株式会社ワコムは、普段利用している画材や文具について10代から60代のプロクリエイターやイラストなどを趣味としている人を中心に調査し、結果を発表した(調査期間:2020年10月28日~11月3日)。
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■調査結果について

7割がデジタル画材とアナログ画材の両方を作品制作フローで使い分け
普段の作品制作する際のデジタル画材とアナログ画材を利用する割合を尋ねたところ、「ほとんどデジタル一部アナログ(29%)」、「半々(24%)」、「ほとんどアナログ一部デジタル(19%)」、「フルアナログ(15%)」、「フルデジタル(13%)」と回答した。程度の差はあるが、作品の制作フローに85%がデジタル画材を取り入れており、72%がデジタル画材とアナログ画材を制作フローで使い分けていることがわかった。

デジタル画材は制作の後工程で利用される傾向に
各制作フローで利用する画材や文具について尋ねたところ、下書き(下描き・ネーム)では1位 「シャープペンシル」、2位 「鉛筆」、3位 「スマホやタブレット端末」の順に利用頻度が高く、清書(ペン入れ)では1位 「ボールペンやサインペン」、2位 「液晶ペンタブレット」、3位 「ペンタブレット」、さらに色塗り・仕上げの工程では1位 「色鉛筆・クレヨン・マーカーペン」、2位 「絵具」、3位 「液晶ペンタブレット」という結果になった。液晶ペンタブレットやペンタブレットは下書き後の工程で利用されることが多いようだ。

筆感のアナログ画材と作業効率がよいデジタル画材
デジタル、アナログ画材・文具の良さは何だと思うか尋ねたところ、デジタル画材は「机が散らからない」、「保存がしやすい」、「手軽に使える」という回答が上位を占めた。またアナログ画材は「筆感、感触が良い」、「アナログ画材・文具ならではの表現」、「画材や文具を集めたり、そろえたりするのが楽しい」という回答が上位を占めた。その他、デジタル画材については作業効率やデータ共有のしやすさが良いという回答がある一方で、アナログ画材は手軽に使えることや偶発性のある表現が良いと、画材の特徴をとらえた回答が多くみられた。何度もやり直したり、組み合わせを試したりしながら描き進められるデジタル画材と、作品が一点ものとして手元に残るアナログ画材と、それぞれの画材の良さがある。

「絵具」、「鉛筆」、「色鉛筆・クレヨン・マーカーペン」が使って楽しい画材のトップ3に
次に使っていて一番楽しい画材を尋ねたところ、「絵具(23.6%)」、「鉛筆(15.2%)」、「色鉛筆・クレヨン・マーカーペン(13.1%)」、「液晶ペンタブレット(9.9%)」、「シャープペンシル(9.6%)」が上位5位を占めた。子どものころから慣れ親しんだ画材を選ぶ傾向にある一方で、1台で様々なペンや塗り方を気軽に試すことができる液晶ペンタブレットが楽しいと感じる方も一定数いるようだ。

また、最も身近で慣れ親しんでいるという意見が多かった鉛筆は、調査対象者にクリエイターが多いこともあり、「ラフ・下書き」に使うことが多いという結果になった。使い分けや力の込め方、角度の違いなので多彩な表現ができることも画材として選ばれる要因のようだ。さらに「温かみがあり、親しみもある」とその魅力を感じる人も多く、カッターで鉛筆を削ったことや、かわいい鉛筆を集めたなど、共感できる懐かしい思い出があることも鉛筆が愛される理由かもしれない。

同調査では約7割の方がアナログ画材とデジタル画材を製作フローや作風によって使い分けていることがわかった。筆感などアナログだからこそできる表現や、多様なブラシや質感を手軽に使えるデジタルならではの表現と、どちらもそれぞれの良さがあると言える。

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