CG特化型スキルアップ&就活フェス「CGWORLD JAM ONLINE 2023」にて、思い出をテーマにした「思い出CGグランプリ」が開催された。参加者は楽器、乗り物、文房具、おもちゃ、家電、お菓子という6つのお題からひとつを選び、それをCGで表現し、さらにその作品の背後にある思い出やエピソードを共に投稿した。
評価の基準は「CGや絵作りの技術力」と「エピソードを含めた作品の共感性」。
わずか23時間という短い募集期間にもかかわらず、54人ものクリエイターからの作品応募があった。10作品が入選、6作品が佳作として選ばれた。さらに、最優秀賞に輝いた方には、マウスコンピューターからクリエイター向けノートPCが贈呈された。
■協賛
マウスコンピューター
https://www.mouse-jp.co.jp
■結果発表イベント
優秀作品
●自己紹介&意気込みをどうぞ!
初心にかえって頑張ります!
●作品にまつわるエピソード
幼少期にアメリカに住んでいたころの思い出。メキシコのカンクンへ旅行へ行ったときに体験したドルフィンライドの様子をモチーフに選びました。また、画の中に登場するアイテムは、良く通っていたキャンディーショップで買っていたお菓子の中でも特に思い入れのあるものたちを模しています。
●使用ツール
Maya, ZBrush
<最優秀賞 賞品> DAIV S4-I7G60CB-B プレゼント!
DAIV S4-I7G60CB-B
提供元:マウスコンピューター
GeForce RTX™ 4060 Laptop GPU 搭載ノートパソコン。キャリブレーション済の液晶パネルを採用しており、出先でも本格的な編集が可能。動画編集・3DCGにオススメ。
●審査員コメント 抜粋
【 フジモトタカシ/OFBYFOR TOKYO 3DCGアーティスト・レタッチャー 】
グラフィックに落とし込むセンスが好きです。平面デザイン的な心地よさがある作品です。
【 德永なお/コンセプトアーティスト 】
イルカに乗った思い出を、思い出の品(キャンディー)として形にしていることが、魅力的でウキウキさせられた作品です。自分なら何をキャンディーとして思い出を閉じ込めたいだろう…と考えてしまいました。「思い出」がテーマとなると哀愁漂うような見た目の作品が多く見られますが、フレッシュで鮮やかなままで残したい思い出も沢山ありますよね。イルカの周りのものもイルカ関連の思い出ならではのモチーフだったら、より特別な作品になりそうです!
【 涌井嶺/VeAble 映像ディレクター・VFXディレクター 】
キャンディーショップで買っていたお菓子を通して思い出を表現するという着眼点に心を奪われました。お菓子という静物を描いた作品でありながら、イルカの泳ぐ向きに流れがあるようにオブジェクトがレイアウトされていて、ダイナミックな印象を受けます。それぞれのお菓子が持つ質感もかなりリアルに表現されていると思いました。背景の白い壁の固い影がかえって奥行きを狭く見せている印象があるので、壁の距離を離したり、影がボケて見えるようにライティングするとさらにリッチに見えるのではないかと思いました。
【 北田栄二/ModelingaCafe 取締役・Environment Modelig Supervisor 】
アイデアが面白いのと、各種組などの質感が素晴らしいですね。全体的に白を基調にして、それぞれのオブジェクトが差し色になっていて作品として非常にまとまっていると感じました。
●自己紹介&意気込みをどうぞ!
子ども心を思い出す楽しい作品になったかと思います!
●作品にまつわるエピソード
小さい頃、断面をマジックテープで繋げた野菜を切るおもちゃで、別々の野菜を組み合わせて遊んでいました。
●使用ツール
Blender
●審査員コメント 抜粋
【 フジモトタカシ/OFBYFOR TOKYO 3DCGアーティスト・レタッチャー 】
全く同じことをしていたので、共感です。僕の家にあったものは、妹とか口に入れたり、もっとボロボロになっていました(笑)
【 涌井嶺/VeAble 映像ディレクター・VFXディレクター 】
ありましたね、このおもちゃ。懐かしさを感じさせつつも、ひときわポップで美しい画作りに目を引かれました。配色もかなり計算されているのを感じます。マテリアルの絶妙な調整や撮影処理のおかげで、おもちゃの細かい手触りやマジックテープの剥がれる音が伝わってくる素晴らしい作品になっていると思いました。
【 北田栄二/ModelingaCafe 取締役・Environment Modelig Supervisor 】
自分の娘がまさに同じおもちゃで遊んでいるのをつい先日のように思い出しました。造形の丸み、色使い、柔らかいライティングが非常に心地よく感じれました。作品の完成度よりも作品のテーマ、共感点が高い作品だと感じました。
●自己紹介&意気込みをどうぞ!
