記事の目次

    レイアウトの重要性

    レイアウトは様々な表現手段で用いられる技術ですが、映像表現においては特に重要な意味をもちます。アニメーションを制作する上では、レイアウトこそが作品の出来の半分以上を決めると言っても過言ではないくらい、大事な役割を担っているのです。さらに、その技術をどのように使うかは難易度が高く、奥の深いものでもあります。その大きな理由としては、普段われわれがものを見る際の「無意識」部分を掘り下げた技術であるからだと言えるでしょう。明確に「ここがこうだからこうなる」という論理的な話は少なく、「感覚」や「心理」といった非常に抽象的な部分に直結しているため、言葉で理屈を説明することが難しい上、人や国、文化によって受け取り方も異なってくるからです。また、レイアウトの技術は絵画や写真などの世界にも存在していますが、映像に関しては「時間軸」が伴います。そのため、レイアウトの技術も静止画のものに比べれば非常に複雑になり、覚えなければならない要素も格段に増えることになります。

    しかし、その中でも普遍的かつ論理的であり、誰しもが意識することで習得可能なレイアウト技術というものも確かに存在します。今回は、そういったできるだけ言葉で説明できるレイアウト技術に関する解説を、以前この連載で作成したアニメーションを例に行なっていきたいと思います。レイアウトについて深く知ることで、アニメーションの質が向上することはまちがいありません。

    TEXT_森江康太(トランジスタ・スタジオ/ディレクター)
    書籍「アニメーションスタイル+」著者。MV「Express」等の作品で監督としても活動している。
    トランジスタ・スタジオ公式サイト
    0130.web(個人サイト)
    @kohta0130(Twitter)

    続きは、月刊誌で!

    CGWORLD 187 号に関する詳細は下記リンクへ
    CGWORLD 2014 年3月号 vol.187