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Anime Expo 2019で発表された、大友克洋監督最新作のSF長編アニメ『ORBITAL ERA』。本作の3DCGアニメーションを担うのが、『九十九』(2013年・サンライズ)でアカデミー賞短編アニメ部門にノミネートを果たした森田修平氏と坂本隆輔氏率いるYAMATOWORKSだ。『ORBITAL ERA』へと続くYAMATOWORKSの歴史とビジョンについて、森田氏に聞いた。

TEXT_神山大輝(NINE GATES STUDIO)
EDIT_藤井紀明 / Noriaki Fujii(CGWORLD)、山田桃子 / Momoko Yamada
PHOTO_弘田 充 / Mitsuru Hirota

『ORBITAL ERA(オービタルエラ)』
1988年『AKIRA』、2004年『スチームボーイ』に続く大友克洋監督3作目の長編アニメーション映画で、大友克洋氏自身が原案・脚本・デザインワーク・監督を手がける。近未来のスペースコロニーを舞台に「人類未来のリアル」を描いた作品。
原案・脚本・デザインワークス・監督:大友克洋
アニメーション制作:サンライズ
orbital-era.com
©KATSUHIRO OTOMO ・ MASH ・ ROOM/O.E PROJECT

観る人に長く愛される映画をつくり続けたい

長編劇場アニメーションをつくり続けられる会社へ

YAMATOWORKSは2003年に結成し2012年に法人化した3DCGアニメーション制作会社で、TVシリーズや劇場映画を数多く手がける日本有数の実力派スタジオだ。代表の森田氏は『ブレードランナー』などのSF映画を観て育ち、その後『風の谷のナウシカ』や『AKIRA』に影響を受け、会社設立以前から世界に通用するSFアニメーション作品をつくることを目標としていたという。2005年、当時としては極めて珍しいフル3DCG作品『KAKURENBO』を公開し、2006年には大友克洋監督たっての推薦もあって日清カップヌードルのTVCMで話題となった『FREEDOM』の監督も務めた。「短編や長編、TVや劇場も含め、これまでたくさんのアニメーション作品をつくりましたが、従来は作品ごとに人を集めて完成のたびに解散するのが一般的でした。ただ、3DCGは技術的ノウハウが重要になる分野です。苦労して蓄積したノウハウを毎回分散させず、積み上げて継承するためには組織化が必要でした」(森田氏)。

『FREEDOM』では、経験を問わず若いクリエイターを50名以上採用することで制作現場に新たな風を取り込み、現在では同社の取締役も務める坂本氏やMORIE代表・森江康太氏など、優秀なディレクター/アニメーターを数多く輩出。『ORBITAL ERA』でも、2012年の法人化以降の中核メンバーと新たなクリエイターが有機的に結びつくことで、同じような化学反応が起こることを森田氏は期待している。

森田氏のビジョンは「長編映画をずっとつくり続けられる会社」をつくること。同社はこれまでも遊技機やゲームではなく、3DCGを用いたアニメーション作品に的を絞って活動してきたが、次のステップとして独自のノウハウを活かした長編映画を積極的につくっていく姿勢だ。そのために必要な人材は、スキルや使用ソフトウェア、年齢や国籍も問わず、一緒に成長できる「映画をつくりたい」という思いをもった人だという。「誰でも最初から上手いわけではありません」と森田氏。現在在籍する少数精鋭のスタッフは、中核として多くの現場で経験を積んできたため、若手クリエイターを育てる土壌もある。「夢を語るなら、僕たちは3DCG界のジブリになりたいんです。自分自身が優れた日本のアニメーション作品を観てこの業界を志したように、未来のクリエイターにとって憧れとなるような作品、そして観る人に長く愛される映画をつくっていきたい。この思いに賛同してくれる仲間を求めています」(森田氏)。

  • 森田修平氏
    株式会社YAMATOWORKS代表取締役

YAMATOWORKS History

2003
森田氏と桟敷大祐氏によるインディーズユニット「YAMATOWORKS」結成

2005
OVA『KAKURENBO』(制作・監督・3DCG)

2006
日清食品カップヌードルPRプロジェクト『FREEDOM』(監督)

  • エポックメイキングな人材を育成
    『FREEDOM』

    2006年に放送された日清カップヌードルのCM「FREEDOM PROJECT」のOVA作品。当時は非常に珍しい手法だったフル3DCGアニメ作品『KAKURENBO』を観た大友克洋氏による抜擢で森田氏が監督として就任し、当時まだ少数だった3DCGアーティストを若手中心に約50名集める。新人も中堅も垣根なくフラットな現場で、坂本氏や森江氏をはじめ、スタジオカラーCGI作画監督の松井祐亮氏やスタジオななほし代表の佐藤広大氏、たつき監督など数多くの著名クリエイターを輩出した。
    ©FREEDOM COMMITTEE

2010
OVA『コイ☆セント』(監督)

2012
リードアニメーター・坂本氏と共に法人化

2013
オムニバス短編映画『SHORT PEACE』
・『九十九』(監督・CGI監督)
・『GANBO』(CGアニメーションチーフ)
・『武器よさらば』(演出・CGI監督・CGスタッフ)
TVアニメ『ガッチャマンクラウズ』(CGI監督・CGスタッフ)

  • アカデミー賞ノミネートという世界的評価
    『九十九』

    大友克洋監督『火要鎮』を中心に4作品で構成されるオムニバスアニメ『SHORT PEACE』の一編で、森田氏が監督、坂本氏がCGI監督を務めた。同作はアヌシー国際短編アニメーションフェスティバルや第86回米国アカデミー賞 短編アニメーション部門にノミネートされ、国内外で高い評価を得る。「次は長編アニメーションで再びこの舞台に立ちたいという夢をもった」(森田氏)という、法人化の契機にもなった作品。
    ©SHORT PEACE COMMITTEE

2014
TVアニメ『東京喰種トーキョーグール』(第1期・第2期監督)
TVアニメ『牙狼〈GARO〉-炎の刻印-』(CG監督・CGスタッフ)

2018
長編映画『ニンジャバットマン』(パート監督・CGI監督アニメーションチーフ・CGスタッフ)
TVアニメ『キャプテン翼』(3CDGディレクター・CGスタッフ)

  • TVアニメを手がけた後に劇場長編に参加
    『ニンジャバットマン』

    法人化した後は複数のTVアニメの制作に携わり、『東京喰種トーキョーグール』では作画アニメの監督も務める。「オリジナル作品ばかりつくっていたので、原点に帰って3DCGをやるために、もっとアニメをしっかり知ろうとTVアニメに目を向けました」(森田氏)。その後は持ち前の長編ノウハウと3DCG技術を用いて、神風動画とタッグを組んで劇場長編『ニンジャバットマン』なども手がけた。この頃から、長編作品を自社のみで制作するビジョンを明確に掲げ始める。
    Batman and all related elements TM & ©DC COMICS.
    ©Warner Bros. Japan LLC

2019
長編映画『ORBITAL ERA』制作スタート
※作品は一部省略

Information

株式会社YAMATOWORKS
設立:2012年8月1日
所在地:〒185-0021 東京都国分寺市南町2-16-21 冨士ビル2F-C
TEL:042-401-0340
URL:yamato-works.com

大友克洋監督最新作のSF長編アニメ『ORBITAL ERA』制作開始に伴い、YAMATOWORKSがクランクインスタッフ大募集!
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cgworld.jp/jobs/30056.html