オートデスク10月16日(水)Maya 2025.3 Updateをリリースした。グラフエディタやブール演算の改善、Arnold for Maya 5.4.5におけるOpenPBRサーフェスシェーダの実装、Bifrost 2.11.0.0、USD for Maya 0.30、LookdevX for Maya 1.6.0などが導入されている。

グラフエディタの改善

アニメーションプリファレンス(Animation Preference)に用意された「ズーム時にキーのサイズを自動変更(Auto-resize keys on zoom)」を設定することで、縮小ズーム時にグラフエディタ内のキーのサイズを変更できるようになった。これにより、キーフレームの多いカーブについて、編集効率が向上する。

縮小ズーム時にグラフエディタ内のキーのサイズを変更

また、上記プリファレンスに追加された「接線ハンドル サイズ(Tangent handle size)」と「接線の太さ(Tangent line thickness)」を調整することで、グラフ ビューの接線の外観を制御できるようになった。

接線ハンドルとアームのサイズが変更可能になった

ブール演算の改善

ブール演算アルゴリズムが3ds Maxに合わせて更新され、Mayaと3ds Max間で共有される統合されたコアブール演算エンジンが有効になった。従来のMayaのブール演算では、複雑なジオメトリについて演算が失敗することがあったが、更新によってブール演算の予測可能性と信頼性が向上した。

Arnold for Maya 5.4.5にOpenPBRシェーダを実装

Maya 2025.3で導入されたArnold for Maya 5.4.5にOpenPBRシェーダが実装され、特に光沢/ぼかしモデルと金属反射のパラメータ設定が改善されている。

OpenPBRサーフェスによる光沢/ぼかしモデルと金属反射の改善

Arnold for Maya 5.4.5ではその他、ボリューム内での光の散乱方法の改善、Intelデノイザーの更新によるノイズ除去品質の改善、ランプ シェーダの改善、ルックアップAOVの量に基づいてスペクトルを作成するヒートマップモードが追加、プロシージャルボリュームのビューポート表示などを実装している。

ヒートマップイメージモード

Bifrost 2.11.0.0にはクラウド活用のFlow Wedge(プレビュー版)が追加

Bifrost 2.11.0.0には、テクスチャサンプリング、デバッグ用の新しいデータブラウザ、Flow Wedge(テクノロジープレビュー)などが追加。

テクスチャサンプリングは、新しく追加されたsample_texture_fileノードが、ジオメトリのUV座標で補間されたイメージのRGBA カラーを返すもの。

テクスチャサンプリング

Flow Wedgeを使用すると、パラメータのバリエーション(ウェッジ)を含むシミュレーションをクラウドに送信してローカルPCのリソースを解放し、結果を待つ間に他の作業を行うことができる。生成されたキャッシュは簡単にロードして比較できる。

Flow Wedgeを使ってクラウドでシミュレーションを計算

その他、Maya 2025.3に搭載されるUSD for Maya 0.30では、ネイティブのMayaビューポートでUSDカメラのコントロールが可能になったほか、LookdevX for Maya 1.6.0でもOpenPBRが使用できるようになった。

■Maya 2025.3 Update リリース ノート(Maya ヘルプ)
https://help.autodesk.com/view/MAYAUL/2025/JPN/?guid=MAYA_RELEASENOTES_2025_3_RELEASE_NOTES_HTML

■Maya 2025.3 Update の新機能(Maya ヘルプ)
https://help.autodesk.com/view/MAYAUL/2025/JPN/?guid=GUID-E30563A9-74A3-4E4B-A955-CDDD25A562FD

■Maya 2025.3 リリース(AREA JAPAN)
https://area.autodesk.jp/product/maya/features/2025-3/

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