Foundry社は2月28日(金)、コンポジット&VFXツール「Nuke 16.0」をリリースした。複数ショットの一括処理機能(マルチショットワークフロー)を搭載するほか、大規模なロトスコープ作業のパフォーマンス向上、ショットのレビューや承認、納品の迅速化などの新機能を実装している。
マルチショットワークフロー(複数ショットの一括処理)
複数のショットまたはシーケンス全体を一度に合成できるマルチショットワークフローを新搭載。似たショットの変更を一括適用して、コンポジット作業を迅速化できる。
新搭載のGraph Scope Variables(GSVs)は、マルチショットに適用するコンテキストを作成するための変数で、スクリプト制御にも対応する。

設定済みのGSVsはVariableSwitchノードを用いた分割や結合のワークフローで利用する。


また、Variablesやスコープのグループを定義するVariableGroupノードが用意されたほか、GSVsはコマンドラインレンダリングやLiveGroupsノードでも利用できるようになっている。
大規模なロトスコープのパフォーマンス向上
Rotoノードが改良され、大量のシェイプを扱う際の高速化が図られた。キャッシュ作成や再生、ビューア上での図形操作時の追従性、モーションブラーのパフォーマンスなども改善されている。
ショットのレビュー・承認・納品の迅速化
コンタクトシート作成機能が搭載され、複数のショット比較がしやすくなった。手動またはタグ&フィルタによるクリップ選択により、素早くシートを作成できる。シートはマルチページに対応するほか、Soft Effectsのバイパスも設定可能。

また、シーケンスから動画ファイルをエクスポートする方法として新たに「Quick Export」を搭載。レビュー用のシーケンスのエクスポートがNuke 15.0と比較して最大12倍高速になった。

さらに、マルチチャンネルSoft Effects機能により、マルチチャンネルEXRファイルを直接タイムラインに用いて素早くエフェクトを調整するなどが可能になった。

その他、全更新内容はこちら。
■Nuke 16.0 is here(Nuke 16.0キャンペーンサイト、英語)
https://campaigns.foundry.com/products/nuke-family/whats-new
■What's New in Nuke, Nuke Studio, and Hiero 16.0(Release Notes、英語)
https://learn.foundry.com/nuke/content/release_notes/nuke_16.0.html
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