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作品の大型化、高解像度化に伴い、必要なPCスペックがますます向上しているCGアニメ制作の現場。神山健治氏、荒牧伸志氏、両監督による完全新作フル3DCGアニメ『攻殻機動隊』が始動したSOLA DIGITAL ARTSでも、次世代CGアニメ制作をにらみ、マウスコンピューターの第9世代インテルCPU搭載PCの導入検証がなされた。検証の中で、浮かび上がってきたPC選びのポイントとは?
新旧世代間で3倍以上の速度差
シーン展開やレンダリングによる待ち時間が発生しがちな3DCGの制作現場では個人の作業スピードがプロジェクト全体の工数に影響するため、モデラーやコンポジターなど役割ごとに最適なスペックのPCを選定し効率化を図ることが必須となっている。今回は『ULTRAMAN』や『攻殻機動隊』を手がけるSOLA DIGITAL ARTS、正木俊彦氏が実際に導入した最新のマウスコンピューター製PCについて、使用感に関するインタビューを行なった。正木氏はセットアップおよびリギングアーティストとしてキャリアをスタートさせ、業界11年目となる現在はクロスシミュレーションや群衆シミュレーションのスペシャリストとして業務を行なっている。
今回導入されたマシンはインテル CPU Core i7-9700K(8コア・8スレッド)、メモリ 64GB、GeForce RTX 2080(8GB)、M.2 SSD 480GB+2.5inch SSD 960GBという構成。インテル製の最新CPUであるインテル Core i7-9700KとGeForce RTX 2080を導入しているのが特徴だ。同社は2016年にも第6世代インテルCPUを搭載したマウスコンピューターPCを導入していたが、「2機種で最も変化があったのはMayaの起動とシーン内の動きで、全体的にふた回りくらい速くなった印象です」(正木氏)とのこと。大きく変更された点はGPUとM.2 SSDの搭載で、ローカル環境でのシミュレーション(クロスはnClothとMarvelousDesigner、クラウドはGolaem 5を使用)は2分11秒から1分44秒に短縮されているほか、Mayaのシーンを展開する時間は3倍以上の速度を記録した。
3DCG制作にブレイクスルーを起こしたい
映像制作の歴史は長く、セルアニメを長年制作してきたクリエイターと3DCG出身のクリエイターが両者揃って業務を行うシーンは多い。同社では現在、『攻殻機動隊』の新作を制作中だが、長年セルアニメに携わった神山健治監督と、15年以上も前からモーションキャプチャを駆使した3DCG制作を行なってきた荒牧伸志監督のタッグは大きな話題を呼んでいる。
インタビューに同席した同社COOの橋本トミサブロウ氏は「CGは技術的な制約があります。しかし、演出的な制限があるということを視聴者に気づかれるわけにはいきません。セル画の場合は"こういうときはこの対処法をすれば画になる"という熟練の技が蓄積されていますが、比べて3DCGはまだ開発の余地があります。シミュレーションだけではないですが、技術的にできないことを減らして3DCG映像制作のブレイクスルーをつくりたいと思っています」と語ってくれた。
同社では2年周期でPCを買い換えており、フォトリアル系の3DCGを扱うためにメモリは64GB以上、OS起動までの時間にも規定があるなど一定以上のスペックのPCが60台以上揃えられている。演出とCG技術は両輪一体で、どちらが欠けても良い作品にはならない。扱う人間がストレスなく制作に向き合えるPC環境をつくることが、最良の結果を生む確かな土壌となる。
DAIV-DGZ530M2-SH10
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● OS:Windows 10 Pro
● CPU:インテル Core i7-9700K(8コア/8スレッド)
● GPU:NVIDIA GeForce RTX 2080(8GB)
● メモリ:64GB
● ストレージ:M.2 SSD 480GB NVM Express SSD/2.5inchi SSD 960GB
● 電源:700W電源
旧世代機VS新世代機パフォーマンス検証
(Golaem 5によるクラウドシミュレーション、レンダリングおよびMayaでの読み込みほか)
Golaem 5によるクラウドシミュレーションおよびシミュレーション後のシーンデータについてMayaでの読み込み検証を実施。なお、シミュレーションはアニメーションがFIXになった後に制作を開始するため、ワークフローとしてプリビズ、モーションキャプチャ、レイアウト、アニメーション、そしてシミュレーションといった順序で行われている。
POINT 01
[ シミュレーションおよびレンダリング時間について ]
「シミュレーションにおいて作業負荷が高いのはモブキャラのクロスシミュレーションやアニメーションなどのアセット作業です。ただ、シミュレーションの処理時間も新モデルの方がはるかに速いですね」(正木氏)。ローカル環境でのシミュレーションの時間比較では、2分11秒が1分44秒に短縮。また、CPUが第6世代から第9世代インテル Core i7-9700Kにジャンプアップしたことにより、3Delightによるレンダリング(BG含め780万ポリゴン)も4分7秒から2分38秒と大幅に短縮された。
POINT 02
[ シーンデータの読み込みとプレビュー速度について ]
ステージシーンでは非常に多くの群衆がデータ上に存在し、シーンの展開にも時間がかかっていたが、こちらはローカルでのデータの読み込み、Mayaの起ち上げおよびシーン展開までの時間が3分8秒から47秒へと3倍近い速度で作業に着手できるようになっている。読み書きの速度にはCドライブに採用されたM.2 SSDが大きく寄与してるかたちだ。また、GeForce RTX 2080に変更した恩恵として大きく取り上げられたビューポートの快適性だが、こちらもまったくカクつくことなく非常にスムーズに動かすことができているという。今後GPU性能が大きく問われるような、さらに大規模な群衆を動かしつつプレビューを行うといった状況が発生したとしても、今回のマウスコンピューター製PCであれば十分に対応が可能となるはずだ。
問い合わせ先
株式会社マウスコンピューター
TEL(法人):03-6739-3808
(平日:9~18時、土日祝:9~20時)
www.mouse-jp.co.jp/creator/
TEXT _神山大輝(NINE GATES STUDIO)