カナダDjangotron Studiosは7月3日(水)、Houdini 20以降に対応するリグ作成ツール「Procedural Anatomy」のベータ版を、フィードバック取得目的で無料公開中だ。ベータ版のサインアップは7月24日まで受け付け中で、8月6日まで無料で利用できる。
Procedural Anatomyは、HoudiniでKineFX互換の筋肉と皮膚のシミュレーションリグを作成可能なリギングツール。Volume SDF(符号付き距離フィールド)ジオメトリノードによりキャラクターモデルの身体内部ボリュームを表現する。本ツールで作成したリグ(スケルトンと筋肉のジオメトリ、バインドウェイトデータ)は、KineFX互換の単一ファイルとしてエクスポートできるほか、リギング済みモデルとしてFBX形式でエクスポートし、ゲームエンジンなどで利用することもできる。
本ツールによるリギングのながれは次の通り。
まずリギングを行う3Dキャラクターモデルをインポートし、本ツールの「Animation Skeleton」ポイントをモデルに沿わせてプロポーションを調整する。
するとキャラクターのスケルトンのジオメトリを作成できるようになるので、主要なボーンのプロポーションをパラメータベースで調整する。
そして本ツールがスケルトンの上にMuscle(筋肉)のジオメトリおよびコリジョンシェイプを作成し、その筋肉およびキャラクター全体のボリュームに対してTissue(皮膚)のジオメトリを生成する。
作成したリグを使ってHoudini上でアニメーション制作も行える。
その他、Procedural Anatomyの詳細な利用方法はこちらのドキュメントにまとまっている。
https://docs.procedural-anatomy.com/
なお、本ベータ版は商用プロジェクトでも利用可能とのこと。詳細はEULAを確認してほしい。
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