普段は二次創作でキャラクターばかり作っているCG趣味勢です。ノートのテクスチャは息子に協力してもらいました。
●作品にまつわるエピソード
小学校でボタンいっぱいの筆箱が流行ったので親に買ってほしいとお願いしたけど、教育ママだった親には買ってもらえませんでした。そうこうしているうちに、遊ぶという理由で学校で禁止になってしまいました…。
●使用ツール
Blender, Fusion360, Substance 3D Painter, Photoshop
●審査員コメント 抜粋
【 フジモトタカシ/OFBYFOR TOKYO 3DCGアーティスト・レタッチャー 】
机に文字を彫ってるのが懐かしすぎる。。買ってもらえなかった筆箱を作品にするというのが、ある意味思い出をCGで昇華?しようとしている切り口が斬新で面白い。
【 涌井嶺/VeAble 映像ディレクター・VFXディレクター 】
画のいたるところから、この机を使ってきた子供たちのストーリーが見えてわくわくする作品だと感じました。特に鉛筆で穴の開いた消しゴムがさりげなくてとても好きです。左上から右下にかけての対角線で見せたいものをまとめているので、コンポジット時に右上や左下にブラーや減光を少し載せるとさらに目が引き込まれる作品になりそうです。
【 北田栄二/ModelingaCafe 取締役・Environment Modelig Supervisor 】
僕も子供のころに憧れた文具の一つです。同じように遊ぶからという理由で買ってもらえませんでした(笑)
1日という短時間の間に複雑な形状の筆箱など制作されていて、造形や着眼点に共感が持てました。造形と同じぐらい、もう少しテクスチャーと質感のクオリティが上がれば、更に作品の完成度を上げられたかもしれません。
●自己紹介&意気込みをどうぞ!
dcgの学校でオンライントレーナーをしています。見る人が楽しめるような作品を目指しています。
●作品にまつわるエピソード
小学生の時、学校が終わったら友達と外で遊ぶことが多かったです。 遊んでいるとお腹が減るので駄菓子屋で駄菓子を買いに行きます。しかし、小学生のおこづかいは少ないので駄菓子をたくさん買えません。 多くの種類の駄菓子が食べられるように友達と何を買うか計画して、お互い別々の駄菓子を買って食べる時に半分こをよくしました。 幼いころの友情という思い出をCGに盛り込みました。
●使用ツール
Mol3d, Blender, Substance 3D Painter, HDRILightStudio, Photoshop
●審査員コメント 抜粋
【 フジモトタカシ/OFBYFOR TOKYO 3DCGアーティスト・レタッチャー 】
映っているオブジェクトすべてに共感しました。
【 德永なお/コンセプトアーティスト 】
机の上のもの全てが自分をハッピーにしてくれる時代ってあるな〜としみじみ思いました。ゲームや駄菓子だけでなく傷がある折りたたみテーブルなど、モチーフひとつひとつ懐しいものを丁寧に選んでいて、イメージをしっかりもっているような印象を受けました。物の量が多くて逆に平面的な図になってしまわないよう、見てほしい物の優先度をつけてみるとグッと良くなるかと思います。
【 北田栄二/ModelingaCafe 取締役・Environment Modelig Supervisor 】
個人的には非常に刺さるアイテムばかりで、見ていて子供のころを思い出しました。制作価値をSNSで見せて頂いていましたが、物が多くて視点がばらけてしまったのが少し残念でした。個人的にはゲームボーイに焦点を絞って作品を仕上げた方がより懐かしさに共感でき、絵としての完成度を高められたかもしれません。
●自己紹介&意気込みをどうぞ!
