映画監督の菱沼康介氏による講義第3弾。
今回は撮影の基礎と技法について学びます。
講義の内容
本講座では、映像制作における撮影の基礎を映画監督から学び、物語の伝え方を探求します。映像とは被写体を撮影した動く画の集合体であり、その撮影技法によって物語の伝わり方が大きく変わります。ここでは、撮影の基礎とその技術を活用した物語の語り方について学びます。
本講座を通じて、映像制作の基礎をしっかりと学び、物語の魅力を最大限に引き出す撮影技法を習得しましょう。
カリキュラム
■物語における撮影の考え方
1. 目
2. イメージと感覚
3. カメラとモニター
■撮影の要素
1. ポジション(カメラと被写体の距離・アングル:レンズの角度)
- カメラの位置:リアル優先か表現優先か
- 被写体への向け方
2. フレーム(画面内外のサイズ)
- フレームのサイズ:エクストラワイドからスーパークローズアップまで
- 視覚媒体:スクリーンかモニターか
3. レイアウト(画面内の配置と被写体の関係)
- 被写体と空間の切り取り方
- 時代と流行を考慮した特殊撮影技法:マルチスクリーン
4. カメラワーク(カメラの動き)
- カメラの動き:上下左右、被写体に合わせた動き
- 使用機材:手持ち、乗り物、特殊機材
5. ファンクション(レンズ・カメラの機能)
- レンズワーク:ズーム、ハイスピード撮影、手振れ補正、シャッタースピード
6. ルック(画面の調子と画質)
- 撮影素材:カラー、白黒、フィルム、デジタル、アナログビデオ
- 画面の印象:色調
7. 融合
- 以上の要素を融合させ、画面を作り上げる
■物語のための撮影を発見する
1. コンセプトを反映させる
- 表現や語り口に合わせた撮影
- ジャンル理解:ホラー、コメディ、史劇
- 歴史の取り入れ、オマージュなどの引用や踏襲
2. 科学や時代を取り入れる
- 映像技術の進化を反映
- 時代の流行を取り入れる
講師の紹介
菱沼 康介(ヒシヌマ コウスケ)
東京都出身。平成ゴジラシリーズの脚本家の三村渉に師事し、平成ゴジラシリーズの企画スタッフなどで映像界入り。劇場版の『ウルトラマンティガ&ダイナ&ガイア』、『仮面ライダー響鬼』などの特撮だけでなく、映画家と称し、映画、CM、MV、TV番組、舞台作品などを手がける。(スタッフとして大河ドラマや映画『スパイ・ゾルゲ』など多くの映像作品に携わる)
26歳で自主製作した映画『つづく』で、ぴあフィルムフェスティバルのグランプリを受賞。現在まで国内・北米・豪・印・伊で90以上の映画祭に選出され、米LA・印・伊のグランプリ6冠含む51冠を獲得。2020年、『犯罪×少女』シリーズ第2作『恐喝少女』が北米Amazonに購入され、『BLACKMAIL GIRL』として配信される。北米発売は三作を数えている。
主な監督作品には山田風太郎原作の『くノ一忍法帖 影ノ月』やゾンビ漫画の実写化『ライフ・イズ・デッド』、オリジナル映画の『恐喝少女』などがある。
また、演技コーチとしても定評があり、斎藤工、三浦透子、武井壮、金澤美穂なども受講している。
開催概要
- 開催日時
2024年8月7日(水)18:00-21:00
- アーカイブ配信
あり(期間限定)
- 受講料
10,000円(税抜)