記事の目次

    今回は株式会社画龍の設立10周年を記念して、壁にあるような装飾をイメージした龍を作成しました。私の浪漫である画龍がここまでこれたのも、皆様のおかげです。

    ※本記事は月刊「CGWORLD + digital video」vol. 217(2016年9月号)からの転載記事になります

    TEXT_早野海兵(画龍) / Kaihei Hayano(GARYU)
    EDIT_海老原朱里 / Akari Ebihara(CGWORLD)、山田桃子 / Momoko Yamada



    STEP1:設立10周年

    おかげさまで株式会社画龍は設立10周年を迎えることができました。決して平坦な道ではありませんでしたが、様々な方々に支えられ、ここまでたどり着くことができました。10周年を迎えて、これからもさらなる3DCGの可能性を追求していきたいと思っております。今後ともご指導、ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。

    STEP2:モデル画像

    ▲元モデル画像です。ベースのモデリングはあくまでパーツを並べるためのガイドなので、複雑にならないようにしてあります。パーツの数が非常に多くなるので、表示の調整をして、ビューポートが軽くなるように整理しています。

    STEP3:モデリング

    ▲頭部のモデルは一番目立つ場所なのでがっちりモデリングしておきます。

    ▲角については、細かいパーツは付けていませんが、わかりやすくすらっとした形状にモデリングしました。

    ▲首から胴体は背景に溶け込むようにするため、すそ広がりな形にモデリング。

    ▲今回は鱗のようなパーツを表面に貼るのにUVが必要です。それほどの正確さはいらないため、ZBrushで簡単に展開します。

    ▲背景の大きなうねりや凹凸はディスプレイスモディファイヤを使用して作っていきます。

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    STEP4:パーツ配置

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    STEP4:パーツ配置

    ▲面に貼りつけるパーツを作成。ただのプリミティブだと少しディテールに欠けるので、鱗を意識しながら形を作成します。

    ▲作成したパーツをForestで配置。どのオブジェクトにも合うように大きさを設定します。

    ▲オブジェクトの配置をGridに変更。互い違いの配置にします。

    ▲ディスプレイスで変形した場所が変形についてきているかを確認していきます。

    ▲さらに表示を変更してメッシュで確認。裏に金属の質感を付けて移動後の見え方をチェックします。

    STEP5:合成作業

    ▲まずはレンダリングした画像をAfter Effectsで読み込みます。

    ▲エレメントでV-Rayのブルームを設定しました。全体的なフレアはこれから加工します。

    ▲Zマスクを使用。少しだけ被写界震度をかけます。あまりやりすぎるとせっかくのパターンが見えなくなってしまうので注意。

    ▲ほかにもライトや反射エレメントを重ねてコントラストを付けていきます。

    ▲最後に左側のスペースにロゴを入れて完成。今回はこのロゴを入れるために左側を空けたレイアウトにしています。

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    Basic MAX

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    Basic MAX

    3ds Maxのちょっとした小技を紹介していく「Basic MAX」コーナー。今回は少し遅くなりましたが、先日リリースされた3ds Max2017のレビューです。

    Point1:注目の新機能

    ▲起動画面は以前と同じままだったので、「おや?」と思っていたら、今回の目玉は全パネルの変更。フラットデザインになっていて、まるで別のツールみたいです。

    ▲UVアンラップにペイントのボタンが付きました。リラックスやソフト選択みたいな感じでしょうか。

    ▲メーカー側も解説しているとおり、ブーリアンが新しく使いやすくなっています。個人的には「Proブーリアンでいいじゃん」とも思いますが......。

    ▲スキンモディファイヤの目玉、ボクセルウェイト。これはいいですね。簡単なものならほぼ一発で設定できます。これまでのようにおかしな変形に落ち込むこともないようです。

    ▲新しい機能の[バッファカーブ]は地味に便利かもしれません。要は変更前のカーブを残しておける機能です。

    Point2:レンダリング関連の機能

    ▲突然搭載されて驚いたのが[ARTレンダー]。物理ベースのレンダラのようです。

    ▲物理ベースのマテリアルもずらっとそろっています。標準の付属マテリアルがずいぶん増えました。

    ▲アクティブシェードとの愛称もバッチリですね。リアルタイムに調整ができそうです。

    ▲ちなみにビューポートの項目がひとつ増えましたね。[ユーザー定義]というビュー設定を定義する機能が付きました。

    ▲余談になりますが、この連載を執筆している7月現在、すでにSP1のダウンロードを確認しています。

    [プロフィール]
    早野海兵(はやのかいへい)
    日本大学芸術学部卒業後、(株)ソニー・ミュージックエンタテインメント、(株)リンクス、(株)ソニー・コンピューターエンタテインメントを経て、フリーランスで活動。2007年(株)画龍を設立。
    www.ga-ryu.co.jp
    www.kaihei.net
    @kai_hei