタを適用し、ターゲットエフェクタに追従する球状フィールドを用いて影響範囲を制御している。Inner Offsetを調整して減衰のグラデーションを滑らかにすることで、荒々しいパーティクルの集団から滑らかなヘアライン仕上げの金属表面へとシームレスに変化させることができる。

■Creating Magnetic Particles in Cinema 4D(YouTube)
https://www.youtube.com/watch?v=Aaa1OWln-U0

CGWORLD関連情報

●CG Shortcuts、Cinema 4Dでダンボール箱をロープで縛る表現のチュートリアル動画を公開

CG Shortcutsが動画「Wrapping Objects with Rope in Cinema 4D - C4D Tutorial (Free Project)」を公開。Cinema 4Dを用いたロープによるオブジェクトのラッピング表現として、リジッドボディとして密集させたオブジェクト群を安定したキャッシュに変換し、RopeタグやClothタグを利用してひもやリボンを自動的に巻き付ける手法を、Dave Bergin氏が紹介している。
https://cgworld.jp/flashnews/01-202607-C4D-Rope.html

●"思考"を"作品"に変える――PERIMETRON・神戸雄平のCinema 4D実践テクニック MONO NO AWARE『スノードーム』Official Visualizer メイキング【イベントレポート】

2025年5月の「MAXON PARTY '25春」神戸雄平氏のセッションをレポート。MONO NO AWARE『スノードーム』のOfficial Visualizerを題材に、アイデアの着想から完成に至るまでのプロセスを、神戸雄平氏が実践的に紐解いている。
https://cgworld.jp/special-feature/2606-c4dextra-maxon.html