Houdini公式YouTubeは7月30日(木)、Milk VFXによるFMX HIVE 2026イベントでの講演動画「Designing Solaris USD Workflows for Cross-Department VFX | Milk VFX | FMX HIVE 2026」を公開した。従来のパイプラインからUSD(Universal Scene Description)を用いた非破壊的かつ並行作業可能なワークフローへの移行をテーマに、HoudiniのSolaris環境とShotGrid(現Flow Production Tracking)を連携させたアセット管理、および大規模なクリーチャーや環境構築における実務的な最適化手法について解説している。

データベース駆動によるUSDアセットの管理とシーン構築

講演ではまず、旧来のAlembicやFBXに依存した直線的なパイプラインからの脱却について説明。USDは単なる重いデータのキャッシュではなく、データをどのように組み立てるかという“レシピ”を保存するものであると強調している。これを実現するため、プロジェクト管理ツールのShotGridをデータベースとして活用し、独自API「MBrew」を構築。アセットやショットのパブリッシュ情報を収集し、各部門から上がってくるアニメーションなどのデータが後からながし込まれるためのプレースホルダ(JSON形式の辞書データ)を作成する手法を解説している。

Houdini内でのマルチショット対応と自動アセンブリ

構築されたレシピをHoudini内で解決するため、同社は「MilkShot Pile」や「MilkShot Pop」といった独自のカスタムノードをSolaris上に実装。これにより、ShotGrid上で設定された条件(承認済みか作業中かなど)に基づいて、必要なバージョンのアセットを自動で読み込み、階層構造を構築することが可能になった。

大規模キャッシュの軽量化とValue Clipsの活用

大規模なクリーチャーや群衆の作業においては、USDキャッシュの肥大化が課題となった。特にフレーム数が膨大なシーンでは、ファイルサイズが管理不能になる問題が発生したため、キャッシュ出力前にConfigure Swapノードを利用する手法を採用。これは、毎フレームの評価が不要なアトリビュートをデフォルト値に固定することで、計算時間とファイルサイズを大幅に削減する解決策である。

さらに、群衆シミュレーションのように時間的に変化する膨大なアニメーションデータに対しては、1つの巨大なファイルにまとめるのではなく、時間を分割して必要なデータだけを都度参照するValue Clipsの概念を導入し、効率的なデータロードを実現している。

グラフ構造から逆算する動的な環境アセット管理

講演の後半では、大規模な背景拡張を伴うプロジェクト向けに開発された「Env Compose Asset」ツールを紹介。Houdini内でCopernicusを統合し、テクスチャの解像度をカメラ距離に応じて動的にコントロールする機能などを実装している。この手法では、巨大な環境アセットを丸ごとロードしてから不要な部分を削除するのではなく、あらかじめシーングラフの構造をテンプレートとして定義する逆算的なアプローチを用いている。アーティストが作業したい特定のプリミティブを直接ターゲットにして、階層の奥深くから動的に読み込む仕組みのため、システムに負荷をかけずにショット単位での細かな調整を軽量な状態で行える。

■Designing Solaris USD Workflows for Cross-Department VFX | Milk VFX | FMX HIVE 2026(YouTube)

https://www.youtube.com/watch?v=XfMp13jOSxE

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https://cgworld.jp/flashnews/01-202607-Houdini-Troll2.html