懐かしいという感情の大切さを実感しながら、子供の頃を思い出し製作しました。
●作品にまつわるエピソード
小学生の頃、文房具を使った遊びと言えば「消しピン」でした。 消しゴムを指ではじき、ビリヤードのように相手の消しゴムに当てて机の上から落とすゲームです。 それぞれ違う形の個性ある消しゴムで、休み時間は机の上がスタジアムになった思い出を作品にしました。
●使用ツール
Blender, Substance 3D Painter
●審査員コメント 抜粋
【 フジモトタカシ/OFBYFOR TOKYO 3DCGアーティスト・レタッチャー 】
皆で机を囲んで休み時間を過ごす楽しい時間が、主観の熱中する視点を表現されている。
【 德永なお/コンセプトアーティスト 】
ケシピンをしている机と、それを囲む楽しそうなご友人の雰囲気がよく表現されています。物語はあくまで机にフォーカスされていて、情報が多すぎず、とても見やすい図になっています。教室っぽさをなんとなく演出するようなライティングを実験してみてもいいかもしれないですね。
【 北田栄二/ModelingaCafe 取締役・Environment Modelig Supervisor 】
人間の造形をリアルにしなかったのがアイデアと良かったと思います。昔を思いだしているような雰囲気をライティングや被写界深度のボケ具合が作品に良いアクセントを与えているように感じました。
●自己紹介&意気込みをどうぞ!
普段はCMやMVのCG制作させていただいております。今回は大喜利的な感じに楽しませて頂きました。(物凄い短距離走で大変疲れました)
●作品にまつわるエピソード
大混雑の花火大会。やっと買えた「りんご飴」を頬張ろうとした瞬間、屋台の隙間から見えた大輪の打ち上げ花火。そんな幼少期の思い出があったような気がします。
●使用ツール
Cinema4D(人物はCinema4Dのアセット素材。他はすべてオリジナル制作です)
●審査員コメント 抜粋
【 フジモトタカシ/OFBYFOR TOKYO 3DCGアーティスト・レタッチャー 】
りんご飴がリンゴ型の大きな飴だと思っていたがかじったら甘くないリンゴが出てきてがっかりした幼少期を思い出して共感しました。技術的なところだと、構図に視線の誘導が考えられている。モデリング・マテリアルなど全体を通してクオリティが高い。
【 涌井嶺/VeAble 映像ディレクター・VFXディレクター 】
画面の中に大人がたくさんいることで、比較して子供の目線だというのがわかりやすくなっているところに工夫を感じました。買ってもらった直後で、嬉しそうにりんご飴を持っている感じが伝わります。花火がこれだけ打ちあがっているので、逆向きのキーライトが中~遠景にもっと効いているとよりお祭りの空気感が表現できそうです。
【 北田栄二/ModelingaCafe 取締役・Environment Modelig Supervisor 】
制作過程を追わせてもらっていて、どういった構図でまとめてくるのか楽しみにしていた作品の一つです。接写で見せてくるだろうとは予想していましたが、意外な場所からの意外な魅せ方!短い時間で全体的に良くまとまっている作品だと感じました。
●自己紹介&意気込みをどうぞ!
仕事で実写合成をすることが多いので、今回も一日でどれくらいそれっぽく見えるかを挑戦しようと、HDRI作成とモデル作成、コンプまで含めて一通り作業してみました。計10時間ほどの作業でしたが、全部やるのは難しかったです。いい力試しになりました。
●作品にまつわるエピソード
記憶に残っている思い出はたくさんあるのですが、写真でしかみたことがない小さい時の思い出をそのまま作品にしてみました。ミニカーも現物がなかったり、CGならではの思い出作りになれたと思います。ミルク缶の上にミニカーを乗せるのが好きだったみたいです。
●使用ツール
Maya, Photoshop, Substance 3D Painter, Nuke.darktable
●審査員コメント 抜粋
【 北田栄二/ModelingaCafe 取締役・Environment Modelig Supervisor 】
絵(合成)としての完成度が非常に高く、多くの参加者がフル3DCGに偏る中で、CG素材をアクセントにして合成するというアイデアが良かったと思います。アイデアからモデル、テクスチャー、合成、仕上げまで、素晴らしい出来だと思いました。
●自己紹介&意気込みをどうぞ!
