ブルガリア共和国のChaos Software社はは8月1日(木)、CAD/BIMツール用リアルタイムビジュアライゼーションツール「Chaos Enscape 4.1」をリリースした。EnscapeはRevitやSketchUp、Rhinoceros、Archicad、Vectorworksといった建築・設計業界向けツールのプラグインとして、各CAD/BIMツール上のデータをリアルタイムレンダリングし、ウォークスルーやVRコンテンツを生成するソフトウェア。
バージョン4.1では、AIにより一部アセットのディテールを向上させる「Chaos AIエンハンサー」、ペン画や水彩画などをシミュレートする「ビジュアルモード」、IES社とのパートナーシップにより開発された建物性能分析アドオン「Enscape Impact」(ベータ版、Windowsのみ)などの機能強化が図られている。
Chaos AIエンハンサー
Enscapeのアセット、特にシーンのデザイン意図に影響しにくい人物や植生の品質をAIにより向上させる機能。
アーティスティック・ビジュアル・モード
建築設計ビジュアルのプレゼンテーションニーズに合わせて、ペン画や鉛筆画、水彩画などをシミュレートするビジュアルエフェクトを搭載。エフェクトはウォークスルー、スクリーンショット、バッチ・レンダリング、ビデオエクスポートで利用できる。
Enscape Impact(ベータ版、Windowsのみ)
建築設計・解析ソフトウェアで知られるIES社とのパートナーシップにより開発された「Enscape Impact」がベータ版としてWindows版に搭載(macOS版も開発中)。CAD/BIMアプリケーションと統合されたワークフローの中で、必要最低限のデータ入力のみでリアルタイムエネルギー解析が行える。
なお、Enscape Impactはアドオン、つまりEnscapeとは別個の商品として提供されており、ベータ版は無償だが、将来は有償提供となる予定だ。
その他の新機能として、人工光源からの色付き影の生成や太陽光からの色付き影の生成のサポート、122の新しい植生アセット、10種類の人物アセットなどの追加、WindowsマシンのCPU内蔵GPU(統合グラフィックス:Intel UHDグラフィックス、Intel Iris Xe グラフィックスなど)サポート、Chaos Cloudによるクラウド上でのデザインレビュー機能などがある。
全更新内容はこちらから。
●Enscape 4.1 is Here! Design with Purpose and Make an Impact(英語)
https://blog.enscape3d.com/enscape-version-4-1
CGWORLD関連情報
●建築ビジュアライゼーション向けレンダラ「Chaos Corona 12」リリース! Chaos Vantageとの連携、デカール&パターン強化など新機能充実
3ds MaxおよびCinema 4D用の建築ビジュアライゼーションレンダラ「Chaos Corona 12」リリース。「Chaos Vantage」との連携強化、デカールやパターンの強化、3ds Max用の新しいScatter Instance Brushによるプロシージャルなディテール調整などの新機能を備えている。
https://cgworld.jp/flashnews/202407-Corona12.html
●Chaos Cosmosに新モデル&マテリアル650個が追加! V-Ray、Coronaユーザーは無料で利用可能
3Dコンテンツライブラリ「Chaos Cosmos」がアップデート(Cosmos Update 11)、新モデルやマテリアルが650個追加された。V-RayやCoronaなどのユーザーは、ホストアプリケーション上のChaos Cosmos Browserから無料で利用できる。
https://cgworld.jp/flashnews/202406-ChaosCosmos.html