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第8回:レンダリング(2)ImageエディタとCompositorエディタ

第8回:レンダリング(2)ImageエディタとCompositorエディタ

社内にBlenderチームを結成し、デモ映像の制作を通じて日々検証を行なっているグリオグルーヴ。本連載では、3ds Max歴25年からBlenderを使い始めた同社のCGディレクター横田義生氏が、自身の経験からBlenderを始めたい人に向けたTIPSを紹介していく。

TEXT_横田義生 / Yoshio Yokota(Griot Groove)
EDIT_三村ゆにこ / Uniko Mimura(@UNIKO_LITTLE

Infomation

『DEEP HUNTER』
グリオグルーヴBlenderチームによる、Blenderで制作を完結させることを目標としたCGアニメーション作品のパイロットムービー。本連載では、この映像の制作を通してBlenderの基礎を解説していく

はじめに

今回は、Blenderのレンダリングに関連した機能として「Imageエディタ」と「Compositorエディタ」の説明をします。どちらのエディタも非常に多くの機能を備えていますが、今回は「レンダリング結果を確認するための機能」に関する説明が中心となります。

レンダリングは最終的な画づくりをしていく作業であるため、カメラアングルやライティング、マテリアルなどの調整で何回ものトライ&エラーが発生します。「Imageエディタ」と「Compositorエディタ」は、それらを調整した結果の比較やView Layerの設定、レンダリング要素を確認するための機能が充実しており、ストレスなくそれらにアクセスできるように設計されているため、レンダリングの確認作業に集中することができます。「Compositorエディタ」に関しては、次回お届けする「レンダリング結果の保存」でも重要な機能となりますが、今回はそのベースとなる基本的なノードを説明します。

制作環境
Blender 2.83.2(Portable版)
OS:Windows 10
CPU:Intel Core i7-9700K
メモリ:32GB
GPU:NVIDIA GeForce RTX 2080 SUPER

<1>Imageエディタ

Imageエディタは、レンダリングを実行すると表示されるウインドウで、レンダリング結果を表示する以外にペイントやマスクの機能も備わっていますが、今回はレンダリングに関連する機能を説明します。他のエディタ同様に、Imageエディタはメインウィンドウのレイアウトの中に自由に組み込むことが可能です。

また、柔軟にレンダリングの要素を切り替えて表示できるほか、レンダリングの結果をいくつでもストック可能で、調整を加えたレンダリングの結果を簡単に比較することができます。

●レンダリングの保存(静止画)
Outputエディタでのレンダリングの保存では、アニメーションのレンダリング結果しか保存されません。そのため、静止画のレンダリングを保存する場合は、Imageエディタから保存することになります。[Imageメニュー→Save]を実行し、ファイルフォーマットを選択して保存します【1-A】


  • ◀【1-A】Imageエディタ①
    ここでの保存以外に、Compositorエディタを使用することで静止画を指定したフォルダに保存することが可能です

1:レンダリング結果のストック
【1-B:a】のプルダウンメニューからスロットを選択してレンダリングを実行すると、そのスロットにレンダリング結果がストックされます。

▲【1-B:a】Imageエディタ②
「a」、「b」、「c」の各プルダウンメニューは、制作しているシーンによって表示される内容が変わります

レンダリング結果を比較したい場合は、レンダリングを実行する前にスロットを切り替えることを忘れないようにしましょう。スロットはデフォルトでは8個用意されていますが、サイドバー(ショートカット[N])のImageタブでスロット数の増減を設定できます【1-C】 。ここではスロットの名前も変更できるため、わかりやすい名前に変更しておくと比較する際に便利です。


  • ◀【1-C】Imageエディタ③
    Imageタブでは、スロット名をクリックするだけで画像の切り替えが可能です。そのため、頻繁に画像を切り替えて比較する必要がある場合は、Imageタブは表示したままにしておいた方が良いでしょう

2:View Layerの切り替え
View Layerを複数設定している場合は、プルダウンメニューで切り替えることができます。【1-B:b】 。View Layerプロパティで、[Use for Rendering]にチェックが付いているレイヤーのみがレンダリングされ、ここに表示されます。[Render Single Layer]にチェックが付いている場合は、アクティブなView Layerのみがレンダリングされ、プルダウンメニューにはそのレイヤーのみが表示されます。

3:レンダリング要素の切り替え
View layerプロパティで追加したレンダリング要素を選択して表示できます。【1-B:c】 。デフォルトでView Layerプロパティでチェックが付いている[Combined(通常のレンダリング)]と[Depth]が表示されています。シーンをレンダリングした際に、どのようなレンダリング要素が出力されているか確認できるため非常に便利です。

▲【1-B-c】Imageエディタ②
「a」、「b」、「c」の各プルダウンメニューは、制作しているシーンによって表示される内容が変わります

●チャンネルの切り替え
アルファチャンネルの表示の切り替えはここで設定できます【1-B:d】 。アルファチャンネルが適用された画像の表示に関する設定や、RGB各チャンネルごとの画像の表示も、ここの設定で確認できます。

●レイアウトにレンダリング結果を表示
分割されたレイアウトの1つにレンダリング結果を表示するには、他のエディタと同様に、表示したいレイアウトの左上のアイコンをクリックして、プルダウンメニューから[Imageエディタ]を選択します。デフォルトではレンダリング結果が表示される設定になっていないため、【1-D】のプルダウンメニューから[Render Result]を選択して、レンダリング結果が表示されるように切り替えます。


  • ◀【1-D】Imageエディタ④
    このプルダウンメニューには、開いているBlenderのシーンに読み込まれている全ての画像がリストアップされます。表示されている画像が多く探し当てることが困難な場合は、一番下の検索項目にデータ名を打ち込むことでソートが可能です。また、ここでは次に説明するCompositorエディタのアクティブなViewerノードに接続されている画像を表示することもできます

レンダリングの結果を別ウインドウとして表示したくない場合は、[Preferences→Interface→Editors]より[Temporary Windows→Render in→New Window→Keep User Interface]に設定することで、別ウインドウは立ち上げず、レイアウトのImageエディタにレンダリング結果を表示させることができます【1-E】

▲【1-E】Imageエディタ⑤
モニタの解像度が低かったり、以前紹介したアドオンの「Floating Windows」を使用していない場合は、Blenderのメインウインドウをアクティブにすると、レンダリング結果を表示しているImageエディタのウインドウは後ろに隠れてしまいます。この設定を[Keep User Interface]に切り替えてレイアウトにImageエディタを組み込んでしまえば、メインウインドウで常にレンダリング結果を確認しながら作業することができます

<注意点>
スロットにストックされている画像はキャッシュに保存されているだけなので、ファイルを開き直すと全て消えてしまうので注意してください。



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