「ヒル」という名前でTwitterに作品投稿してます!!
https://twitter.com/hill_hill2007
●作品にまつわるエピソード
小学校低学年の頃に、手作りでギターのおもちゃを作り、かなり気に入って外に持ち出したのをよく覚えています(笑) でも、そのあとにすぐ壊れたような記憶もあるような気もしますが、それも含めて面白い、良い思い出でした!
●使用ツール
Blender, Photoshop
●審査員コメント 抜粋
【 德永なお/コンセプトアーティスト 】
今作りましたと言わんばかりの感じで、手作りギターとその材料がレイアウトされているところに魅力を感じました。箱やカッティングボードのグリッドのパターンが少し固く、大人っぽい印象を受けるので、それを和らげるような色やモチーフで工夫してみてもいいかもしれないです。
●自己紹介&意気込みをどうぞ!
CGデザイナーの川久保と申します。けん玉で失敗しているタイミングを作品にしました。けん玉の遊びの中でも、特に「もし亀」は失敗したらゲーム終了なので、遊んだ数だけ失敗があり、鮮明に思い出に残っています。見る人にストーリーが伝わる作品を目指して制作しました。こだわったポイントはテクスチャで、シミや傷、凹みなどで、たくさん練習した感が出るよう意識しました。
●作品にまつわるエピソード
小学校の頃、とてもけん玉ハマり、四六時中友達と「もし亀」の回数を競っていました。一度だけ500回を達成できそうだったのですが、腕に力が入らず球が落ちてしまい達成できなかった記憶が頭から離れません。
●使用ツール
Maya, Substance 3D Painter, Photoshop, Illustrator, illustACのイラスト素材(店奥のお菓子のパッケージに使用)
●審査員コメント 抜粋
【 涌井嶺/VeAble 映像ディレクター・VFXディレクター 】
けん玉の傷が、数々の剣先の失敗を感じさせるようにできていて素晴らしいと思いました。指で持っていたところが黒ずんでいるのもリアルです。バンプだけでなく、中皿や大皿のあたりのエッジが少し欠けているなど、オブジェクトのシルエットを少し壊すようにモデリングしてもいいかもしれません。奥行き的にはけん玉と背景にかなり差があるのに、あえて両方とも同じピントの合い方になっているので、普通はベタっとした画になりがちなのですが、思い切ったけん玉の大きいレイアウトによって成立していて面白いです。
●自己紹介&意気込みをどうぞ!
まめたろうです。普段はずーっとみていられるようなループ映像を作っています。ほっこりするとても素敵でおもしろいコンペだなぁと思って参加しました!優勝したら子供たちとお菓子でお祝いします!
●作品にまつわるエピソード
先日我が子たちがクッキーやお菓子をテーブルに並べて 文字や図形を作ったりしていました。 自分の小さい頃と全く同じ事をしていてとても嬉しくなりました。 あの頃は、恐竜が火を吹くしなんでもアリで何も気にせずとても自由に世界を作っていたな~と 当時を思い出して制作しました。
●使用ツール
Cinema4D, After Effects, Photoshop
●審査員コメント 抜粋
【 北田栄二/ModelingaCafe 取締役・Environment Modelig Supervisor 】
僕も小さい時に似たようなことをしていて、最終的には粉々になったクッキーを飛散させて両親に叱られた記憶がよみがえってきました。個人的な主観ですが、思い出、淡い柔らかなライティング、被写界深度が思い出というテーマにぴったりはまっている印象を受けました。印象点が非常に高い作品だと思います。
●自己紹介&意気込みをどうぞ!
CGを始めて半年です!背景モデラー目指してます!
