CGコンテンツを扱う企業に、1.基本情報(ツールやチーム構成)、2.仕事内容(ワークフローやスキル)、3.文化(スタッフの一日の過ごし方や学び方など)の3項目について共通でインタビューを実施。連載を通じて業界、職種、企業ごとに具体的にどんな違いがあるのかを解明していく。

第2回は、遊技機メーカーのサミーと、アニメ制作会社のサンジゲンが共同出資で立ち上げた遊技機映像制作会社ギャラクシーグラフィックス。2024年で設立から10周年を迎える同社は、『P頭文字D』『パチスロ 甲鉄城のカバネリ』など様々な作品の映像制作を手がける。そんなギャラクシーグラフィックスで働くコンポジターの働き方を深掘りして伺った。

記事の目次

    <1.基本情報> ギャラクシーグラフィックス コンポジターとは?

    手がける案件

    主にサミーの遊技機映像制作・開発を担当している。

    • P頭文字D
      ©しげの秀一/講談社・2014新劇場版「頭文字D」制作委員会
      ©しげの秀一/講談社・2015新劇場版「頭文字D」L2制作委員会
      ©しげの秀一/講談社・2016新劇場版「頭文字D」L3制作委員会
      ©Sammy

    • 『スマスロ北斗の拳』
      ©武論尊・原哲夫/コアミックス 1983,
      ©COAMIX 2007 版権許諾証YRA-114
      ©Sammy

    チーム構成

    現在、社内には6名のコンポジターが所属。プロジェクトごとに、3DCGデザイナー1~2人、2Dデザイナー1~2人、コンポジター3〜4人、オーサリング2名がアサイン、計7~10人のデザイナーで制作にあたる。加えて、実機への実装を行うプログラマや、スケジュール管理をする制作進行と、連携をとりつつ開発をすすめる。


    使用ツール

    After Effectsをメインにコンポジットを行う。 Illustrator、photoshop等を使うことも。プラグインは、Trapcode、VIDEO COPILOT、Sapphireなどを使用。

    <2.仕事内容> ワークフローや求められるスキル

    所属メンバー紹介

    佐藤氏

    リードコンポジター/専門学校卒業後にギャラクシーグラフィックスに新卒入社(2019年度入社)

    山根氏

    コンポジター/専門学校卒業後、アニメ会社撮影部門に1年ほど在籍しギャラクシーグラフィックスに入社(2020年度入社)

    仕事内容・ワークフロー

    2Dデザイナーが作成したデザイン、3Dデザイナーが作成した3DCGモデルなど、すべての素材を合成して最終ルックに仕上げるのが主な役割

    ワークフローごとの使用ソフトを示した図。1.情報収集を行う。2.ブレストを行う。3.決定した要件に基づき、2DデザイナーがPhotoshop、Illustratorを使用して2D素材の制作・3DCGデザイナーが3dsMax、MayaなどのDCCツールを使用して3D素材を制作する。4.コンポジターがAfter Effectsを使用して全ての素材を合成する。

    特徴

    コンポジターが作成した映像は、実機にそのまま映し出される最終アウトプットとなる。

    「作品の最終的なクオリティを決定するためプレッシャーも感じるが、その分実際にユーザーが自分が制作したもので楽しんでいる様子を見た時にやりがいも強く感じられる。」(山根)

    コンポジットチームのエリア

    また、同社にはメーカーの担当者が常駐しているため、メーカー側との擦り合わせもしやすい環境だ。加えて協力会社との連携も密で、現場で一緒に業務をこなしたり、逆に指導をお願いすることまであるそうだ。社内的にも他職種と連携して作業を進めるのが基本で、会社全体として穏やかな人が多く、常にコミュニケーションをとりながら制作を進める文化が根付いている。

    求められるスキル

    募集要項はこちらを参照。特に求められるのは「コミュニケーション力」だ。実際の開発現場では、発注元のメーカー、社内の制作担当者、協力会社.....制作に携わる関係者が多く、確認不足などのミスが発生した際に生じるロスはその分大きくなるからだ。クオリティアップにつながる試行錯誤の時間を生むためにも、無駄のない効率的な制作を実現するコミュニケーション力は重要だ。

    「私の場合はできるだけ相手と同じ目線で気持ちを汲み取りたいので、一方的な指示や受取はせず、一緒に作り上げていく気持ちを意識しています。そのためには、些細なことでも質問をしたり、他愛のない会話をすることが大事だと思っています。また、その人の目指す仕事の内容を尊重して接するようにしています。」(佐藤)

    「P頭文字D Non-Stop 3000Edition」最速試打動画(道井 悠)

    演出方法の観点から言えば、遊技機の映像制作では、プレイしているユーザーが興奮して煽られるような色使いや演出、テンポ感が重要な要素になってくる点も挙げられる。

    「入社当時は自分がホールで実際に打ってなかったタイプで.....。上司に誘われて実際に打ちに行き体感することで、何が演出として重要なのか覚えていきましたね。今でも勉強も兼ねて、2週間に1回はホールに打ちに行きます。」(山根)

    <3.企業文化> スタッフたちの働き方や価値観

    スタッフの1日の過ごし方

    就労時間:10:00 〜 19:00

    社員のスケジュールは、10時前に出社、社内ミーティングが30分ほど、12時半から1時半までが休憩時間となっている。午後にはクライアントや協力会社との打ち合わせ、そして個々の仕事をこなす。


    インプット方法

    作業デスクの様子

    YouTube等でパチンコパチスロ動画を見ることに加え、遊技機とはまったく別のジャンルのアニメやVTuber、プロモーションビデオ、コマーシャルなど映像を見て、映像表現として格好いいと感じた要素は取り入れている。

    「遊技機の映像にも流行りがあるのですが、開発期間が2年ほどかかるので、今の流行りを取り入れても世に出る頃には飽きられているかもしれない。普遍的な格好良さと作風をバランスよく融合させて、新しい表現を目指しています。」(佐藤)

    会社情報

    ギャラクシーグラフィックス


    設立日:2014年10月10日
    資本金:7,500万円
    URL:https://www.galaxygraphics.jp/

    同社では現在コンポジター職を募集中。詳細はこちら

    TEXT_Kaori Takeda
    INTERVIEW__山下一貴 (CGWORLD)
    EDIT_中川裕介(CGWORLD)