Marvelous Designer初の公式CGコンテスト「VIRTUAL GARMENTS CONTEST」の結果が発表された。「Marvelous Designerを利用した衣装作品」という応募条件のもと、主催の予想を超える作品数が応募されたという。
入賞作品にはウェディングドレスや十二単など、バラエティに富んだ衣装作品が立ち並んだ。他のCGソフトにはない、Marvelous Designerだけの機能をいかに上手に利用したかのポイントで講評されている。
入賞作品の中でもMarvelous Designerならではのシワやレイヤー、フリルを華麗に表現した3作品をご紹介しよう。
審査結果
大賞『Handmade wedding dress』 (by Yukiko Saiki)
ガーデンでのスモールウエディングをコンセプトにしたという本作品。
Marvelous Designerでの制作後CLOによる生地調整とレンダリングを行った。
審査員からは複数の素材を利用した生地の表現と、フロント部の縫合によるシワ表現について高い評価を受けている。
優秀賞『Japanese Costume』 (by Mari Takahashi)
生地を自由に重ねて自分を表現するため、普段着る機会の少ない「十二単」をベースにした着物を選んだという。
シミュレーションでキャラクターをYポーズから着座させ、Marvelous Designerでシワや形が綺麗に出るように調整しすることで多層の美しさを表現した。
審査員の太田和義 氏は、Marvelous Designerで「十二単」を表現するという発想を評価している。他入賞作品と比較しても本作品だけが和装であり、際立ったシルエットを見せている。
奨励賞A『In the water』 (by Jimmy Song)
参考資料を見つけ、そこからはすべてMarvelous Designerのみで制作された衣装。小島拓哉 氏はフリルの全体的な質感、生地のボリューム感、背中のボリューム感、またT袖のボリュームの変化が全体のシルエットのアクセントになっている点を評価した。
シワやレイヤーとは異なった、規則的な美しさをフリルが感じさせる。
審査員
伏見京子 氏(Free Stylist) S Mode ・日本モデム卒業。フリースタイリストとして、雑誌、広告、舞台、ミュージシャンのスタイリングを担当。1999年から2000年にかけて、エコロジーとファッションをつなぐことを目指した「ELPEE MAGAZINE」を発表。2014年AWより、日本人デザイナーをサポートするシェアパフォーマンスグループ「HAPPENING」が活動を開始。
堀江雅也 氏(CyberHuman Productions, inc./Marvelous Designerエバンジェリスト)2015年より各種衣装の制作や既製服のデジタル化を担当。 カンファレンスへの参加やセミナーでの講演も積極的に行うMarvelous Designerのトップクリエイター。デジタルファッションの表現やデザインのほか、VR、ARプロジェクト、UnrealEngineを使ったメタバース制作など、活動の幅を広げている。
田中一生 氏(Meta Fashion Factory)2004年、株式会社サイバーエージェントの子会社である株式会社シーエーサーチに入社し、2006年より事業部長として勤務。広告代理店事業では、検索やアドテクノロジーなど、さまざまなプロモーション領域の責任者を務める。2011年、海外部門の立ち上げに伴い、サンフランシスコ支店に配属。ゲーム事業の推進・分析を担当。2013年よりアドテク事業に参画し、事務局、営業、プロダクトマネージャーを歴任。2018年にプロモーション領域の立ち上げに事業統括として参加後、2019年よりインフルエンサー領域のタイアップを担当。
小島拓也 氏(株式会社スクウェア・エニックス 第三開発部/キャラクターアーティスト)2016年株式会社スクウェア・エニックス入社。『FAINAL FANTASY XIV』のキャラクターアーティストとして、主にキャラクターの衣装や防具を担当。
太田和義 氏(株式会社スクウェア・エニックス 第三開発部/テクニカルアーティスト)3DCGを学ぶため専門学校に入学、卒業後株式会社スクウェア・エニックスに入社。現在はファッション知識、特にパターン知識とスキルを活かしたキャラクタークリエイトワークフローの整備を担当。
主催
CLO Virtual Fashion Japan