記事の目次

    MPC Filmで活動中の今川真史氏が解説する本誌の連載と連動して、メイキング動画とコラムをお届けする。

    TEXT_今川真史 / Masashi Imagawa(MPC Film
    EDIT_斉藤美絵 / Mie Saito(CGWORLD)、山田桃子 / Momoko Yamada(CGWORLD)

    NUKE内で素材をつくる

    今月はロボット合成のショットを紹介します。いつも通りキットバッシュで3Dモデルを作成しました。キットバッシュに関しては、今回の作品を使用してオートデスクさんでウェビナーも公開(※2019年1月31日までの限定配信)しておりますので、ぜひご覧ください。

    今回挑戦したポイントは、煙のパーティクルです。NUKEにはパーティクルシステムがあり、使い方次第で非常に便利です。NUKEはノードベースで各素材を合成していくため、素材自体をNUKE内でつくってしまえばプロシージャルな構成となり、最終結果を見ながら素材を容易にコントロールできます。

    最近Houdiniを少し触りました。NUKEと似ていて非常に面白かったです。さすがにモデリングをガツガツNUKEだけでやるのは無理があるのですが、煙や雷くらいならNUKEだけでつくれそうな気がして、少し調べています。

    今、僕の参加している映画でも雷をゼロからNUKEだけでつくっているシーンがあります。素材を調理するのがコンポジターの仕事ですが、自分でもつくれると、さらに表現の幅が広がる気がしています。自分はNUKEだけでゼロからつくるのが結構好きで、限られた装備でサバイバルする感じに似ていて楽しいです。変な例えですけど(笑)。

    日本からカナダへ

    さて、私事ではございますが、11月からカナダ モントリールのスタジオで働くことになりまして、最近はドタバタしている日々が続いております。それに伴いまして、作品制作の体勢が整うまで本誌と本Web連載も少しの間休載させていただくこととなりました。急なご報告で申し訳御座いません。

    まだモントリオールに来て1ヶ月ほどですが、モントリオールは日本に比べるとかなり寒いです。ヨーロッパ風の建築物と近代的なビルが並んでいて、中華街もあります。少し歩くだけで様々な文化に触れることができます。さらに地下がすごく発展していて、巨大なショッピングモールも広がっています。

    会社では、毎日他のアーティストのスクリプトをのぞいて勉強しています。人によって様々なテクニックを使っているので、すごく勉強になります。また連載が再開しましたら、毎月学んだことのアウトプットとして作品をつくって公開したいと考えておりますので、楽しみにしていてください。

    Home coming from Masashi Imagawa on Vimeo.

    Profile.


    • 今川真史/Masashi Imagawa(MPC Film)
      MPC Film/コンポジター

      京都造形芸術大学キャラクターデザイン学科卒業。大学1年次に受けた授業をきっかけに、ほぼ独学で3DCGを学ぶ。自主制作作品『THE SEABED』でKLab Creative Fes'17動画部門グランプリ受賞
      www.artstation.com/masashivfx321



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