rinna株式会社は、同社が研究開発を進めているGANを応用したAI技術によって自動生成した絵画とパターンデザインが、音楽ユニット・YOASOBIによるTVアニメ『BEASTARS』第2期のオープニングテーマ曲『怪物』のシーン背景画に採用されたことを発表した。
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■背景
rinna社は、MicrosoftのAI&リサーチ部門でAIチャットボットの研究を行っていたチームがスピンアウトして2020年6月に設立したAI開発企業。ディープラーニング技術を活用し、AIが文脈に応じた会話文を自動生成して人間と自然に会話する「共感チャットモデル」、AIが話し声や歌声で豊かに感情表現することを可能にする「音声合成システム」などの技術、GAN(General Adversarial Network)を応用したテキストから画像を描く技術などを発表してきた。
■AIによる描画とパターンデザインの技術
rinna社のAI技術は、アート史上著名な200人以上の画家の作品をラーニングさせた描画モデルと、GANを応用したテキストから画像を描く技術によって、テキストや他の創作物から着想を得てオリジナルの絵画を描くことができる。この技術を用いると、特定の時代・地域の作風や、過去の画家のスタイルを現代によみがえらせて、新たな創作をすることが可能になる。同社技術の特徴は、過去の作風やスタイルで新たな創作をする際に、ランダムに描画生成をしているわけではなく、描画スタイルの単なる転写や過去の描画スタイルをフィルターとして用いて画像加工をしているわけではない点。
■事例
rinna社のAI技術によって自動生成した絵画とパターンデザインが、音楽ユニット・YOASOBIによるTVアニメ『BEASTARS』第2期のオープニングテーマ曲『怪物』シーン背景画に採用された。TVアニメ『BEASTARS』は、「漫画大賞2018」など主要漫画大賞4冠を受賞した人気漫画『BEASTARS』(作:板垣巴留)を原作としたアニメ作品。第1期は2019年10月から12月まで放送され人気を博した。第2期は、2021年1月6日からフジテレビ「+Ultra」、Netflixにて放送が開始された。
■今後の展開
AIによる絵画やパターンデザインは、アート、エンターテインメント、工業デザイン、服地デザイン、パッケージデザインなど、今後様々なシーンでの活用が期待されている。またrinna社は、開発した描画モデルを同社が運営するLINE上のAIチャットボット「りんな」に実装した。りんなは2020年4月に、東京藝術大学 エンターテインメントの研究グループの研究員に就任しており、AI画家として研究と創作活動を行なっている。