株式会社オー・エル・エム・デジタル(OLM Digital)の研究開発部門は11月25日(月)と11月27日(水)、同部門が開発したツールの無償公開プロジェクト「OLM OpenTools」に5種のプラグインを追加・公開した。これらのツールはApache License Version 2.0(商用利用無料)で提供される。

ノイズ関数を使ったデフォーマ「Noise Deformer」(Maya 2019〜2025)

様々なノイズ関数によりオブジェクトを変形させる、Maya用のデフォーマプラグイン。ノイズのアニメーションや強さ、細かさなどのコントロールも可能で汎用性が高い。

■Noise Deformer
https://www.olm.co.jp/post/noise-deformer

透明ピクセルに近くの色を塗り伸ばす「OLM Toon Dilate」(After Effects 2022〜2024)

©ナナシ・講談社/「イジらないで、長瀞さん」2製作委員会

OLM撮影部がアニメ制作時に、主線のスタイルを変更する際に利用するという、After Effects用の透明ピクセルの塗り伸ばしツール。図は、主線をマスクした箇所を透明なピクセルにして(左)、本プラグインで透明ピクセルに近くの色をDilate(拡張)している(中)。その後、スタイルを変更した主線を乗せて完成(右)。塗り伸ばしに利用するのはオリジナルに存在するピクセルカラーのみ。

■OLM Toon Dilate
https://www.olm.co.jp/post/olm-toon-dilate

セルルックに適した法線編集ツール「OLM Normals」(Maya 2023〜2025、Arnold 7.3.0.0)

© 阿久井真/小学館/NHK・NEP・日本アニメーション

ペイント感覚で直感的に法線を編集できるMaya用のツール。法線のロックや転送にも対応し、Subdivと組み合わせてArnoldでレンダリングできる。プロキシモデルを作成して法線を編集し、下記OLM Toonが設定されたターゲットモデルに転送することで、セルルックなレンダリングが可能。

■OLM Normals
https://www.olm.co.jp/post/olm-normals

アニメ制作用トゥーンシェーダ「OLM Toon」(Maya 2023〜2025、Arnold 7.3.0.0)

© TーARTS / syn Sophia / テレビ東京 / AP製作委員会

Arnold用トゥーンシェーダ。輪郭線とセルシェーダが含まれ、リムや影、輪郭の太さなどの細かい制御もできる。上記OLM Normalsで法線を意図した方向に編集し、OLM Toonでシェーディングすることで、理想のセルルックを実現できる。

■OLM Toon
https://www.olm.co.jp/post/olm-toon

ジャギーのスムージングエフェクト「OLM Smoother v2」(After Effects 2022〜2024)

©IIS-P/ぽんのみち製作委員会

2009年に公開した、ブラーをかけずにジャギーを除去する「OLM Smoother」をリニューアル。カラースペースを意識した色の補間、作品のテイストに合わせた線のなめらかさと濃さの微調整なども行えるようになった。

■OLM Smoother v2
https://www.olm.co.jp/post/olm-smoother-v2

CGWORLD関連情報

●とことん深掘り! アニメの3Dレイアウト>>『薬屋のひとりごと』 〜前半〜

OLMとOLM Digitalが制作を手がけたアニメ『薬屋のひとりごと』のメイキング記事。特に3DLOの仕事を深掘りしている。
https://cgworld.jp/article/202407-kusuri1.html

●「Maya 2025.3」リリース! グラフ エディタやブール演算の改善、OpenPBR サーフェスシェーダ、Bifrost 2.11.0.0など

オートデスク株式会社Maya 2025.3 Updateをリリース。グラフエディタやブール演算の改善、Arnold for Maya 5.4.5におけるOpenPBRサーフェスシェーダの実装、Bifrost 2.11.0.0、USD for Maya 0.30、LookdevX for Maya 1.6.0などが導入されている。
https://cgworld.jp/flashnews/202410-Maya2025-3.html

●yamahigashi氏制作のMaya用交差判定プラグイン「Maya Intersection Marker v1.1」アップデート! スムーズメッシュ対応、Maya 2025用バイナリ追加

パイプラインTD・リガー・TAのyamahigashi氏がGitHubで配布しているMaya用交差判定プラグインの最新バージョン「Maya Intersection Marker v1.1」を公開。新たにスムーズメッシュ(Smooth Mesh)に対応するほか、Maya 2025用のバイナリも追加している。
https://cgworld.jp/flashnews/202409-Maya-yamahigashi.html

●心の震えが伝わってくる! Şefki Ibrahim氏がMaya&Arnoldで魅せるフォトリアルなフェイシャルアニメーションが話題 有料のチュートリアル講座も

イギリスの3Dキャラクターアーティスト・Şefki Ibrahim氏は、自身が現在取り組んでいる、フォトリアルな“泣き”のフェイシャルアニメーションのWIP(Work In Progress、進行中)を自身のXに投稿。そのクオリティに賞賛の声が多数寄せられている。
https://cgworld.jp/flashnews/202407-Ibrahim-Photoreal.html