●作品にまつわるエピソード
私は小学校1年生の頃から高校生までチェロを習っていました。大学ではオケサークルに入っていたので、チェロとは10年以上の付き合いです。しかしながらここ半年間あまり練習する時間がとれず、小学生の頃ほぼ毎日練習していたことが、とても懐かしく感じたことがこの作品を制作するきっかけになりました。
●使用ツール
Maya, Substance 3D Painter
●審査員コメント 抜粋
【 德永なお/コンセプトアーティスト 】
モチーフそれぞれを主張することなしに、全体的にその場その時の雰囲気を表現されているように感じました。もう一つでも個人的なモチーフがあるとより思い出らしさがある作品になりそうです。
●自己紹介&意気込みをどうぞ!
東日本大震災で大きな被害を受けた岩手県陸前高田市の復興のためのNPO法人タカタカラを地元陸前高田の仲間と立ち上げました!独学&初心者ですが、地元のために何かできればと思い活動しています!
●作品にまつわるエピソード
高校通学で毎日使っていた大船渡線の陸前高田駅は津波で流されてしまいましたが、私の青春時代の記憶を彩るとても思い出深い駅、電車です。初めてできた彼女もこの電車で出会った子でした。田舎で乗客も毎日同じなので、誰がどこに座るかもだいたい決まっていて、まるで指定席のような感じでした。当時を思い出しながらエモい気持ちで制作させてもらいました!
●使用ツール
Unreal Engine 5
●審査員コメント 抜粋
【 フジモトタカシ/OFBYFOR TOKYO 3DCGアーティスト・レタッチャー 】
高3の時に好きな人と電車で画塾に通っていた記憶が呼び覚まされました。エピソードにとても共感しました。
●自己紹介&意気込みをどうぞ!
熊本でCG制作をしてます。山野幸一郎です。今回1dayタイムアタックというとても面白そうな企画が目に入り参加させて頂きました。せっかくなので、過去の作品のモデルなどは使用せず、まっさらなシーンから始めました。短い時間の中で最大限の力を発揮できたと思います!
●作品にまつわるエピソード
僕の実家は山奥で、一番近くのコンビニまで車で30分以上かかります。 少年のころ、軽バンで買い出しに行く両親についていき、ゼリーやアイスなどを買ってもらうのが楽しみでした。 帰る時に、後部座席で夜空を眺めていました。 思えば何でもない田舎の日常だったのですが、とても好きな時間でした。
●使用ツール
3dsMax, Cinema 4D, After Effects, Photoshop
●審査員コメント 抜粋
【 フジモトタカシ/OFBYFOR TOKYO 3DCGアーティスト・レタッチャー 】
作品から空気感を感じます。なつかしさと、窓が開けてて夜風が入ってきて気持ちよい感じ、没入感がありますね。
●自己紹介&意気込みをどうぞ!
1日で完結するコンテストということで、卒業制作の息抜きに参加させて頂きます!
●作品にまつわるエピソード
中学1年生の冬に開催される吹奏楽部の定期演奏会にて、人生初のソロパートを演奏したのですが、その時に人生初のソロだったのと、当時の内気な性格が相まって緊張で手が震え、朧気としていたのを今でも覚えています...人生で一番緊張したといっても過言ではないこの時を作品にしました。
●使用ツール
Maya, Substance 3D Painter, Blender
●審査員コメント 抜粋
【 涌井嶺/VeAble 映像ディレクター・VFXディレクター 】
誰しも一度は経験したことのある「緊張」というテーマを「懐かしさ」だと表現する発想が面白かったです。人間の視界って意外と横長なので、横長のレイアウトで作ったほうが一人称視点っぽい感じは出しやすいのではないかと思いました。また、靴の先が画面の下に見えているとかすると、より物語が伝わりやすいかなと思います。テーマも含め、使い込まれた楽器の質感などとても素晴らしいので、構図の切り取り方でさらにいい作品になりそうです!
●自己紹介&意気込みをどうぞ!
映像クリエイター兼 インフルエンサーの活動を行っているそうらいと申します!非常に制作期間が短かったですが、とても楽しく、僕の表現を最大限まで出すことができました。ただおもちゃを再現したわけではなく、同時に自分の思い出を具現化しました。細かな汚れなどもかなり作り込んでいるので、ぜひ拡大して細部までお楽しみください!
