オートデスクは10月16日(水)、Maya 2025.3 Updateをリリースした。グラフエディタやブール演算の改善、Arnold for Maya 5.4.5におけるOpenPBRサーフェスシェーダの実装、Bifrost 2.11.0.0、USD for Maya 0.30、LookdevX for Maya 1.6.0などが導入されている。
Maya 2025.3 リリース!
— Autodesk M&E Japan (@autodesk_me_jp) October 17, 2024
Maya 2025.3では、グラフ エディタの改善、ブール演算の改善点、OpenPBR サーフェスシェーダ、Bifrost 2.11.0.0など、さまざまな新機能や改善が導入されました。
詳しくは下記のページをご覧ください。https://t.co/7LEhCQWGO9#autodeskmaya #maya3d #Autodesk
グラフエディタの改善
アニメーションプリファレンス(Animation Preference)に用意された「ズーム時にキーのサイズを自動変更(Auto-resize keys on zoom)」を設定することで、縮小ズーム時にグラフエディタ内のキーのサイズを変更できるようになった。これにより、キーフレームの多いカーブについて、編集効率が向上する。
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また、上記プリファレンスに追加された「接線ハンドル サイズ(Tangent handle size)」と「接線の太さ(Tangent line thickness)」を調整することで、グラフ ビューの接線の外観を制御できるようになった。
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ブール演算の改善
ブール演算アルゴリズムが3ds Maxに合わせて更新され、Mayaと3ds Max間で共有される統合されたコアブール演算エンジンが有効になった。従来のMayaのブール演算では、複雑なジオメトリについて演算が失敗することがあったが、更新によってブール演算の予測可能性と信頼性が向上した。
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Arnold for Maya 5.4.5にOpenPBRシェーダを実装
Maya 2025.3で導入されたArnold for Maya 5.4.5にOpenPBRシェーダが実装され、特に光沢/ぼかしモデルと金属反射のパラメータ設定が改善されている。
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Arnold for Maya 5.4.5ではその他、ボリューム内での光の散乱方法の改善、Intelデノイザーの更新によるノイズ除去品質の改善、ランプ シェーダの改善、ルックアップAOVの量に基づいてスペクトルを作成するヒートマップモードが追加、プロシージャルボリュームのビューポート表示などを実装している。
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Bifrost 2.11.0.0にはクラウド活用のFlow Wedge(プレビュー版)が追加
Bifrost 2.11.0.0には、テクスチャサンプリング、デバッグ用の新しいデータブラウザ、Flow Wedge(テクノロジープレビュー)などが追加。
テクスチャサンプリングは、新しく追加されたsample_texture_fileノードが、ジオメトリのUV座標で補間されたイメージのRGBA カラーを返すもの。
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Flow Wedgeを使用すると、パラメータのバリエーション(ウェッジ)を含むシミュレーションをクラウドに送信してローカルPCのリソースを解放し、結果を待つ間に他の作業を行うことができる。生成されたキャッシュは簡単にロードして比較できる。
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その他、Maya 2025.3に搭載されるUSD for Maya 0.30では、ネイティブのMayaビューポートでUSDカメラのコントロールが可能になったほか、LookdevX for Maya 1.6.0でもOpenPBRが使用できるようになった。
■Maya 2025.3 Update リリース ノート(Maya ヘルプ)
https://help.autodesk.com/view/MAYAUL/2025/JPN/?guid=MAYA_RELEASENOTES_2025_3_RELEASE_NOTES_HTML
■Maya 2025.3 Update の新機能(Maya ヘルプ)
https://help.autodesk.com/view/MAYAUL/2025/JPN/?guid=GUID-E30563A9-74A3-4E4B-A955-CDDD25A562FD
■Maya 2025.3 リリース(AREA JAPAN)
https://area.autodesk.jp/product/maya/features/2025-3/
CGWORLD関連情報
●生成AIスイート「NVIDIA ACE」向けUnreal Engine 5プラグイン発表! MayaによるAIフェイシャルアニメーション制作、AI駆動のMetaHumanをスムーズに展開可能に
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NVIDIAはAI駆動のMetaHumanキャラクターの構築や展開を容易に行えるNVIDIA ACE向けのUnreal Engine 5用プラグインを発表。また、Maya用の新しいAudio2Face-3Dプラグインも発表され、AIを活用したフェイシャルアニメーションの効率的な制作に対応する。
https://cgworld.jp/flashnews/202410-NVIDIA-ACE.html
●ジェットスタジオ赤崎氏によるBifrostチュートリアルがAREA Japanで連載開始! 8月にはCEDECにも登壇
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ジェットスタジオのCGディレクター赤崎弘幸氏が7月からチュートリアル記事「Bifrost for Maya Rigging Challenge~一歩先のリグ・アニメーションに挑戦~」の連載をスタート。
https://cgworld.jp/flashnews/202407-Bifrost-Jet.html
●Maya 2025.2リリース! 機械学習により群衆アニメーションを迅速化できるMLデフォーマ、ブレンドシェイプ読み込みに対応したUSDプラグイン、ランプノードが追加されたLookdevXなど
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Maya 2025.2 Updateでは新機能としてMLデフォーマが搭載され、USD for Maya 0.29、LookdevX for Maya 1.5.0、Arnold for Maya 5.4.2.1などの更新、いくつかのバグフィックスが実装されている。
https://cgworld.jp/flashnews/202508%E2%88%92Maya2025-2.html