>   >  Before&Afterで学ぶ、ポートフォリオ制作:第10回:表紙のレイアウトを改善する
第10回:表紙のレイアウトを改善する

第10回:表紙のレイアウトを改善する

ポートフォリオをつくってみて「コレじゃない」「どうもパッとしない」と感じるものの、「何をどうすれば良くなるか、見当がつかない」という人は少なくないと思います。特にイラストレーションや3DCG制作を専攻している学生さんは、自分の作品をどうレイアウトすれば「ポートフォリオとして映える」のか判断に迷っているケースがよくあります。1枚絵の見映えをよくするのと、ポートフォリオとしての見映えをよくするのとでは、配慮するポイントがちがってきますから、勘所をつかめないのも無理からぬことです。

今回はそんな学生さんたちのポートフォリオを事例に、具体的な改善方法を提案していきます。ご協力いただくのは、東洋美術学校 クリエイティブデザイン科 高度グラフィックアート専攻に所属する7人の学生さんたちです。ポートフォリオのコンセプトや編集自体には触れず、レイアウトの観点からのみ、今ある要素だけで改善できる点を提案しています。今回は表紙のみ、中面は次回とします。掲載順番に意図はなく、順不同です。

SUPERVISOR&TEXT_斎藤直樹 / Naoki Saito(コンセント
EDIT_尾形美幸 / Miyuki Ogata(CGWORLD)
取材協力_東洋美術学校

Case01:五十嵐 礼さん

Before
肝心の名前やタイトルが完全に埋もれてしまっています。絵の邪魔にならないように......という意図はわかるのですが、色オビの右端が人物の足にかぶっているのは少し配慮が足りなかったようです。また文字自体の配置があっさりとし過ぎです。文字列を補強する意図だとは思うのですが、文字列右側のタテ線もあまり活きていません。


After
閲覧者視線の起点となりそうな人物の顔や視線の向きを基準とします。そして画面のおよそ三分の一を目安に、タイトルを配置するベストな位置を探りました。左上の明るい部分も候補のひとつでしたが、龍の神秘性を表したこの絵のキモだと思いますので候補から外しました。

色オビが画面手前の橋柱のさらに手前に感じられるように、人物の膝頭や欄干の空間に注意しながら配置しました。コントラストはより強めに、色味は入れないようにしました。ここまでくれば透明感は必要なかったかもしれませんね。

文字は横幅を揃えるようにしました。こうすることで色オビの四角をより強調します。文字の間のケイ線は、名前に小文字を使ったので行間を締めるため。また色オビの右端を明確にする役割ももたせています。

右下の花びらと併せて逆三角形の構図が明確となり、結果として画面の動きやリズムが強調できたように思います。いかがでしょうか。

Case02:飯島 千瑛さん

Before
閲覧者の視線が自然と集まる場所に文字を配置した好例です。文字列を適切に組み合わせることで存在感を増す工夫(いわば「ロゴ化」ですね)に加えて、絵の躍動感や画面の奥行きを邪魔しないよう、浮き出して見えるようにした配慮も高ポイント。表紙としての完成度は高いと思います。


After
本当に細かいところですが1点だけ。「P」がお尻に微妙に引っかかっているのが気になったので、文字列全体を3ミリほど下げました。元PDFが編集不能だったため、画像のレタッチで調整しています。少し作業が荒っぽかったのはご勘弁。

次ページ:
Case03:杉山 舞さん

その他の連載