●作品にまつわるエピソード
僕は三男として生まれ、小さい頃にこの磁石のバランスタワーのおもちゃでよく遊んでいました。それは僕にとって何よりも大切なおもちゃで、いつも手が届く場所に飾ってありました。月日が流れ、家族の偉大さを知りました。今では弟が二人生まれ、何よりも大切なものがまたできました。
●使用ツール
Blender, Photoshop, After Effects
●審査員コメント 抜粋
【 北田栄二/ModelingaCafe 取締役・Environment Modelig Supervisor 】
僕も家庭を持ち、子供が出来て子育てするようになってから、両親の偉大さを知りました。磁石でくっつきあうピエロが絆で結ばれている家族のように見えてしまいました。全体的に良くまとまっている作品だと思いますが、個人的にはもうひとアクセント欲しかったです。
●自己紹介&意気込みをどうぞ!
今年高3の受験生です。
●作品にまつわるエピソード
空を駆ける大きな飛行機に強いあこがれを持っていた時期がありました。飛行機のおもちゃを動かしながらパイロットになった自分を妄想したものです。夢は変わりましたが、今の僕なら創作の力で空を飛べるかもしれない、そんなことを考えながら作りました。
●使用ツール
Zbrush, Blender, ClipStudioPaintEX, Photoshop, After Effects, Lightroom
●審査員コメント 抜粋
【 フジモトタカシ/OFBYFOR TOKYO 3DCGアーティスト・レタッチャー 】
僕自身が芸大の屋上で風景デッサンをしていた時を思い出して共感しました。曇天の空気感の中で渦巻く才能や葛藤?が見えてとても良い。油絵的な後処理?も良い意味で気になります。
●自己紹介&意気込みをどうぞ!
楽しかったですが時間がたりませんでした!6時間くらいしか作業できませんでした。悔しいです。
●作品にまつわるエピソード
小学生の頃は放課後に誰かの家に集まって「たまごっち」で遊んだりシール帳を持ち寄ってシール交換したり、お絵かきをしていました。キラキラした宝石のような思い出を詰め込みました。
●使用ツール
Blender, Photoshop, Substance 3D Painter, 購入アセット使用(筆箱、鉛筆)
●審査員コメント 抜粋
【 涌井嶺/VeAble 映像ディレクター・VFXディレクター 】
時間がないと仰っていましたがテクスチャや細かいアイテムでしっかりと情報量を確保しているので全くベタっとして見えず、限られた時間での表現としてかなり良くできていると感じました。自分も妹がいるので家にこういったアイテムがたくさんあり、懐かしさという意味ではかなり共感できました。画面外に窓枠のモデルなどを置いて影を落とせば、さらに空間の広がりや窓際の机っぽい雰囲気を演出できて物語性が増すのではないかと思いました。
●自己紹介&意気込みをどうぞ!
都内でキャラクターモデラーとして働いています。個人的にフィギュアを作ることも趣味なので、今回の作品もミニチュア作品のようなイメージで仕上げました。
●作品にまつわるエピソード
幼少期、私の祖父はよく絵本を読んでくれる人でした。祖父の家には色々なぬいぐるみや操り人形があり、いつも劇を交えて朗読してくれていました。子供好きな祖父だったので今思えば私たちの為に揃えていたのかも知れません。現在は私が祖父の家を引き継いで暮らしていますが、思い入れのある人形は今も捨てられないでいます。
●使用ツール
Zbrush, Maya, Photoshop
●審査員コメント 抜粋
【 フジモトタカシ/OFBYFOR TOKYO 3DCGアーティスト・レタッチャー 】
アウトプットを自分の作風?得意な領域にうまく持っていって表現されているように感じました。23時間でここまでのキャラクターを作れるものなんですね、、脱帽です。
■登壇者
フジモトタカシ
OFBYFOR TOKYO/3DCGアーティスト・レタッチャー
東京を中心に活動する、デジタルクリエイティブコレクティブ・OFBYFOR TOKYO所属の3DCGアーティスト・レタッチャー。繊細なCG表現を強みとして、ファッション・音楽・広告領域と幅広い分野で活躍。主な実績として、 Rakuten Fashion Week TOKYO 2024 S/SのKVやPerfume「FLOW」ジャケット写真のCGデザインなどがある。
