AI技術は日々進化し、その進化に伴い情報の更新も驚くべきスピードで進んでいます。
特にクリエイターの皆さんは、AI技術の進化を肌で感じる場面が多いと思います。しかし、「AIの重要性は理解しているけど、情報をインプットする時間がない」「本当に知っておくべき情報だけを知りたい」「安全にAIを活用したいけど、今どんな状況か分からない」こんな悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
『AIトレンド・ダイジェスト』では、CGクリエイターが知っておくべき最新のAIトピックを厳選し、短時間で効率よくキャッチアップできる内容をお届けします。Cafe AIの協力のもと、国内外30以上のメディアから集めた最新情報を基に、特に注目すべきトピックをピックアップ。前半では、先月リリースされたトピックの中から特に重要な3つのトピックを紹介し、後半ではAI活用事例や最新ツールを紹介しています。
【注目のAIトピック3選】
①xAI、トレーニングシステム「Colossus」を発表
ElonMusk氏が代表を務める米x AIは2024年9月3日、新たなトレーニングシステム「Colossus」をオンラインにすることが完了したと発表。「Colossus」は、NVIDIAとの提携により開発され、OpenAIやGoogleを含むこれまでのどのクラスターよりも規模が大きく、100,000個のGPUを使用している。(OpenAI:80,000個/Google:90,000個)ElonMusk氏は、今後さらに2倍の規模に拡大する計画を発表している。
This weekend, the @xAI team brought our Colossus 100k H100 training cluster online. From start to finish, it was done in 122 days.
— Elon Musk (@elonmusk) September 2, 2024
Colossus is the most powerful AI training system in the world. Moreover, it will double in size to 200k (50k H200s) in a few months.
Excellent…
②Sakana AI、NVIDIAらから合計で約300億円の資金調達を完了
日本発のスタートアップとして注目を集めるSakana AI。シリコンバレーの有力VCであるNew Enterprise Associates(NEA)、Khosla Ventures、Lux Capital、Translink Capital、500 Global、さらに、NVIDIAが同社に出資。
また新たに日本を代表する企業(三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井住友銀行、みずほフィナンシャルグループ、NEC、SBIグループ、第一生命、伊藤忠グループ、KDDI、富士通、野村ホールディングスなど各業界のリーディングカンパニー)が出資。これにより、合計で約300億円の資金調達を完了した。
③Meta、スマートグラス「Orion」のプロトタイプ発表
米Metaは2024年9月25日、同社の年次カンファレンスにて、長年開発してきたスマートグラス「Orion」のプロトタイプを発表。Orionは、AR、視線と手の動きの追跡、生成AI、ジェスチャー検出のリストバンドが組み合わさったヘッドセットであり、コストは1個当たり1万ドルかかると言われている。同社はこの「メガネ(ウェアラブルデバイス一式)」「AI」「AR」の組み合わせがiPhoneに代わる次世代のデバイスになると主張、これまで数百億ドルを投資してきた。同社は10年間Orionに取り組んでいる。
詳しくはこちら【最新ツールウォッチ】
Adobe「Firefly Video Model」:動画編集の新時代の幕開け
Adobeが今年後半にリリース予定の「Firefly Video Model」は、商業利用を見据えた安全設計が特徴で、Premiere Proとの統合が予定されている。映像制作の時間短縮や、テキストベースでの映像編集が可能に。
詳しくはこちら「Tripo 2.0」:3Dモデリングの常識を覆す新時代のAIツール
Text to 3DとImage to 3D両方の品質を向上させた「Tripo 2.0」は、ハードサーフェスのモデリングで革新をもたらすツール。コンセプトアートから3Dモデル生成が高速化し、プロジェクトの制作時間が大幅に短縮される。
詳しくはこちら【その他AI業界動向】
OpenAI有料ユーザー100万人突破
米OpenAIは2024年9月5日、同社「ChatGPT」の有料ユーザー数が100万人を突破したと発表した。2024年4月時点では60万人であり、この増加の背景には、サム・アルトマンCEOが強く推進する法人へのChatGPT導入が貢献している。
詳しくはこちらStability AI、映画監督ジェームズ・キャメロン氏が取締役に就任
英Stability AIは2024年9月24日、アカデミー賞受賞監督である映画監督ジェームズ・キャメロン氏を取締役に迎えたことを発表。Stability AIは画像生成AIを開発しており、主力モデルであるStable Diffusionは、Hugging Faceで1億5000万回以上ダウンロードされている。
詳しくはこちらSONY、「PS5 Pro」発表(+AIによるエンタメ体験の向上)
ソニーは2024年9月11日、「PlayStation 5 Pro」を発表。主任設計者は3つの大きな機能を取り上げており、「より大きなGPU」、「高度なレイトレーシング」、「AIを活用したゲームのアップスケーリング」を強調している。現状のPlay Stationでは、ユーザーは「非常に高い解像度による鮮明なゲーム描写」と「応答性の高いグラフィックによる円滑な描写」のトレードオフの選択に迫られており、多くのユーザーが後者を選択しているが、新しい「PS5 Pro」では、計算ユニットが67%、メモリが28%の性能向上を実現しており、レンダリングが最大45%高速化されることから、これらの両立が実現できるとしている。
詳しくはこちらウクライナ政府、公共広告にAIアバターを使用へ
ウクライナの社会政策省は2024年9月27日、国民に社会プログラムを知らせたり、公共広告をしたりするために、AIで生成されたアバターを使用することを発表。医療へのアクセス、年金、シングルマザーへの社会扶助、後見下での子供の引き取り方など、支援プログラムに関する情報を国民に提供する必要がある中で、英「Synthesia」が製作を担当し、公共広告に活用する。
詳しくはこちらヨーロッパ最大の電子機器見本市「IFA」開催、AI PCが主役に(+AI PC競争の現状)
2024年9月6~10日にかけて、ドイツのベルリンにてヨーロッパ最大の消費者向け電子機器見本市である「国際家電見本市(IFA)」が開催された。今年のIFAでは、Lenovo、Microsoft、Intelなど大手PC企業、チップ製造企業が一堂に会しており、中でも、各社がAI搭載のパソコンを大きくアピールしている。Intelは、次世代プロセッサであるCore Ultra 200Vの発表で、QualcommとAMDのチップを搭載したノートPCを発表。
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