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BTOメーカーのFRONTIERが送るクリエイターPC「GHシリーズ」。GPUにNVIDIA Quadro RTX 4000を搭載するなど、プロ用途に照準を合わせつつも、購入しやすい価格帯を実現したモデルだ。ハリウッド映画、モーターショー向け映像、アーティストのツアー向けCG映像など、日本にいながらにして世界中の映像制作にたずさわるモーションデザイナー/ディレクターの佐藤隆之氏に、その実力を検証してもらった。
TEXT_小野憲史 / Kenji Ono
EDIT_藤井紀明 / Noriaki Fujii(CGWORLD)
PHOTO_蟹 由香 / Yuka Kani
<1>GPUレンダラをフル活用し、作業時間を短縮する
2004年に渡米後、ハリウッドの巨匠カイル・クーパーに師事。2013年に帰国後は、ショートフィルム『The Moment of Beauty』で一躍注目を集めたのを振り出しに、今日まで精力的な仕事を続けている佐藤隆之氏(以下、佐藤氏)。日本のモーションデザイナー・ディレクターの第一人者で、手がけた作品はモーターショー向けの40KフルCGアニメーション、浜崎あゆみや東方神起をはじめとした人気アーティストのツアー用CG映像、ハリウッド映画のタイトルシークエンスなど多岐にわたる。フリーランスのCGクリエイターでチームを組み、日本にいながらにして世界中の作品制作に携わる日々だ。
X-REEL2017 ©OTAS.TV
RESIDENT EVIL 2/BIOHAZARD RE:2(Produced at Prologue) ©CAPCOM
HIS DARK MATERIALS (Produced at Elastic) ©BBC Studios/HBO
THE AFFAIR (Produced at Prologue) ©SHOWTIME
1件あたりの制作期間は数週間から1ヶ月半で、年間で4〜50本の案件にたずさわる。そのため機材選定の最重要項目は、何はなくとも「速度」だ。「物欲がなくて、自分の収入はほとんど機材に投資しています」と語る佐藤氏。もっとも、青天井に費やしているわけではない。チームのメンバーがストレスなく働ける環境を整えることが何よりも重要だ。「利益を追求するのではなく、映像制作を通した社会貢献ができればと思っています。会社にすることなく個人事業主でいるのも、それが理由です。作品制作を楽しめる環境を整えたいですね」。取材に対して佐藤氏はこのように笑った。
実際、個人事業主だと仕事に対する「想い」を込めやすい半面、ビジネス面でのリスクもある。背景にあるのが日米の業務内容のちがいだ。日本では発注時にデザインも含めて打診されることが多いが、アメリカではデザインが固まっており、それに基づいて作業を行うのが一般的。「どちらも一長一短ですが、アメリカ流だとデザインにかかる時間をそのままクオリティアップに使えるので、その分だけ成果物の品質が上がります」。逆に日本流のやり方だと、「デザインの費用がともすれば忘れられがちなので、そのような場合には極力自らデザインの重要性とその期間・コストについては伝える努力をしている。」といった。
メインで使用するツールはCINEMA 4Dだ。モーショングラフィックスやVFXを制作し、OctaneRenderやRedshiftでレンダリングしていく。その速度感は圧巻で、クライアントのデザインデータを基に、翌日にはラフデータが動いているほど。出力された映像をAfter Effectsで合成し、最終調整を行えば完成だ。CPUではなくGPUレンダラを愛用するのも、その圧倒的な速度感ゆえ。そのためPCにはグラフィックカードの複数挿しを行うのが基本で、ハイエンドなグラフィックカードを2枚組み合わせることが多い。自身のマシンには3枚のグラフィックカードを入れているほどだ。
一方で業界で広がるSSDの使用には懐疑的だ。システムドライブはSSD化しているものの、作業用のドライブはハードディスクをRAID環境で使用している。「特に4K時代になって、キャッシュデータの容量が尋常ではなくなってきました。そのためアクセス速度よりも容量が重要で、コストパフォーマンスを考えるとハードディスクに軍配が上がります。もっとも、われわれの仕事だと個々のファイルはそれほど大きくありません。動画編集などの用途では、また変わってくるかもしれませんね」。このように、目的に応じて、機材投資のメリハリをつけるのが佐藤流。非常に合理的な考えの持ち主なのだ。
<2>幅広い業務に対応できる汎用性の高い構成
そんな佐藤氏にとって、今回検証した「GHシリーズ」はどのように映ったのだろうか。CPUにCore i9-9700K、GPUにQuadro RTX 4000、メインメモリは32GBを搭載。ストレージに1TBのM.2 NVMe SSDと3TBのHDDを組み合わせた構成だ。フルタワー筐体に850Wの電源を搭載するなど、拡張性も抜かりない。その上で価格を25万円前後に抑えるなど、コストパフォーマンスにも配慮されている。佐藤氏は大半の映像制作業務がこれ1台でこなせると評価した。
CINEMA 4Dで制作し、OctaneRenderを用いてレンダリングされたOTAS.TVロゴ。取材合間の十数分でレンダリングが完了した。今回は特別に配布用としてレビューに使用したCINEMA 4Dのプロジェクトファイルを佐藤氏に提供してもらった。CINEMA 4Dで開くことができ、レンダリングにはOctaneRenderが必要だ。また、オプションとして仮のHDRIをフリーのHDRI共有サイトHDRIHAVENより使用している。使用したHDRIはこちら。
佐藤氏制作データダウンロード(19.5MB)
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実際、GPU以外の機材には驚くほどこだわらない。「CPUはi7かi9のモデルであれば、特にこだわりはありません。AMD製品にも注目していますが、他のIntel製マシンとシミュレーションの結果が異なる場合があるので、導入は慎重に考えています」。メモリも32〜64GBあれば十分とのこと。唯一こだわっているのがネットワーク環境だ。いち早く10Gbps対応をすませ、データ転送時のボトルネックを解消した。スイッチングハブが10万円前後と価格が高止まりしているが、データのコピーなどで無駄な時間を費やす方がもったいないという。
今回のマシン構成でCINEMA 4D上での作業は特にストレスを感じなかったという。「もっとプレビューでもたつくかと思いましたが、杞憂でした」。GPUレンダラの性能をフルに活かすには相応のGPUメモリも求められるが、今回の8GBが搭載された構成でも十分だという。
5年先となると不明だが、これからの数年間はGPUの必要性が増加していくというのが佐藤氏の見立てだ。理由のひとつに、Mayaに標準搭載されたArnoldがGPUレンダリングに対応している点がある。Mayaのバージョンアップと共に、GPUレンダラがますます身近なものになっていくからだ。VR案件の増加といった外部要因の変化もあり得る。レンダリング時間の短縮というメリット、それに伴うコスト、双方のバランスがより求められることになる。今後もクリエイターとして速度感重視で駆け抜けていきたいと、佐藤氏は語った。
お問合せ
インバースネット株式会社
TEL:050-3538-2561
URL:www.frontier-direct.jp/
FRONTIER クリエイター向けPC「GHシリーズ」
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