●総評
参加された皆様、お疲れ様でした。技術的な内容ももちろんですが、皆様の思い入れにも共感しつつ採点させていただきました。23時間ということで応募が少ないんじゃないかな、という話もあったのですが、最終的には審査がギリギリになるほどの応募数になりました。まず「やろう」とされたことがすごいこと。時間がないなかで完成させるテクニックなど、成長する機会になっていたら良いのかなと思いました。お疲れ様でした。
德永なお
コンセプトアーティスト
熊本県出身のコンセプトアーティスト。FZD School of Design卒業後、国内外のゲーム・アニメーション等のヴィジュアルディベロップメント・コンセプトアートに従事する。現在、ゲーム会社にてコンシューマーゲームのコンセプトアートを担当。野外ペインティングで海外のギャラリーショーに度々参加している。
●総評
「思い出グランプリ」ということで、思い出のエピソードも含めて楽しく審査させていただきました。実際にあったことを作品にされている方がほとんどで、「ああこういうふうにアウトプットするんだな」と、自分自身勉強になった点も多かったです。審査員皆様もさまざまな視点があって刺激になりました。お疲れ様でした。
涌井嶺
VeAble/映像ディレクター・VFXディレクター
東京都出身。東京大学、同大学院卒業。2021年公開の実写合成MV『Everything Lost』がVFX-JAPANアワード2022にて優秀賞を受賞。その後は実写合成をメインとしたVFXのノウハウを活かし、さまざまな著名アーティストのMVやCMでディレクター/VFXディレクターとして活動中。映像作家100人2022・2023選出。
https://veable.tokyo/
●総評
今回は初心者の方から学生、プロの方まで参加されていて、CGという面でのクオリティはいろいろありましたが、そこの上下をひっくり返すようなアイディアだったり、思い出の表現だったり、そういう部分で順位が入れ替わったりもしたんじゃないかなと。テーマを考えるだけで23時間使いたいようなお題だったと思うんですけど、表現したいものがあって、表現する技術を持ち合わせている方が多くて、こちらも勉強になりました。点数をあげたくてもできなかった作品もあり、結果が全てではないなと思っています。講評も併せて見ていただけたらと思います。皆様お疲れ様でした。
北田栄二
ModelingaCafe.inc/取締役・Environment Modelig Supervisor
大阪府出身。国内外で活動中のデジタルアーティスト。現在はModelingCafe福岡支社代表。現在は国内外の映像、ゲーム制作に従事しています。著書『Maya実践ハードサーフェスモデリング:プロップと背景から学ぶワークフロー』(ボーンデジタル/2015年2月刊)
https://twitter.com/EijiKitada
●総評
23時間という仕事でもなかなかないような時間で、印象点、技術点、共感点という3つの視点で評価させていただきました。僕自身、プロ・アマ・学生がひとつのテーマで応募するコンテストの審査員は初めてで、審査員の皆さんそれぞれに視点・採点基準があって、なかなか難しかった。何を見てどう点をつければいいのかも難しかった。僕自身、仕事で時間がないことを言い訳にしがちなんですが、時間がないことは言い訳にできないなと改めて思った次第です。応募作品は順位に入っている作品、入っていない作品、僕が点数を入れたけども順位に入らなかった作品もあります。そう言ったところも含めて、23時間という限りある時間のなかで行動された方の存在が刺激になりました。参加された方の多くか寝ずに作業されたと思います。本当にお疲れ様でした。すごく楽しませていただきました。
■INFORMATION
「ありとあらゆるアイデアをアウトプットしたい」。「クリエイションに没頭したい」。「ストレスなく創造したい」。新しいDAIVは、そんな想いを叶えるために、生まれたクリエイティブPCです。数多くのクリエイターの声を反映し実現した、抜群のスピード・安定感と洗練されたデザイン。シームレスな制作環境を提供し、さまざまなクリエイションをサポートします。まるで身体の一部のような直感的な創造体験を、このDAIVとともにお楽しみください。
https://www.mouse-jp.co.jp/store/brand/daiv/ddseries.aspx